存在の軽さ較べ瞼なお重くなる
爆竹でアリの巣拡張工事
たゞならぬ角度で本開く
どこまで似る似たもの同士
春の緩みのせいにしておこう
東京ブギウギの東京はもはやない
夢砕けギターばかりが饒舌になる
サクランボ遅れて恋歌う
一緒に騒いでも独り
諭すように歌い失笑買う
手伸ばし草原の先
風吹く丘に降り立って
風邪福岡に蔓延って
桜散る 夢の種結び
忘れたいことなど今日だけでも両手に余る
依存の前に手を引きたかった
火をつけて逆だと初めて気づく
誘惑にも負けない貧乏具合
しくじって次どうするか迷う
乗り遅れ狼狽えて草履脱ぐ
踏んではいけない物を踏む
満月見て左足だけ踊る
足止めて表札見る
寄せ集まりでも鮮やかな色成す
石畳の道に迷う異国の異教徒
紅い薔薇神経質そうに咲く
暗闇でイガを踏む
一歩踏み入れ異臭
何かゞ起こる前二つ三つとくしゃみ
素手で持てない物を持たされ
名曲の作曲家名前も思い出せず
整髪料いらなくなった春
気づかれず霧の声に耳塞ぐ
店見つけても欲しいもの見つからず
行列の先頭が気にかゝる
朝から晩まで自転車で逃げる
雨だけは降るなとツーリングの空
つれない猫 夢にも出て来ず
経緯思い返す事さえ想像できぬ
明日もきっと退屈だもっと寝て過ごそう
豆腐屋のラッパもスピーカーから
退屈が忍び寄る満員電車のあちこちで
あるじなき手袋木の枝暖める
退屈積もり尚重くなり
幼きころなくした帽子思い出す
走り出せども涙止まらず
外見で損していると気づく夜
悟られて敗北感
諭されて敗北感
彩る花も不要な月光
俺の肩を叩くな
本当に孤独を愛する人はいるのだろうか
強がりも一週間程と見る
決意の遠吠え闇に谺もせず
その声関心もなく雑音のごとく
酒こぼし考え改まる
渋谷歩けばデカダンス感じ
また酒こぼし開き直る
する事もなくいたずらに冷蔵庫開ける
人の感情の我儘なことよ
手が臭くなるほど真鍮細工磨く
遠くに見下ろす光気にかゝる
物言わず静かに氷点が襲う
今宵静かに呼吸する
鉄気の多い温泉につかる
真似するくらいならなり切る
退屈一つ振り払いまた一つ
つまらない奴に恐縮し過ぎた
坊主好きでもお経は苦手
寒村に路面電車を見た
職業に貴賎無しと雖もあれとあれは
やませという名の霧が白く立ちこめる
ふざけた後の心苦しさは退屈のよう
些細なトラブル続き事故は無し
かっこつけて穴を掘る
このコードを引き抜けば楽になる
悪夢に目覚めると東の空白む
やる事なす事全てが裏目
夢は卒業アルバムにはさんだまゝ
微睡みに風車の響き
富士山から逃げおゝせ異国に入る
波音に目を閉じて高田松原
春風の中 いちごに恋寄せる
心奪われて奪い返せず
まっすぐ進めど波が足掬う
言いたいことパワポで説明
昨日食べたアイスクリームの冷たさ忘れる
アケビの実を持ち帰る遠い昔
今日も誰かの誕生日であり命日でもある
たった今無駄の上に乗った退屈流され ....
鼻血出し空見上げ流れ星
風に揺れぬブランコ見つめ
風もなく揺れるブランコ見入る
頭のリセットスイッチ使い過ぎてもう働かない
卒塔婆を集める
数万年の鯨空を駆ける
バビブベボの友はハヒフヘホに非ずパピプペポ
北国の朝の光 リンゴ恋しくなる
小魚でもたくさんいればいゝ
同類に見え嫌悪感沸く
旅に出ればそれがいつも素敵なこと
あの時が最後だったかと思い出す
どこへ行こうと痒いものは痒い
地図がなくとも足はある
〇番線から月の汽車出る
ある者にとっての美はまたある者には絶望
愛しさに心のゆとり蝕まれこれぞ恋と悟る
人に花を持たせ自分が咲く
かすみ草畑の中で夢見る
咳払いするが如く物忘れ
....
狐の里でたんぽぽ茶すゝる
放置した退屈 空気冷やす
人との関わりで余計な退屈また増やす
開き始めた花咲くまで見届ける
ゆとりのない部屋のゴミを隅に追いやる
知らぬうちタイヤに穴があく
退屈とは人が生きている証
叢踏みしめウサギの息探し
度が過ぎて今日もまた何も得ず
雑踏で手足に逃げられる
友乗せて今船が港にやって来た
ラグタイムで身体動かす
過度の緊張は強烈な睡魔
海原に浮かぶ島に石投げる
青深々と時を吞み込む
黒玉西瓜食えるのかと目疑う
遣らずの雨と喜んだら叩き出される
世界に佇み梢を探す
河原に縞模様の石のみ目立つ
言いたいことすべてマンホールの中
遠くのコンビニを選んで買物する
あとは下るだけの観覧車の退屈
明日の希望まだ遠く時計見て待つ
今日は何を決めた
瑞々しき言葉揮発して
遠くを見て加速する
水着素材のおむつそれほど優秀か
どれだけ金に執着する
!の使い過ぎ見苦しい
流れる風景に逆らい大仏立つ
蜩の声が響くとリセット
雨から逃げたくて走る
大阪では四六時中ボケ突っ込み
生まれる前の記憶を呼び覚ます音
バイクで走る 逃げた春に追いつくため
似たもの同士も好き嫌いはあり
星に冴えを感じぬ熱帯夜
別れゆく友さらばの言葉もなく
留守電の件数だけ溜息
日常に意味を求める理由とは
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