焼酎を
ひたすらに呑む
同じ曲を繰り返し
繰り返しかけながら
お湯割りで
残ったおかずと
煮干しと
白菜の漬け物と
古びた恋の憐憫と
夜の更けるまま
ひたすらに
呑む
美しくない
生き方をするのなら
おまえは
蟻んこ以下なのだ
田畑を耕し
土を作る
蚯蚓たちよりも
醜いのだ
おまえが実現することのできる
その精一杯は
美しく
生きることより
....
塩だ
塩だ
砂漠のような
塩だ
俺と
お前を
ここまで運んできた
塩だ
最初の光が生まれたその時から
永い
永い
旅を経て
お前と
俺を
ここまで運んできた
塩だ
砂漠 ....
今年はとうとう
夏が来なかった
夏はもう
来なくなってしまったのだ
きっと冬も
もう来ないだろう
私たちに必要な食物は
どんな薬を使っても作れなくなる
そうして私たちは
少しず ....
おまえは馬鹿だ
本物の馬鹿だ
この世に何をしに来たのかも忘れて
くだらない時間つぶし
人生とは
自分で自分の首を絞める
その力を少しずつ少しずつ
強めてゆく
やがてじりじりと
....
孤独は貴方にとって
最良の友だ
なぜならば貴方は
詩人なのだから
ギネスビールと
カシスソーダしか飲めない
女の子がいた
世界が終わる二年前から
三年間
その女の子と一緒に
暮らした
ぼくには未来がなかったし
彼女には過去がなかった
サンシャ ....
自転車で
学校へ行く
いつもと違う道を
いつもと違う速度で
木漏れ日のなか
自転車で
ぼくは君を好きだったし
君もぼくを好きだった
だけど君は何も言わなかったし
ぼくも何も言わ ....
真夏の光が
俺を焼く
俺は焼かれて
灰になる
そして秋など
待ちもしない
届かない手紙は
いつまでも
届かない
君の住所に
届かない
君のポストに
届かない
君の手に
届かない
君のこころに
届かない
届かない
手紙を
今日も
書きつづけて ....
梅雨明けの
こんな陽気の
空の下で
川原の道を
どこまでも
どこまでも君と
二人乗り
海に出るまで
二人乗り
まったく売れない
女の子
誰にも相手にされないけれど
俺は知っている
綺麗でもない
スタイルもよくない
頭もよくない
みんなそう思っている
だけど違うんだ
俺は知っている
....
トマトの正しい食べ方は
生のまま
程よい大きさに切って
塩と
胡椒と
オリーブオイルと
酢をかけて
そのまま食べるのだと
ずっと思っていた
どんなに凝った食べ方をしても
これ ....
セックスフレンドを募集します
できればオナニーの上手な女性を
スタイルとか拘りません
美人だとか可愛いとか
さして重要ではありません
ましてや学歴や
収入なんて
まったく気にしません
....
誠実じゃない
日が沈む
誠実じゃない
一日が終わる
誠実じゃない僕の
誠実じゃない一日が
あの山の向こうに沈んでゆく
貴女を慰めるよりはむしろ
傷つける途を選択する
そうなると ....
雨が降っている
とても素敵な雨が
道路の埃をすべて洗い流して
この世の憂いを
すべて洗い流して
死にたい気持ちが
いつまでも消えない
夜
寝るとき
もう二度と目が醒めなければい ....
能天気なおまえに
この俺を慰めることなんて
できないんだ
無神経すぎるおまえの
土足は未だに躾けられた通りの倫理と
無口な常識で
俺を踏んづけていることにも気づかない
しかしこの世のすべ ....
だいじょうぶ
人類は
確実に
滅びへの途を辿っています
性欲を保ったままの鬱が押し寄せ
眩暈となって
この惑星を自転させている
それから長い長い雨が降った
もうすぐ訪れる不 ....
ぼくは
その
映画を観なければ
ならない
きっと
その義務が
ぼくには
ある
ぼくの虐めていた
女の子が
死んだ
小学校の頃
虐めていた女の子が
死んだ
引越しして
....
俺を殺してくれ
おまえの官能で
いつまでも
どこまでも
まるで美しい
夕陽のように
こんなに息苦しい夜は
独り最高の
アレルギー狂想曲
一晩中がなりたてて!
迸るスピード感
....
どうしようもない
猫を一匹
買ってきた
どうしようもない店で
どうしようもない値段で売られていた
見るからにどうしようもない猫を
一匹
買って帰ってきた
俺は
ペットを飼うとか、そう ....
スペイン料理を作ろう!
赤ワインを用意して
テーブルクロスなんかも
掛けて
ぼくは真ん中
真ん真ん中
大きなスペインオムレツに
にんにくたっぷり
たまねぎ
ベーコン
だけど君は知ら ....
いつも、おっぱい
はんぶんはみだして
しあわせそうな女の子
ぼくの青春の
片隅に
消えないように
こっそり
隠れて
木の葉が落ちる
ように
静かに死ねる
人間は
いないだろう
馬鹿が
俺に
ローンを奨める
金を借りろ
と
俺に奨める
馬鹿じゃないの?
馬鹿だ
金利で暮らす
奴がいる
この世にうじゃうじゃ
うじゃうじゃ
いる
墓場の
影の
足のな ....
断食あとの
大蒜味噌
茹でたキャベツに
御飯を巻いて
そうさ
おいらは
何も信じちゃいなかった
誰を敬ったりもしていなかった
田舎のやくざのそれと同じに
脳味噌忘れて
突撃
....
おいしいワカメが食べたい
ほんとうにおいしいワカメを食べられたら
もう
死んでもいいくらい
ワカメのほんとうの味を
誰も知らない
それは海の力を吸い込んだ
太陽と
潮風と
しあ ....
「母さん
あの日の馬刺しは今も
あの味のままでしょうか?
そうなのでしょうか?
もしそうだとするのなら
ぼくはどうして
どうしてこのまま
こんなつまらないぼくのまま
生きてゆけましょう ....
そうだ
地獄なんだ
ぼくらはこうして
わざわざ
地獄に
やってきたんだ
地獄で
地獄でしか味わえない
地獄的ないろいろを
味わおうとして
この地獄に
わざわざ
やってきたんだっ ....
そうさ
ぼくらはキスをした
みんながもう寝た頃に
電車の終わった線路を歩いて
手をつないで
歩いた道を振り返って
ふたりを遮る
理由のすべてを振り切って
思えばそれが
ぼくらのささや ....
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