窓硝子越しに見えますは
黒装束の参列です
列の中央に柩らしき箱
あの中には無数の過去の粒子よ
誰が眠っているのでしょう

わざとらしく顔を伏せ
道をゆっくり歩き
向かう先は大きな墓地で ....
仰向けに寝台に横に
疲れた魂はこの身体から
しばらく戻らぬ旅に出る
わたくし、自然と目蓋を閉じます
赤や白の球が目蓋の裏側で
そっと弾けると
静かに涙が零れるのです

意識を寝台に委ね ....
見上げた空もいつかは
大地へと落ちる
地面を藍に染めながら
ゆっくり光を帯びる

風がやめば聞こえる
敗者の悲鳴と嗚咽
この世界にはもう
救いなどない
嘆いている

誰も手を差し ....
恋をしてもいいですか
この思いを隠さなくても
構わないと勇気の出ない僕に
後ろから軽く背中を
押してやってくれませんか

覗いた万華鏡に拡がる
美しい鮮やかな世界
白い兎が手招き
こ ....
裏切りはやがて 憎しみへと
色を変える 亀裂が入るは
この心 その奥
優しく疼く

思い出が砕けて 散って
床できらきら光る
ひとつ、拾い上げれば
頬を伝う 冷たい涙

どうして  ....
つま先立ちで そっと
両腕を広げて
目蓋は閉じたまま
屋上で こうしていると
天使になれる
そんな気がしてた

天使は僕の憧れ
純白のワンピィス
柔らかな羽根
羽ばたかせて空を舞う ....
もう何も要らないよ
全て捨ててきた
風が身体を包むだけ

垂直に
定規で線を引いたみたく
落ちて落ちて落ちて
今、一番輝いているよ

背中に羽なんかないよ
僕は天使じゃないからね
 ....
悲しみの筆を執ろう
白い便箋に文字を並べ
心の内を今
ようやく語ろうと思う

書き終えたら僕は
次の準備をしなくては
背中に見えない羽を
どうか安らかに
空を舞えるように

いく ....
僕は「眠り姫」と呼ばれているそうです
どうして「眠り姫」なのか
理由は遷延性意識障害だからです
いわゆる植物状態なのです
もう何年も寝台に寝たきり動けません

誰かが話す声
聞こえていな ....
夢の中な

もう このまま
毛布 包まったまま
静かに そっと 夢
の中で 永遠に なれた
――なら

キミのいない キミだけ
僕は そんな世界 で
どう遣って 喜び 見つけ
― ....
優しい言葉も
今では
嘘のようで

その唇から零れる
声は前のような
温もりを
纏っていない

溝を再び埋めたくて
埋めたくて
ねぇ、僕達は
もう戻れないの、

離れて行か ....
私は壊れた人形
誰に思われるでもなく
忘れられて箱に仕舞われた

確か主人が名前をくれた筈
だけど思い出せない
螺子がくらくらと緩んでゆく

元々欠品だった私を
主人はそれでも構わな ....
どうか どうか 僕の首を絞めて
殺してやって 下さい
優しく ではなく
力いっぱい 
憎しみ を込めて

そうです そうです
意識 ゆっくり白に侵食
右から左 左から右へ
音はどこか ....
僕は見てはならぬ光景を
見てしまいました
知らない事が幸せだと
そういう事もありましょう

見なければよかったと
後悔しても記憶は
薄れるどころか
色鮮やかに何度も
そう幾度となく
 ....
ドアをそっと閉め鍵を掛けました
貴方が入って来ないように
カーテンも閉めました
外の光が今の私には
眩しすぎるのです

部屋の隅で壁に身を委ね
天井を見れば
乳白色の灯がゆらゆらと
 ....
狭い部屋の真ん中に
敷かれたダンボールの
その上で私は呼吸をしている

腕を伸ばした状態
月灯で照らされた腕は
青白く細くしなやかだった
そこに繋がれた管を
眼で辿ると赤い袋に突き当た ....
キミはもう僕を忘れてもいいよ
メールの返信もしなくていいよ
強がって見せるけどね
違う。違うんだ

あの日一緒に過ごした時間を
寝台の上で静かに思い出しては
今日もシーツを涙で濡らしたん ....
ご存知ですか?
この世界には終わりが在るのです
誰かの一言で消えてしまう物なのです

あまりにも脆く曖昧で
境界線さえも見失って
呼吸の中では気付きはしませんが
ある言葉呪文によって音も ....
この眼の前に聳え立つ壁は
私への試練なのだと
言い聞かせた

嘘と嘘が交差して
その内側に在る真実を
見抜け見破れずに
私の前で一礼し
さようなら、

さようなら
嘘に翻弄されて ....
横たわったキミを抱き上げますと
いつもより少しだけ
重たく感じました
しな垂れる細い手足が
ぷらりぷらり、

裸足の先の爪に
月光の蝶が留まって
おります
青の粉を撒き散らしながら
 ....
悲しみをこの器に
そっと
全部

流し移せたらいいのに

溢れた分は床に
滴り落ちてしまう
不幸は透明な蜜を垂らし始め
心をゆっくり溶かしてゆくのです
貴方様にも苦しみを
飲み干せや飲み干せと

狭い部屋で独りで過ごすのは
どれ程寂しい事でしょうか
私が消えてしまいそうなのです ....
裸足で歩いておりましたら
誰か聞き覚えのない声で
僕の名前を呼ぶのです

立ち止まり振り向くと
そこには小太りの
白いワンピィスを着た
婦人が一人おりました

もうすぐ雨が降るから
 ....
生まれてこなければ
本当はよかった
みんなもそれを望んでいる

そっと瞼を閉じる瞬間に
白い羽がこの瞳に張り付いて
視界を失くしてくれたなら
眼はやがて解けて
空のアイホールに花が咲く ....
キミとの思い出に蓋をする
上から錘を載せて
例え其れが未熟だとしても
私は大切に抱き締める

壊されてゆく今を
崩れて泣き叫ぶ事しか
まだ出来なくて
朝が来るのが怖くて

私に誰か ....
キミとの思い出さえ なくなれば
こんな生活は躊躇いもせず
捨ててしまえるのに
あの頃に戻れる瞬間が来るのだと
どこかで期待して

寝台に潜りキミの胸を撫でる
見えない糸で心を縛らせて
 ....
硬いベットで独り仰向けで
見上げた天井は高く高く
腕を伸ばしても届かないのは
僕が出来損無だから、

灯りは点けないで
カーテンを開けていれば
月の光だけでも充分
青く照らし出されるは ....
心に在る泥濘 脚は重く
前へも後ろにも 行かせぬ
絡みつくは 赤い糸

思い出を流しましょう 
全て消しましょう

月のない宵に あの川へ
悪行を忘れられるように 祈るの

私が私 ....
憧れていた物は何だろう
キミといると部屋は広いのに
窮屈に感じてしまう
内側が小さく丸まってゆく

愛しているとキミは
何度も何度も言うけれど
文字が心に届かないよ

何も響かないの ....
小さな箱の底に僕はいるよ
産まれてきたのに
キミは要らないと言って
冷たい底に僕を置いて
軽く頭を撫でて
遠くへ行ってしまったんだ

どうしてかな
僕は知らない世界に独り
聞いた事に ....
AKiHiCo(300)
タイトル カテゴリ Point 日付
参列自由詩308/1/14 4:50
魂の行方自由詩308/1/13 1:58
life自由詩108/1/11 2:50
幸せ万華鏡自由詩308/1/9 3:39
月色飽和液自由詩108/1/7 17:06
天使の翼自由詩508/1/7 2:35
風になる自由詩308/1/6 1:49
遺書自由詩408/1/3 0:06
悲しい病室自由詩107/12/29 3:09
夢の中な自由詩207/12/27 2:57
好きって気持ち自由詩107/12/26 18:00
人形自由詩507/12/25 1:25
混沌夢部屋:覚醒自由詩307/12/23 1:58
宝石は暗い影を持つ自由詩207/12/21 2:44
党首自由詩207/12/18 20:42
ダンボールと新聞紙と自由詩107/12/15 4:45
アンインストール自由詩207/12/13 1:57
仲間チガイ自由詩107/12/8 1:18
裏切り者へ自由詩207/12/7 14:50
愛する者自由詩207/11/27 0:17
満月は僕を許さない自由詩207/11/20 2:34
蜜を。自由詩107/11/20 2:01
面影自由詩307/11/17 16:16
孤独h自由詩307/11/15 12:30
眩暈自由詩207/11/10 0:58
体温自由詩107/11/7 3:11
硝子の家自由詩307/11/2 14:38
復讐のうた自由詩207/10/30 13:18
もう終わりたい自由詩107/10/28 22:20
いらない子自由詩307/10/27 7:04

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