洗面台の鏡を傾けたら
小さい流木がころげおちた
どうやら 渦巻くのは小さい海
どこか角度の違う世界へと
つながっているらしい

悟ってはいけないよ、と
こころの母の声がして
そっと指を ....
お前との間には
いつも渇いた隔たりがあり
少し上向きの
幼い口びるに舌を寄せても
私の熱はひんやりと
遮られる

お前の泣き顔が好きだ
ほうけた赤い目と
くずれてしまった化粧が好きだ ....
ああもうこんなにも
もっていかれてしまって
こんなつもりじゃなかったのに
気付かぬうち

押し付けられた頬が
桜いろに染まるので
目を細めて
こっそり微笑む

こんなつもりじゃ
 ....
枕と扇風機と
鳩のなき声は
味方だった
働きはじめる冷蔵庫のうなりに
あんしんして目を閉じた
夏の朝はいつも
まぶたを透かす白
レースのカーテンが波立って
飲み込まれる

眠らなき ....
今日の日付が浮かぶたび涙じわりと

眠れずにつけたラジオから
あの人と似た声ざらりと
笑ってしまおう
目を細めたら泣けてきた

一生懸命でした

今日の日付が浮かぶたび涙じわりと
 ....
蝿がぶうんと飛んでいた
人工の生活に慣れない
おまえは電球のかさにさえ
眩惑する
生まれついた無鉄砲さに五六回
かさの障子に挑んでは
じじじとわめいて
いつしか諦めたように
卓上におち ....
蝉は夜企んでいる
おてんとさまが顔を見せたら
どんな風に吠えてやろう
入道雲を飛び越えて
知らぬ街まで響かせようか!

蛙たちの雑談に
まぎれた樹の幹
食い込むほど爪を立て
ひっそり ....
猫が疑問符を撒きちらし
夜がいくらか賑わいを増す
その髭の長さぶんの内容を
ひとつはそっぽをむいた月へ
ひとつは笑い揺れる木々へと
夜が明けるまで
あくびする間もなく語りかける

永遠 ....
かや(38)
タイトル カテゴリ Point 日付
自由詩7*05/10/25 21:57
さびしい愛情自由詩7*05/10/20 18:53
無題未詩・独白2*05/10/15 22:40
白い朝に自由詩3*05/9/1 1:55
雨のふる夏自由詩5*05/8/22 19:07
憂い蝿未詩・独白3*05/8/20 22:24
蝉の夜自由詩4*05/8/12 12:05
私と、猫の夜自由詩14*05/8/8 0:44

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