街は未だにざわめきが残るけれど
フェイクファーを首に巻いたアノ人は もう、いないみたい

賑やかな場所が ほんと、ほんと大好きで
夏祭りにも来ていたし、収穫祭にも来ていたのに
アノ人 ....
山田くんから、年賀状が届く

終業式の日
みんなから 住所と、名前と、郵便番号を聞いて
国語のノートの 使っていないところに
せっせとメモをしていたんだけれど

多分 山田くんから、年賀 ....
漆黒と名のつく夜に もうひとつ
名前をつけるとしたなら
僕なら 愛と名づけるかもしれない

寂しい顔も 苦しい顔も 泣き顔も
暗い この{ルビ時間=トキ}なら
自分だけのものに できるもの ....
 山田くんは手を洗わない

一学期の終わりころから急に、手を洗わなくなった

購買のやきそばパンを食べるときにも
科学の実験をやった後でも

 山田くんは手を洗わない

聞くとこ ....
モノクロに光る海の中で唯一
赤く照る鮟鱇が、舌を出して寝ていた

彼の口にはセピアに褪せた写真が一枚
男と女が、幸せそうに抱き合っている写真

何も言わず ただ、貪ってる

モノクロの ....
うちの親父。


親父のまくらは、マイルドセブンの薫りがする
最近は、薄くなってきた

俺とおなじで、数学ができない。
ただひとつ違う点は、意欲があるかないかってこと

洗剤会社 ....
いやぁ、ベンリな世の中になったもんだね?

最近のコンビニじゃぁ 愛も売ってるんだって?

低コストで ハイブリッドな 超磁力合金な 愛だってね?

いやぁ、ベンリな世の中になったもん ....
スマイルひとつ スマイルひとつ

でも

本当にほしいスマイルは

ひとつだけなんかじゃ

ないはず

スマイルひとつ スマイルふたつ

みっつ よっつ。
うちのクラスの山田くんは いつも
弁当をもってこない。

昨日は
ホームレスのおじちゃんが ひもじそうだったので
あげてきた、と
寂しい目で 語ってた

一昨日は
おなかがいっぱいだ ....
真っ暗な筒、ひとりズルズルと降りてくる

あぁ、靴下がないな 枕元でいいか。

大きなリボンにぶら下がる 大きなプレゼント

さて、あと何件周れば終わるかな

袋の中を覗き見る。

 ....
破裂するくらいなら

ずうぅっと漂って

ゆっくり、ゆっくりと

しぼんでいきたい

しぼんで行って
終わりには小さくなって

また、膨らましてもらって、
ボクたちは 結ばれちゃいけなかった

そうね あたしたちは結ばれちゃいけなかった

彼の名前は 鰻 太郎

彼女の名前は 梅干 花子

互いの 運命に 気が付いたのは

胃の  ....
面白くもなんともない
幸せなヤツらの
幸せな悩みを
押し付けられて、
「どうにかしてくれ」
と、
必要に迫られる

とりあえず、

大丈夫だよ
大丈夫だよ

って
笑顔を  ....
古臭い靴なんて、まだ履いてるのかい
嫌味っぽく言うその口には
みみずが数匹 咥えられている

歩くのに、邪魔になるだろう?
みみずを咥えたその口を
もごもごと動かしながら
あの高い木から ....
忠男が眼を覚ますと、そこは扉だらけのだだっぴろいフロアだった。
確実に、先ほどまで気持ちよく寝ていた臭い部屋ではない。
「目が覚めたようだな」髪の毛が妙にカールした男が、忠男の肩にぽん、と手を ....
この耳さえ聞こえなければ

あなたの壊れる音は聞こえなくなる、だろうか

この耳さえ聞こえなければ

俗世で言う嫌味ってやつに勝てる、だろうか

{ルビマンドラゴラ。=きこえない} 素 ....
彼女の眼は もうどこか遠いところを
覘いているようで
あからさまに
目の前で
道化を演じてみても

くすり、

とも 笑いません

時折、彼女は

「カルロス、もうお別れの時間 ....
オルペニョーサは魔法の言葉
足が痛いときに、言う

オルペニョーサ

オルペニョーサは魔法の言葉
眠れないときに、効く

オルペニョーサ

オルペニョーサは魔法の言葉
ガムを踏ん ....
弦が切れた。

あまりの唐突さに、指に血が走ったけれど

そんなこと

気にもならないくらい

弦は、綺麗な音ではちきれた。

ぴぃぃぃん、と

誰かの泣き声みたいに。
昨日は {ルビ後ろ足=あし}が生えた

今日は {ルビ前足=うで}が生えた

明日には この{ルビ尾ひれ=きもち}が消えて

明後日には 本当の自分に

なれるかもしれない。
かの有名な某バンドは

「助けて!」と、歌い 人々を助けていた

自分たちが 助けてほしいのに

歌うことで 他人を 助けていた

「助けて!」と、歌えば

僕にも 誰かを 助 ....
石が転がった

誰かが蹴ったわけでもないのに
空虚に住まう誰かが
大きくため息を
したからかもしれない


人が堕ちて行った

誰とも知らないまったくの赤の他人なのだが
堕ちてい ....
たしかにインスタントラーメンを
作っていたはずなのだが

気がつくと
鍋にあるそれは
脳みそになっていた


腹がへってしかたなかったので

無理矢理、口に運んだのだが

口に ....
どうしても イライラして
とにかく その減らず口をホッチキスで
閉じこんでやりたかったが
世間の目が怖かったので
ホッチキスを渡すだけで 終わってしまった

笑いたいならば 笑え


 ....
羊毛のコートを、僕にくださいますか?

腐りかけのパンを抱きしめて、

高級洋服店の前で、

おなかが空いたけれど、

今はとりあえず、

あの猫が、凍死しないように。

羽毛 ....
僕の肩に とまった鳩は

「死にたい」と一言だけ漏らして眠りについた

僕はどうすることもできずに

鳩の頭を撫でて、またウォッカを口にした

思いのほか、熱く、滲んだ。
もう下校時刻だと言うのに
未だに君は
鉄棒と
対峙して

地面を 蹴る 蹴る

この歳になって
逆上がりもできないのかよ、と
馬鹿にされたのが
悔しかったのかな

それとも ....
世界中を敵に回しても構わない、と
胸を張って言い張れるくらい
あなたに惚れている

世界中を敵に回したら
あたしも敵に、なってしまうんじゃない?と
君は笑って言うけれど
それは僕にとって ....
ちょっと こっちへおいで

ふすまのあいだから
まるで骨のような
青白い手を

くらり くらり と
招いて

貴方は 僕を呼ぶ


おかしを あげようね

ちり紙に包んだ
 ....
38.6度の熱で
静かにベッドで横になってたら
アトムやら
太宰治やら
はちべえなんかが

おでこの辺りで
なにやら難しい話しをしてた

その顔は
どれも真剣で

声をかけよう ....
仲本いすら(258)
タイトル カテゴリ Point 日付
つがる自由詩106/1/3 23:05
山田くんからの年賀状[group]自由詩8*06/1/3 22:48
ほたる未詩・独白2*05/12/29 19:56
山田くんは手を洗わない[group]自由詩6*05/12/21 21:10
鮟鱇の海自由詩1*05/12/18 16:23
うちの親父。未詩・独白2*05/12/10 20:50
ベンリな世の中。自由詩105/12/10 20:38
スマイルくださいな。自由詩105/12/10 20:35
山田くんのお弁当[group]自由詩8*05/12/10 20:33
煙突ふぉーりん自由詩3*05/12/4 21:39
ふうせん自由詩305/12/3 22:07
鰻と梅干。未詩・独白2*05/12/3 19:33
苛立ち自由詩105/12/3 19:04
自由詩1*05/11/29 20:54
「竜の瞳」(マオウと忠男と電球と)散文(批評 ...2*05/11/29 19:49
マンドラゴラ自由詩1*05/11/28 21:31
千里眼自由詩1*05/11/28 18:03
オルペニョーサ自由詩1*05/11/28 17:49
アコースティック自由詩2*05/11/26 19:58
御玉杓子[group]自由詩2*05/11/25 19:57
HELPに愛をこめて自由詩2*05/11/25 19:22
Bother Me.自由詩3*05/11/25 19:15
インスタントブレイン。自由詩6*05/11/24 19:08
小悪魔自由詩6*05/11/22 18:33
コート自由詩205/11/20 16:25
ウォッカ自由詩5*05/11/19 23:14
たーんあっぷ自由詩305/11/18 21:41
360度リンゴだらけ。自由詩1*05/11/18 21:15
痰壷自由詩4*05/11/13 20:51
おでこ自由詩6*05/11/12 13:05

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