今居る場所を
具体的に説明
することが
できるだろうか
東から太陽が
差し込む山手線内
七号車中央出口付近
代々木原宿間
つり革につかまる
ぼくが居る
....
ぼくのパソコンが
モロウィルスに
感染してしまった
ウイルス越しに
見える世界は
恥ずかしながら
まるみえだ
丸見えすぎて
いけないロケットが
発射する
海にでかけ ....
時間がとまる
夢を見た
異様にほそ長い
横断歩道で
信号待ちを
していると
視界の右上が
黒くかすむので
気になって
空を見上げると
だ円が崩れたように ....
会社のエレベータの
非常ボタンの隙間に
白くて小さな
花が茂っているので
摘みとりたかった
けれど
摘みとらなかった
非常ボタンを
押してしまいそうで
摘み ....
夜になると
しげみに潜む
おおきなカエルたちが
お空に向かって
いっせいに
跳びはねるので
ぼくは少し
疲れていたけれど
虫の音に
後押しされて
遠回りして
帰ろうと思う ....
かえりみち
ふと見上げた
東京の空を見上げた
東京の空だった
東京の仄かに白い
星空だった
5分間仄かに白い
星空を見上げた
ぼくの空になった
そして
ぼくの ....
かわぎしに座って
水面のぎざぎざを
ながめながら
お弁当を
食べていると
くろい2匹の蝶が
ひくい空からあらわれて
ぼくの周りで
くるくる回る
たまごやきは ....
だれもいない
公園にゾウの
すべり台が
在る日曜日の正午
動物園の動物たちは
一斉に眠りから
醒めてポットに
入れた水は
沸騰して
ぼくたちは
無邪気に笑う ....
その木になる
だいだい色の
かきのような実は
一年に一度しか
ソコにならないから
一年に一度しか
食べられない
一年に一度しか
つつけない
東京 ....
正義と悪の
がいねんは
小さい頃に
戦隊ヒーローから
おしえられた
ものごとを
きょくたんに
2つに分けたがる
習性もピンチに
なったら他力本願な
体質もき ....
北極星を中心に
星は回るらしい
教育テレビで
さいきん学んだ
世のなか知らないこと
ばかりだなぁと
感じられる日々は
きっと良いことだ
月は東京の空が
濁っ ....
深夜になると
隅田川の流れは
きゅうに静かになって
月をもとめて
魚があちこちで飛びはじめるので
ぼくもおうぎがたの
しろい机からたちあがり
ぽろぽろと数字をふりはらい
....
雨の音を聴きに
外に出ると
足あとがすべて
雨音で消えてしまうので
暗闇に映る
自分のそんざいを
たしかめたくて
あたりを眺めるけれど
なにひとつ
くっきり ....
モスチーズバーガーと
きんぴらライスバーガーと
ポテトのSと
コーヒーシェイクのMを
ひとつのおおきなシゴトを
やりとげたときに垣間
見せてしまう男気溢れる顔をして
注文し ....
明け方シナモンちゃんが
僕のアタマをひっかくので
まだ起きる時間
ではなかったけれど
白いバスローブを着たまま
フレンチブルドッグと
白金あたりのマダムたちと
阪神タイガー ....
たまに都バスに
揺られて
目的地を決めず
地面と近い
おおきな窓から
東京の景色を
楽しむことに
している
山のような
仕事を持ち帰って
いざは ....
建設途中の高層
マンションを
逆光のなか
ぼんやりと眺め
点在する雲に
かかる夕日が
とてもきれいだったので
携帯で写真を撮ろうと
とりだすけれど
小さい画面に映る ....
七曲坂を
七回曲がり
ぎしぎしと
悲鳴をあげる
白い自転車から
見下ろす
新宿方面の
夜景が好きだ
七年前に
この場所から
桜の木々の隙間を
流れて ....
コインランドリーで
1週間分の
僕の抜け殻を
乾燥させている
40分間
鳩とホームレスと
子供連れの
主婦に雑じり
公園のベンチで
ぼんやりと
彼女のことを ....
今日コトバにならない
コトバをひろい
あつめるために
カタチとか韻とか隠喩とか
も大切かもしれないけれど
もっとシンプルに
今
感じた気持ちをぶつけたり
日常をおりこんだり
....
浅い夕闇をきりさく
白と赤の急行電車は
あたたかい愛情と
あわい思い出と
あかい空っぽの
カバンを乗せて
ゆっくりと隅田川に沈む
水面に浮かんだ
マミドリのヒカリの
デコボコは崩 ....
季節ごとに
色とりどりの
抜け殻を残し
また新しく
はじめる一日は
きっと爽快で
陽がさしこみ
はじめる
山々の稜線は
そんな
新しい人を
待っ ....
自分を買い被り
自分に都合の
悪いトコロを
見ようとしない僕は
いつまでも
自分の弱さを
受け容れられず
もがき
自分の核から
離れた意識は
他 ....
今蜂の巣を
無作為に
しぼられるのならば
きっと僕は
拒むだろう
六角形のひとつ
ひとつの断片から
輝く黄金色の
蜜が
みんなを
喜ばせたり
....
もし僕のコトバに
魔法がかかり
もし僕に
希望や慈愛を
伝えられる器が
あるのなら
なにものでもなく
自然の一部でしかない
僕のたった
ひとつのコトバを ....
夢が真夜中に
溶けるころ
アスファルトの
水たまりに
おおきな月が
落ちるある日
森の中から
けむる白い靄は
静寂な空を
とおりすぎ
深い海で眠る
....
淡い黄金色の空に
深い
紺色の闇がにじみ
気体
空の飛行機は海へ
流れる
突然の電話は夕立のように
一瞬に
景色を変え僕の透明な
かたまりをこなごなにする
潮が干 ....
うまく言えないけど
とか
うまく伝わらないかもしれないけど
とか
そんな前置きなんかもう
言わなくても
言いたいことは
伝えたいことは ....
黄色い帽子を
被った水色の
三角のコドモたちと
ひたすら昇る
地下鉄の階段で
右耳から外れた
ヘッドフォンを
左手にモチカエ
笑顔で渡る
秋の風が漂う
横断歩道 ....
あおいやみに
朱色と白の
まだらな金魚が
泳ぎはじめる
明け方に
病みそうな頭を
かかえ
そろそろ
限界かなと
思いつつ
浅い眠りにつき
見る夢は
疲れ ....
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