すばらしい日は
目から はちみつが出る
下を見れば
青い空き缶が吸い殻入れ
もたれかかれば、白い壁はやわらかい
ドアをあけると
黒壁に詰まった、赤い自販機
吸い殻入れの隣に
....
彼はにんじんだが
私がおろしてしまった
まな板のすみに にんじんのおろし
主人の好きな きんぴらをつくらなければいけないので
いつもより速く ごぼうを切る
トマト 枝豆も切る
その ....
彼は ニンジンだが
私が すりおろした
まな板のすみに ニンジンのおろし
三角コーナーの裏に 皮
ステンレスにはりついたオレンジのひし形は
彼が
私に言いたかった唯一のことなので
....
髪を結い
自分ではなく
君を
縛っていたのだと
気づく
泣く。
外交官の奥さんのこと。
コンビニの女店員の「えー、チューしちゃったのぉ?」という私的会話。
「今、どうしてんねん?」という質問。
父がユニセフに募金していたこと。
....
「絶対」とか
「歴史に残ります」とか。
たくさんたくさんもっといろいろ
ナニかを見ていれば
そんな言葉は口から出ないハズだ
言葉を使いすぎだ。
「以心伝心」というものはございます。あります。
「思っていることは言わなきゃ伝わらない」「人の考えていることはその人にしかわからない」とか言います。
(注:ここでは、「言葉」 ....
「浅間山荘に二人で泊まりたい」
と 君が言っていたので
私は ずっと 重信房子の髪型のままでした。
が、飽きてきました
今は ジャニス・ジョプリンぐらいです
銃のこと
最近知りまし ....
「町田康みたいになりたい」
と言って出ていった人は
「みたいに」
と言う時点で
きっと 駄目なのだけれど
そういう私は
映画館で赤い便箋を買って
別れたい男に
「愛しています」 ....
・マキャベリの「君主論」が好き
・「”不況だから貯金”の意味がわからねぇ。だから不況なんだよ!」と散財
・断末魔のようなヴァイオリンを聞いて ボクシングを観戦するのが好き
寺山修司が ....
はなないろ
虹を見たい といつも言うあなたなので
「は七色」なのだろう。
でもごめん
「花な色」とあなたは書いたのだ、と思いこみ
待ち受け画面にしてました。
だんだんだんだん
待ち受 ....
本日の自分の新聞記事が見れます。私は、「ゼガタサーン」をつくってる会社の社長になってました。
日刊あなた
http://www.p-apple.net/anata/
倉庫に積まれても
思い出すのは 彼のことで
「藁が多いですよね」とか話していた
目の前の男に
「足1本ちょうだい
しがみついて寝るので」
と言ってしまった
外に出たら
これ ....
生まれ変わったら
半紙の上の
墨絵である。
近い内に
近い内に
岩陰の 緑の苔の
中に。
水で濡れていること感謝します
あなたが私を忘れたときです
とか言ってるといいです。
#荒唐無糖稽ベニ茶さん「女子高生に「今日一日ありえないを使うな」と言ってみた」
「ゆで卵と生卵の見分けかた」へト ....
東大の赤門で
「ほんとに赤いね」
と言った私を
「ほんとにそんなこと言うんだね。ふつうだね」
と言っていたあなたは
鞄にこそぎ見える
赤いギンガムチェックのショーツを
「こんなにかわいい ....
画家が
夜に立っていたので
話しかけた
きっと
目はジャイプールを向き
首から下が
飾り立てた子蛙だったので
「まだ見ぬ恋人」とは
昔の恋人のことですよね?
と 聞きたかった ....
形。
私はこけしに似ている。
木の机に こけしを置くと
転がり落ちそうだ
箱根で君が
「欲しいの?」と問うた
木の 指輪
欲しくないが。
きっと こけしのまま
おばあさんにな ....
所サンの イラスト入りペーパーバッグ
(ミスタードーナツの景品)
が棚の上
何年生きてんだよ
下北沢の古具屋で
ランドセルを買ってくださいよ
別れた恋人に
死ぬまで会えない
....
「やせたら きれいになる」
と思っていたけれど
死んだ姉を
「会えないなら 会わなければよかった」
と
しばらく 泣いた
やせるより きれいになった
「ずっと恋人でいましょう」
と言って 結婚をしました
結婚をして15年
ずっと敬語を使っていますね
「待たせました」
「出来ていますか」
が好きです
ついに私達の娘は
ロングス ....
人は
食べ物の前に
素直だ
中年男性が「ママ」と呼ぶときには
わびさびがある
子供は
赤い服だけ着てりゃいい
初めて聞いた詩は
多分
私を小脇に抱えた母の
「ほんとに愛してるんだけどねぇ」
だ
そんときの
片手に持っています
初めて聞いた詩は
緑の麻スカート
白い足
私を小脇に抱えた母の
「ほんとに愛してるんだけどねぇ」
だ
今残ってるのは、縁側だけです
これ以上
大人になったら
何日か 一緒に暮らしましょう
暖炉の前で
オレンジの皮を 囓るのはやめてください
指でむけない皮だ と私は言いましたが。
赤いスカートに コーヒーのしみ
娘の頭にオレンジの汁
編み物をしてもあたたかくはならないし
....
僕は
君が 歩くための 杖になってしまっている
今日
君が着るシャツの 布の切れはしに
僕はなってしまっている
また別の日。落ち着かない日。食べる予定じゃないのに、食べたり。一日三食のはずが食べなかったり。する。医者は言う。ホルモンがバラバラだと。噺家ならば、私を、焼き肉屋となぞかけするだろう。
小説を読む。 ....
「石になる」
とは 聞いていたけれど今
あなたを探すと
胸が 林檎になります
柱に 「ゆるぎなくなりたい」
とかかれていたので
指でなぞっていると
重信房子みたいな髪の人が 近づいてきた
きっと この人がかいたのだ と思ったけれど 言わない
彼女が 砂の芽を ずっと指 ....
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