そこまで古くもないのに
とても遠い思い出の中でしか
もう息づいて居ないと思っていた

小さな居酒屋の中で
六年ぶりに合わせた顔達は
どれも少しだけ年老いていて
それでも変わらない声をして ....
例えば呟きに隠れた本音の意味
交錯する感情が封鎖した未来
虚像の片鱗に狂喜する人々を
醒めた瞳で映す装いの数々

嘆きの言葉を忘れ
ぼやきの向きを履き違え
何処かしら彩られた ....
とても想像がつかねーよ
お前らがあの道をどんな顔して歩くか
お前がどんな顔で花嫁を迎えてるのか
お前がどんな顔で花婿の元に向かうか

今まで歩いてきた道も
今まで張ってきた意地も
ひょっ ....
仕様が無い

そうやって誤魔化していれば
納得してもらえるなんて
思っているわけじゃない

作り上げた構造に
己の意思が介在する要素が
1パーセントに満たなくったって
目の前にある現 ....
雲の隙間
欠けた月
真円になり得ない
輝きを見る

駅のホームに過ぎる風
またしても面影を見つけて

一筋の雫が伝う
いつまで覚えているのか
どれだけ抱えていくのか
片隅に震えて ....
まどろみの中で
自由に走らせたペンが
どんな言葉を生んだのか

引き戻された現実には
何一つ確かなものは無く
書き上げたその時
心から染み出た安らぎは
今は思い出す事もない

きっ ....
まるで拭う事を忘れた涙が
頬を撫でる指と錯覚するように

幾度も呟いた愚痴や寂しさが
いまいち消化できない感情と共に
過去を奪って 未来を閉ざしている

奇妙なほど暖かい冬が黙々と過ぎて ....
灰色の隙間から注ぐ
陽射しに手を翳すたびに
目を細め見やるだけ
温もりだけが降りてくる

北風が強く吹いているから
漏れ落ちた微かな光でさえも
永く待ち焦がれた春のようで

それは小 ....
高速道の脇に広がる平野を
厳かに沈み行く太陽から
唸り声が聞こえるような
そんな錯覚を抱きながら
閉じかけの瞼を擦っていると

―もしこのまま眠りにつけば―
ふと過ぎる手招きの声を
苦 ....
屋上を流れる雲を見ていると
愚痴ばかりが口をついてくる
誰に聞かせたいわけでもない
一人の気楽さは知っているつもり

チリチリと音を立てる煙草が
すり減らして行くのは時間だけ
何処かで置 ....
今の瞬間を繰り返しながら
生き延びているだけのこの姿は
その小さな四つの瞳に
どんな風に映っていたのかな

幼い頃から何度も摩り替えつつ
一つを否定して一つを肯定して
いつしか永らえるだ ....
心の空洞に意味を埋められず
酒を適当に流し込む夜

足の冷たさに耐え切れなくて
靴下を履いたまま寝る

底に置いていたちっぽけさ
抱きかかえられずにいる

寂しいって呟く
癒して欲 ....
眠る前のひと時
部屋灯りを落とし
目を瞑って思う

窓を叩きつける風
少しずつ強く響く

胸に手を当てて
一つ一つ振り返り
犯してきた罪の数と
贖ってきた孤独を
天秤にかけながら ....
灰色を塗りこんだ
空しい心の底に
降れよ 積もれよ

与えてくれた言葉
忘れたわけじゃない
閉ざしていた扉
少しだけ開いてみせたのは
君だったのだから

問うてくれ
責めてくれ
 ....
ビルの谷間で風が巻く
舞い上がる枯葉を集め
粉々に引き裂かれた夢屑
空に溶けて消えていく

電飾の輝きを纏う聖母像は
美しい無表情を晒して
渋滞の国道を見下していた

履きなれない靴 ....
噛んだ唇から
滲む血の味
鉄と酒と汗が混じり
この上なく不味い

今日も視線が通り過ぎた
降りかかる事の無い声が
目の前で遊んでいる

枯れた涙が頬を伝い
無為な恨み言だけが
今 ....
夕焼けを背負い
黄昏に影を映して
今日を振り返らず
明日を思う事も無く

時に早足で
時に立ち止まり
ふと見上げると
涙が滲むのを知る

何を失ったか
何を拾ったか
時が背中を ....
零す理由さえない涙が
今にも溢れ出しそうだ

寂しさが生んだ衝動が
じわり と胸に広がる
生易しい感情に置き換えて
納得したフリをしても

何一つ分ってやしないのは
他ならぬ僕自身だ ....
連なったテールランプ
眺めながら立ち尽くす

昨日吐いた言葉
今日待ち惚ける時間

振り返る機会に恵まれるほど
自分が切り裂かれて行くようで

冬が深まるほどに
褪せて行く街路樹が ....
電柱が侵食する細い坂を
テクテクと上る帰り道
背中越しのフロントライト
生き急かすようで落ち着かない

今日を振り返る帰路は
目の前に細く伸びる影さえ
緩やかな歩みを許さない

小さ ....
音もなく降る雨を
ぼんやりと眺める

眼鏡が塗れて
視界が薄れていく

咥え煙草
白い息と煙
止め処なく
途切れなく

溜息と自嘲
そして後悔

顔をしかめながら
通り過 ....
諸君 私はカレーが好きだ
諸君 私はカレーが好きだ
諸君 私はカレーが大好きだ

カツカレーが好きだ チキンカレーが好きだ チーズカレーが好きだ から揚げカレーが好きだ
ソーセージカ ....
小さな花びらを手にとって
空耳が乗せる旋律を紡ぎ
微かな記憶は風に沿って
僕の脇を通り過ぎていく

遠い昔に見た夢と
歩く舗道の道の先に
僕の瞳が重ねるものは
茜に浮ぶ君の幻

ぼ ....
遠い遠い視線の先に
キラキラと煌いている
風の瞬きが視界を掠める

正体を掴み取ろうと
近づいて行くたびに
彼方へ彼方へ遠ざかっていく
形而上の産物を目にして
それをアルシュレッタと名 ....
脳をまさぐると
まるでさっきまで
そこに在ったかのように
断片が輝きを放っていた

思い起こす
笑顔のような表情
涙声と数々の溜息

隙間を広げた綻びから
記憶が流れ去っていく
 ....
果たされない約束など
交わさなければ良かった

費やした言葉が無為に過ぎ去る
遠くで手を振っている影が
単なる錯覚だと気づいた時
壊れた傘の骨が頬を突いてきた

見向きもされない視線に ....
一筋の風が
窓の外通り過ぎる
何を乗せて行くの?

寂しさに零した涙も
打ちのめされた思いも
安らかな夢も
小さな光も

きっと
乗せようとすれば
乗せて行ってくれる

風が ....
なぁお前は
いつもさ
脅えるふりして
狡猾に狙ってる

何を

多分
寝床
そして
生きる事

欲求
野生
達成して
しぶとく
図々しく

雨の日も
風の日も
 ....
雲が空を覆う
星はかけらすら見せず
唸る風が耳元で囁いている

心を空虚が支配する
何も無いように見えるけど
目を凝らしてみれば
底にある笑顔が見える

忘れていたはずの
覚えてい ....
窪んだ目と
掠れた声で
それでも
微笑んでくれた

あなたは
そうやっていつも
きっと辛い時も
きっと苦しい時も

我侭で屁理屈好きで
拗ね者を装う愚息を

だいぶ痩せたねっ ....
松本 卓也(292)
タイトル カテゴリ Point 日付
乾杯!自由詩407/2/19 21:56
割れた眼自由詩007/2/15 22:41
結実自由詩107/2/12 22:33
仕様自由詩307/2/6 21:52
面影自由詩407/2/1 1:17
夢詠詩自由詩407/1/28 22:30
菜の花自由詩10+07/1/24 1:26
shining自由詩207/1/10 1:11
逃亡者自由詩107/1/8 22:28
霞む影自由詩2*07/1/5 23:09
格好良い大人にはなれなかったけれど自由詩5*07/1/3 16:27
Friends自由詩0*06/12/31 1:18
種火自由詩606/12/28 1:20
雪よ 舞え自由詩206/12/27 1:02
街風自由詩306/12/25 23:29
不酔歌自由詩406/12/25 1:03
金木犀自由詩706/12/22 22:17
飛んでゆけ自由詩006/12/21 0:35
響く声自由詩306/12/19 22:47
自由詩306/12/18 22:39
バカボンのパパみたいなのだ自由詩5*06/12/16 22:19
諸君 私はカレーが好きだ (コピペ改変)散文(批評 ...8*06/12/16 22:01
コスモス自由詩3*06/12/12 22:49
アルシュレッタ自由詩506/12/11 21:07
安らかな夢をください自由詩406/12/10 0:28
無月自由詩406/12/7 22:03
星屑を運ぶ風自由詩306/12/7 0:06
野良自由詩206/12/5 0:03
夜想自由詩106/12/4 1:30
あなた自由詩306/12/1 23:01

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