でんわはそうわきから細い細いくだをとおって
あなたのじゅわきにとどきます
そのくだが何万本もひつようとされていて
いろいろな人たちが仲良くなるたびに
せいふくを着たおじさんが
そ ....
 眠らない彼がいるとして
 その彼が瞳で見る夢
 水面越しに見る色の分からない空
 口から溢れ出る小さな泡が
 大気に逃げる
 愛しているという、でたらめな言葉が
 舌を出して
 笑 ....
 夜が終わる前に帰ろう、と大仰な身振りで彼女は言う。
 ブーツの爪先に穴が開いていて、流れ出した寂しさはかちかちに凍りついた。

 足元を流れる白線と路面の粒子に、星間を往く寂しさを感じ ....
 上下の唇がほどけあい、いちど封された口腔から湿った空気が洩れるとき、
 はじめに洩れる声が。
 瞳を覗き込み、外耳を重ねあう。
 頬を触れ合わせ、鼻は、擦り合わせて笑いあう。

 僕に ....
 頭を撫でられながら読んでいた物語のこと。
 宇宙船の中では電気の力で四季が生まれるという。
 ならば、どうするの? と問いかける。父の膝。温い。

 真っ暗闇では、ヒトの体は胸から眩い光 ....
 僕は六世紀に及ぶしみったれた腸壁に包まれている。
 でたらめに女の子の名を呼ぶよ。誓言のように、エリー・エリー・エリー。

 何故雨は降らない? 僕は足運びの練習を繰り返す。
 レッスン ....
 蛇行する街路。指が辿る白砂、海を象る。塩化ビニルのパイプから流れ出る、清かな水。
 指を介して移殖される経典。放浪者。苔生す隘路に咲く白花。
 完了したら眠るだけの無垢。抽象だ暗喩だに満ちた ....
わたしは、今、ベル、ベルファストというところにいます。
夜明けと、夕焼けが綺麗、なのは、何処でも、一緒なのです、
赤い日が、下から照らすのは、くしゃみが巻き上げた綿埃、人の肺を侵し、
古いフィル ....
 ポケットの奥の奥に絡まってなかなか出てこないレモンキャンディは
 柔らかくて包みを開いてもぺとぺとこびり付いて離れようとしない
 いひひと笑けてくる。ほうら世界は終末だって言うのに僕はキャン ....
僕が愛した人は地底人で

太陽を浴びるとどこかへ行ってしまうから

夜の公園で

地球儀を回しながら

夕暮れ時ってのは素晴らしいんだと語ってあげる
 最高級の馬車に乗って海へと飛び込むんだ
 季節の花をいっぱい撒き散らしながら。





 海は気持ちいい。
 青いからね。
 猫泣き地蔵の前で言葉を忘れる
 ゆっくりと羽化する夏蝉
 冬の間取っておいた氷柱の結晶
 廊下ではしゃぐ君と僕は回想
 広場では冥界の方々が踊り狂ってる
 金太郎飴のようにどこから ....
 白に近い夜明け、陸海月の産卵期が近い
 野良猫が多く、鳴かずに、会話する
 天気について、深く眠る不発弾と、血管に充ちるミネラルについて
 彼らは既に路を開拓している。いかにし ....
 国道の真ん中で眠っている 星がものすごいスピードで流れていく
 蝶が僕の掌から蜜を吸う 黄褐色のエナジー
 リズムがコースから外れていく リズムがゆっくり遅れていく
 ずれている 僕が足を踏み ....
 全ての星の配置を画用紙に写し取った
 夏の大三角と冬の大三角
 航跡で真っ白になった空を見て
 ほう、と溜め息がまぎれて宙に昇っていく
 新しい星の粒子は
 寒い夜にふと漏 ....
 ララパイ。揺れる小船。
 あら、引き波が随分強いのね。
 これで、アメリカに行ける?


 スモーキン・ミズ。
 ここは湖ですよ。
 そんなに遠くへは行けません。


  ....
 あの丘へ行って
 パスケットにパンを詰めて
 赤と白が戦争をするのを
 二人で眺める

 虹色の鯨が
 フィールドを横断していく
 空気の海を優雅に泳いでいる
 僕達は顔を見 ....
如仁(17)
タイトル カテゴリ Point 日付
でんわのしくみ自由詩310/11/12 19:04
散青自由詩109/10/20 18:28
クラウディア自由詩109/2/14 12:48
ヘイチュー自由詩108/10/9 7:56
ひみつのひみつの自由詩108/3/30 18:55
古雨自由詩407/3/14 17:12
大渇水自由詩106/11/20 0:34
the friend of night自由詩006/11/11 12:39
自由詩006/9/10 1:52
何か新しいことを自由詩106/5/15 22:42
自沈自由詩206/3/31 23:42
三時に駅で君と自由詩406/2/19 11:50
蟻と、陵に澄む海月。さて、眠ろうかな。自由詩106/1/28 0:29
漂流自由詩105/12/6 23:23
夜海自由詩205/12/3 1:06
あまり自由詩305/11/23 18:59
エリーゼ時間自由詩505/11/22 11:40

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