水にからめとられて 息が出来ない
さらさらと流れる 誰かの筆跡
ペン先はゆらゆらと空を泳ぐ
閉じる 光の残像
まあるくあかい、光の玉つぶ
顔を上げれば
広がる ....
大音量のイヤホンを床に転がしたら音が砕けて
もれて はじけた
垂れ流しのノイズに目をやっても 涙は止まらない
「次へ行こうよ」
欠けた、欠けたものを埋めるのは何?
....
黄ばんだ桜を尻目に
散りゆく夕べ
かたこと、揺れる電車に
もれた音像の欠けら
差す 光の香り
目を細めれば
斜め下の彼女が微笑む
午後の車内
ポケットにつっこんで
....
人の感情は刻々と変わると
溢れる思考と消えて行く湯水の隙間で
繰り返し刻む
胸の中
真っ白な罫線に向かう 午前2時
ろ過装置のように
回転し続ける低音で{ルビ現実=いま}を ....
白い月と二羽の鳥
突風はもう止んだみたい
始終 あの{ルビ娘=こ}を思って日が沈み
ちらり盗み見た紙面で「世界」を知る
真っ直ぐに 真っ直ぐに気持ちをぶつけたら
あの娘は
....
真夜中にキスをした3時半
朝焼けはすぐそこまで来ている
痛む左腕で
さよならの合図をしたんだ
後ろは
振り向かずに
12時間前を思い出してる
季節外れの風鈴が揺れて
....
惰眠を貪る
目を開けているとココロが痛くて
夕焼けにも 目を背ける
平積みの
まだ開いてもいない3冊の本
そこから
幻想と現実が入り交じって
誰にも
悟られたく ....
心が限界だと
待てるものも待てない
笑顔のうらっかわで泣いて
思わせぶりな態度を寛容に許す
さっきから
イントロが鳴りやまない
音が次第に大きくなって
あたしを
....
雪が降ってきたからさよならをして
キスをした
お互いに唇がかさかさで
ごめんね と
謝った
初めて
大きな声で バイバイと
告げた
かけ足のあたしの頭には
あ ....
読みかけの本をパラパラめくった
消毒液の匂いがした
自由に生きたいともがいていた
その時からもう自由だった
山積みの本を全て燃やした
文字の嵐が襲ってきた
生きるのは僕 ....
散歩中に
鳴りだす
メロディ
口ずさみ
何度も
繰り返し
取りこぼす
ぽろぽろ
ジグソーパズル
完成なんてしないで
いつまでも
夢の
隣
まあるいやかんに まあるい世界
ちらちらとひかる影 木々と
空の
音のない小部屋
ただ少し
手のひらは汗ばんで
ガラス一枚隔てた先に
胸は 焼けつくように痛む
ジリジリ ....
狂っちゃってさ
もう終わってくよ
七色のとんぼ
暗やみのトンネルでおいかけて
目がまわる ぐるぐる
だまされたのはどっちだよ
いない子だあれ?
明日はこちら
....
ガラス細工のスカイブルー 手を伸ばす 叩き割って
きらきらの透明
白のストライプ
のの字型のキャンディ
ぺろぺろと舐めると
パチパチとはじけて
夢の匂い 焦げ臭い
....
穴のあいた障子から夕日が真っ直ぐ
人は美しい
とか
綺麗なもの
に
流れて
惹かれて
弾かれる
暗い四つ角の隅で
そう 唄ってたり
だって 相変わら ....
夕日が沈みきるまで見つめていようと思った
結露で曇るガラスの向こうの 紺青
淡いエメラルド
山吹
白
橙
誘われてふいと外に出る
やわらかい 丸い 風 体を巻いて ....
今日があっという間に昨日になって
昼間の青空を思い出す
吹き荒ぶ北風はヒコウキ雲を
南へ南へと連れてった
息を止めてレンズ越しに見つめている間に
雲は遠くへ行ってしまった ....
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