久しぶりに来たメール





   書いてあったのはただ二言





   「めっちゃ久しぶり」「元気してんの?」





   それだけ




 ....
音もなく降り注ぐ
月光に
全身を灼かれ
声もなく身悶える夜

あまりに清らか過ぎるのだ
もはや引き返せない私にとって
月の光は
冬の始まり
北風が頬を切りつける中
一人夕焼けを見ていると
答えって
見つけることではなくて
探すことが大切なんだと
ようやく思えるようになって
涙をぬぐった
木枯らしに吹かれながら
丸裸になっても
真っ直ぐ空に向かい伸びている枝を見ていると
大切なのは見えるものじゃなく
内面に抱えることのできるものだって
沁みるように思えて
こぶしを握りしめた ....
振り返るたびに重くなる背中

判っているのに

また振り向いてしまう

怖いもの見たさなのか

知っていることを改めて確認するだけなのに

振り向くたびに重くなる背中

もう前 ....
灰色の道が続いている。
これまでずっと歩いてきた。
これから先も続いてゆく。
この道を歩くことができるのは僕だけだ。

誰とすれ違うこともなく。
共に進むこともない。

ずっと一人で歩 ....
透明度の高い青く澄んだ湖

清らかな水だからこそ

あの深みのある色が出る



雲ひとつ無い青く高い空

空気が澄んでいるからこそ

青さが際立っている



清らか ....
夢を見た

久しぶりの夢だった

ただ泥のように眠り

鉛のように沈み込む身体を布団からひきはがす朝

それが

ぱちりと目が開き

がばと起き上がり

まわりを見まわし
 ....
言葉にすると陳腐になるもの
例えば「愛してる」
一晩中煮込まれたビーフシチューのように
あらゆる種類の想いのエキスが溢れかえり
熱く熱く
そして
濃ゆく濃ゆく
あなたへのオリジナルな想い ....
かすんだ空よ
教えてください
僕の魂の片割れは
一体どこにあるのでしょう

始まりはネットの海の上だった
人恋しく漂流していた僕に
あなたはメッセージをくれたね

一回り以上年上なの ....
夢は遠くに想うもの

捕まえてしまうなら

ひとひらの雪のように

儚く淡く消えてゆく

夢は遠くに想うもの

辿りついてしまうなら

鮮やかなあの虹のように

儚く淡く消 ....
離れ離れになろうとも
命が尽きたとしても
この世界が終ったとしても

僕たちの愛は消えない
消せやしない









そう誓った二人の髪は白さが混じるようになり
 ....
誰にも見てもらえない

哀れなピエロ



疲れた表情を見せるのは

あの人から優しい言葉をかけてもらいたいから



ため息をつくのは

あの人に振り向いてもらいたいから ....
空から舞い落ちるひとひらの雪が
待ちかまえる僕の手のひらに
舞い降りて消えてゆく
見上げる空には低い雲が
どっしりと青空を遮って
見渡す限り灰色で覆い尽くしている

突風が北から僕を揺ら ....
あなたに見つめられて色づきました





あなたを求めて降りてきました





でもあなたは私を踏みつけてゆきます





良いのです





 ....
はんみょうを追いかけて


えいっ


手で押さえる









あ、逃げていた


地面の感触


直前にお前がいた場所の



 ....
あなたは覚えてくれてますか
二人で飲みに行きましたね
あの日は同窓会の後で
みんなが帰ったあとなのになぜか二人で飲んでました

気が付けば
終電の時間を過ぎて
それでも飲み続けていました ....
流されまいと必死で泳ぐと
いつかは疲れて溺れちゃう
体の力を抜いて
波を感じてみる
ほら見上げた空に浮かぶ雲が
形を変えて流れてゆく

上り坂を登るんじゃなくて
下るんでもなくて
寝 ....
本屋の狭い通路を歩く
鉛色の不安感に背中を押されながら

並ぶタイトルの文字が躍る
囃し立てるように踊っている
羨望の色をみなぎらせた瞳に映るのは
登頂を拒むようにそそり立つ岩盤のような本 ....
ずっと自分は月だと思ってた
あの太陽がなければ輝けないんだと

ずっとずっと諦めてた
自分の内側には光なんてないんだと

ある日突然太陽を失った
絶望が包む 明るさは取り戻せないと

 ....
僕を見つけて欲しいのに
すぐ近くまで来るけれど
腕を伸ばせば触れるほど
すぐ近くまで来てるのに
結局回れ右をして
離れて行ってしまうんだ

じつは気づいているのかな
少しは見えているの ....
あの人に僕は捨てられた

そよ風に逆らわず首を振りながら
淡いピンクと白のコスモスが
群れをなして羊雲を見上げてる

あの人に今日、僕は捨てられた

大河のように流れる雲と逆向きに
 ....
どこまでも遠い空
小さくかすむ手の届かない雲
冷たさをはらんだ風
刈り取られた切り口をさらす稲の列に舞うトンボ
ただ黙って揺れるコスモス

どこまでも遠い山並み
かすむ道の行く末
寒さ ....
どこまで歩き続ければいいんだろ

この果てしなく続くように思える道のり

一歩一歩の繰り返しがあまりに単調に思えてしまって

変わらない景色と変化のない緩やかな上り坂

どうしてこの道 ....
昔書いた詩を読み返してた



字間から漂う腐臭



結局自分を語りたいだけ



ナルシストだね



冷たさをはらんだ秋風が
何も背負ってない背中へ


 ....
てをつないであるく

あしなみをそろえて

おなじほうをむいて

どこまでいくんだろ

そんなことはいいよ

てのぬくもりだけは

ずっときえないから
あの日
ママは誕生ケーキを買って来るはずだった
四角くてイチゴが四隅にあって
もちろんバタークリームのいっぱいのってるやつ

僕が六本のろうそくの火を
吹き消すはずだったんだ

だけど ....
唸る風音に窓の外を見つめる

街路樹がたわむ
電柱がしなる
もはや眼下の道路を通るものは無い

雨が小さな礫(つぶて)となって窓を虐げ
さらに風が巨大な拳(こぶし)となり窓を打ち叩く
 ....
夜の静けさの奥に寂寞の哄笑が

暗闇に満ちる無限へのエナジーが

つきぬけてゆく星空に

酷薄のヴェールをかけ

どこまでも昇ってゆく




地に縛られた僕だけは

虚 ....
真っ赤に並んで咲くつつじの中に

青い小さな花をつけた一本の野草を見つけた  

日に照らされ赤々と誇らしげな中に  

可憐な青い灯火を掲げ  

しゃんと背筋を伸ばす  

は ....
広川 孝治(66)
タイトル カテゴリ Point 日付
「めっちゃ久しぶり」自由詩009/10/23 0:11
「嫉み」自由詩309/10/21 22:56
「Answer」自由詩009/10/12 9:54
「The things unseen」自由詩109/10/11 1:00
「子泣きじじい」自由詩009/10/10 0:38
「僕の道は灰色の道」自由詩209/10/8 23:37
「色」自由詩009/10/6 16:53
「夢を見た」自由詩109/10/4 23:13
「想いと言葉」自由詩009/10/2 0:21
「春霞」自由詩109/4/8 23:33
「夢は遠くに想うもの」自由詩109/3/26 7:58
「誓い」自由詩008/12/21 15:15
「ピエロ」自由詩008/12/9 13:32
「冬の到来」自由詩008/12/7 23:41
「落ち葉の想い」自由詩208/12/3 16:46
「"今"を求めて」自由詩008/10/27 1:22
「運命の人」自由詩008/10/24 14:32
「脱力系」自由詩008/10/21 19:30
「休日」自由詩0+08/10/15 15:43
「光」自由詩008/10/13 22:59
「かくれんぼ」自由詩008/10/12 17:15
「乖離」自由詩008/10/9 12:54
「秋の訪れ」自由詩008/10/3 0:03
「愚痴」自由詩108/9/27 1:02
「ぼくの、詩」自由詩008/9/25 16:38
おててつないで自由詩008/9/22 22:54
September,11自由詩108/9/11 22:18
「窓の外の嵐」自由詩108/8/28 18:11
「晩夏の夜」自由詩008/8/24 22:47
「名も知れぬ花」自由詩108/8/23 17:11

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