他意はないんです
他意はないんです

お茶をあなたの頭の上に零したのは
預言に従ったからです。

シャム猫の毛をバリカンで刈り取ったのは
貧乏人を見てムシャクシャしたからです。

ト ....
 美しいもの。赤々と照り/照らす/夕日。万遍なく空覆う星星。その間に煌々と輝く月。幼な子の肌。蜘蛛の巣に散る雨露。朝露に濡れる草花。
 それら、私たちが日々の中で注視することを忘れていったもの。
 ....
焔の中で焼ける世界があって
その火の温もりに包まれて育ったのが
わたしたちなのは、悲愴なこと。
わたしたちは、それゆえに
世界の叫びを聞き取れないのだから。

声をあげても聞き取れない耳を ....
 「笛吹き男」の話を聞いたのはいつだったか覚えていない、
けれども、強く印象に残ったためか、話の筋は覚えている。

 ペストが蔓延する時代にその病原菌を運ぶネズミを
どうやって村から追い出そう ....
今日は愛するのにいい日だから、
どこにも行かずに語りあいたい。

今日は愛するのにいい日だから、
喜びに身を委ねていたい。

今日は愛するのにいい日だから、
あなたの横顔を見ていたい。
 ....
思えば遠くに来たもんだ、と横の人は言う。
道はあるのか、と横にいる人は訊く。
暗すぎる、あんまりだ! と彼は文句を垂れる。

私は黙って通り過ぎることもできず
ただそこで低回していた。
さまざまな声が飛び交って
あちらこちらに振り回される
少年時代を送りましたと
隣のガキンチョが報告に来た
頭に二発チョップをかまし
「おかえりなさい」と言ったら
あれおれもこんなこと言われ ....
就職希望の欄に「なにもいらない」と少女は書いた。
彼女はそれからほんとうに何も欲さなかった。
その分、同級生の私たちが困惑したのは、
何かをしないことも、あるいは何かをすることをも
彼女が要請 ....
 『ゲド戦記』、読んだことはあるだろうか。
一巻目は傑作だと、私は信じている。
副題は「影との戦い」である。
主人公であるハイタカことゲドが、影から逃げ回る話だ。
なぜ戦わないのか? 勝てない ....
 ゲームをしていて、びっくりした。面白いことが書いてあったからだ。

  「人間は色々なことをしゃべりますけれど、
  本当は、二つのことしか言ってないんです。
  一つは、私はここにいます。 ....
おばかな王様
王冠載っけて歩いては
ぼくの帽子はどこ?
と訊いてまわる
あなたの帽子など
ありませんよ

おばかな王様
王冠取って歩いては
ぼくの頭はいかが?
と訊いてまわる
あ ....
しっかりするのは
むつかしい

世の趨勢など
賽の目次第で
六でりゃ幸福
ほか落伍だよ

六でないなら
禄はなきまま
録にも残らぬ
ロクデナシ

そんな僕らは
ふらついて
 ....
この横丁を歩いていると
不意に路地から幽霊が顔を出す
幽霊は
「こんにちはいい天気ですね
 学校のほうはいかがですか
 楽しいですか?」
なきそうな言葉をほろほろこぼす

「ええ結構な ....
 少しだけ、正直になろう。
考えたくないことが、いくつもある。

 ひとつは、戦争のことだ。
戦争は痛い、苦しい。

 ひとつは、貧困のことだ。
飢餓は苦しい、泣きたくなる。

 ひ ....
破壊が興れば
花咲く一面
塵塵に巻かれて
齢千年を重ねて忘却し
乖離は墓守に任命された

不明をごろごろ転がす仔
目的は忘れ物入れに隠れた
大人はからからの蒲団で
軋む喜びに船出した ....
生が静かに奪われる季節は
いつのまにやら飛んでった

透明な幽霊は嘆いたままで
どこへも続かぬ帰り道を見る

マルドロールの夢に溺れながら
マシニックな笑いは見る影もない
 ミヒャエル・ゾーヴァをご存知であろうか。
彼は私の好きな画家の一人で、絵本の挿絵なども手がけている。
彼の絵画を見知ったのは、高校生の折に図書館から借りて読んだ
童話『ちいさなちいさな王様』の ....
(手段より)
ある法師は戒律が欲しかった
ある学者は定律が欲しかった
ある農夫は鍬と鋤とが欲しかった
ある法螺吹きは真実が欲しかった
ある乞食は一寸の金が欲しかった

欲ありて思うことが ....
竜一郎(48)
タイトル カテゴリ Point 日付
いいわけ自由詩1*06/3/1 16:55
美しいもの散文(批評 ...1*06/2/28 15:47
世迷いごと自由詩0*06/2/23 17:56
「ハーメルンの笛吹き」のこと散文(批評 ...1*06/2/23 11:31
いい日自由詩0*06/2/23 10:05
横にいる人自由詩0*06/2/22 18:40
風船とフキダシ自由詩1*06/2/21 15:21
ヒマワリ自由詩0*06/2/21 13:48
『ゲド戦記』と『指輪物語』(書評)散文(批評 ...1*06/2/20 16:36
言葉のこと散文(批評 ...3*06/2/20 15:39
クラウンズ・クラウン自由詩1*06/2/20 14:12
六つかしい自由詩0*06/2/20 13:58
アメ横自由詩1*06/2/15 13:24
私が考えたくないこと散文(批評 ...1*06/2/14 18:55
火の手自由詩1*06/2/14 16:21
季節自由詩2*06/2/13 18:48
ミヒャエル・ゾーヴァの「スープ皿」に関する言及散文(批評 ...1*06/2/13 17:27
欲のありて思ふこと自由詩1*06/2/13 16:08

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