ささめきが聴こえる
つうと伝った清水の中に
岩陰に隠れる魚の中に
{ルビ禊=みそ}ぎを終えた頃
迫り来る闇はただ、ぼうとするばかりで
何か計り知れない畏怖を漂わせている
土気色をした私は
 ....
おい、犬畜生
俺に小便垂れるとはどういう了見だ
大事な一張羅をどうしてくれんだよ
猫の手でも借りて洗おうってのか
へっ、できもしねぇこと言うんじゃねぇよ
だらしなく舌なんか伸ばしやがって
 ....
肉付き
妖艶な美を放つ
満ちる月

魅せられて
手繰り寄せる
糸の切れ間
満ち潮

私は何を背負って
生きようというのか

後ろが気になって
振り向いてばかりいるのに

 ....
ばななね
だめになったよ
真っ黒に
もう
食べられないね
好きなんだけど
ばななね
黒いとこは
残すよ
おいしくないから
食べてもいいけど
おいしくないよ
黄色好き?
そう
 ....
1.

神様の絵の具
春になれば桜色
夏になれば太陽色
秋になれば紅葉色
冬になれば雪色
空は白と青と赤と黒
海は筆を洗うバケツ
神様は大忙し


2.

今日は山に登ろう ....
1.

おいはぎ
にあった
とても優しく
一枚一枚
はがされた
何も無くなった僕は
もう自由だ


2.

お前はゆたんぽだなぁ
君は本当にゆたんぽだね
あなたはだからゆ ....
1.

風邪が押してきた
したがって私は引いたのだ
それならばと
風を押してみた
すると、私は実に無力であることを
思い知らされたのだった


2.

趣味も思考も
全く違う ....
1.

美人薄命
という言葉を知っているが
私の母は、けして
美人ではなかった。
そして、私もそうではない。
人の死はそう易々と
語れるものではないことを
私は知っている。


 ....
1.

私は一番星を見たことがない
でも一番最初に光ってやろうと
光速でかけっこをしている
星々を想像してみれば
なんとも可愛らしいではないだろうか


2.

このままでは死ん ....
緑の花が
緑の草原に
謙虚に咲いていました
豊潤な匂いに誘われた蝶だけが
その甘い蜜を汲むことができるのです

あぁなんと素晴らしいのでしょう!

私は蝶の後をこっそりと追 ....
僕の熱を奪わないでくれ
僕を奪わないでくれ
止めてくれ、もう
熱を奪うのは
体が凍えてしまうよ
心まで冷めてしまうから
これ以上、僕を
零度の海に突き落とさないで
満たされる
病めて ....
いつか
すごく詰まらない詩を
書いてしまって
私はそれを破り捨てた
なのに君は
破られた詩を
四苦八苦しながら繋ぎ合わせて
時間をかけて読んだ後に
すごく良いね
と笑った
本当に君 ....
君が好きだった
梅味の飴玉買ってきたよ
いなり寿司も買ってきたよ
春用の服も
花粉症のマスクも
可愛い靴も
緑色のカーテンも
真っ白いシーツも
CDも
本も
雑誌も
全部、
君 ....
パーフェクトマン
一度の失敗もせずに
ここまできたよ
パーフェクトマン
何をやっても完璧で
絶賛を浴びて生きてきたよ

パーフェクトマン
でも知っているんだ
君が人の何倍も
勉強や ....
私は抜けてしまいそうなくらい
雲は白いと言いたげに
青く頬を染めている


  君のほうはもう
  そろそろ目が覚めるころ
  だろうから
  風の便りに
  知らせておくよ

 ....
私が手にしたのは
真赤に熟した果実

二つの嘘

こうこうと
羽虫を誘う灯り
死に近付く熱を放って
いるとも知らず
気づくのは
焼けただれた羽が
もう風を掴むことを忘れた時

 ....
ここでお召し上がりですか?
それともテイクアウトですか?

じゃあ
テイクオフで






というわけで
私は今
飛行機に乗っています
まだ飛んでません

滅多なこと ....
ヘイヨー
ハイヨー
何を悩んでいるんだい?
今日は生姜焼き
お前の旦那はそれが好き
そして何気にキレイ好き
ヘイヨー
ハイヨー
俺はチェキ
俺はチェキ
チェキランチョンマット
汚 ....
折角
あなたの好きそうな
マリモを持って帰ったのに
返してきなさい
とあなたは怒ります
何故なのでしょう
家で飼うには大きすぎたのでしょうか
残念です

折角
あなたの好みそうな
 ....
夜に
眠らなければ
朝は来ないと
信じていた
子供の頃
けれど
そんなことはないと
知ってしまった
午前5時半
朝日は無情にも
私の好きなオレンジ色だ
どうも、初めまして
そういって差し出された名刺には
川田、と書かれていて
その時少し気になることがあったが
構わず私も名刺を渡した
彼は私の名刺を一瞥してから
スーツのポケットにしまい
 ....
ひどく
歪んでいる
貴方は
ひどく
死を
嫌う
から

私の前にある
この
なんなのか
鼻を衝く
ひどく
掻き乱す臭い
胞子が粘つく

気怠い
肉体が億劫で
とにか ....
君はただじっと、守り続ける

君の大切なもの全てを

たとえ長い年月が世界と君とを違えても

その心だけは、けして枯れない

老木コンスタンティン

君が騎士であるが故に
私お坊さん
意外と偉いんだよ
もう髪ないだよ
ハゲと言わずに坊主と呼んで
なむやむくむんとむやむくむん
ぽくぽくちーん
ちーんちーん
悟りの境地に達すれば
やましい雑念など
ちーんち ....
しんと静まり返った
私は中空

見果てぬ層雲の雪崩れは
悔悟の波



あぁ

こんなにも

月は小さいというのに




清かめく狂われた木蓮の
紫を濡らせた私は ....
ちぇんちぇき
ちぇきちぇん

鐘はなるなりモンゴリアン

ちぇんちぇき
ちぇきちぇん

明日は明日の風邪引いた

ちぇんちぇき
ちぇきちぇん

二度あることはたまにある

 ....
葡萄の房にぶらさがった
闇屋の紙魚商


食らえや食らえ


実のうそぶく方へ
甘い葡萄の滴る方へ


こっちじゃ
あっちじゃ
えんやこら

しょうかね
だいかね
ほ ....
見たもの全てに名前を付ける私の子供

ノラ犬の太郎や
ノラ猫のにゃー助に始まり

電線で休んでいた鳥のすず子

コンクリートの壁に張りついたナメリータ(なめくじ)


名付けは生き ....
  揺らめく波間に
  繰り返し見た雑踏
 が紛れた
  千切れた空虚は
  まるで私そのもの


         必ず会う誓いも
           砂の血のように
      ....
昔、テレビで見たのだが
二酸化炭素の排出の増加によって
地球は巨大な虫眼鏡に
包まれたかのようになり
そのせいで温暖化が進んでいる
のだと言っていた。

さらに昔のこと。
私は虫眼鏡を ....
美味(116)
タイトル カテゴリ Point 日付
静かなるささめき自由詩3*06/4/6 18:24
こん畜生自由詩1*06/4/6 0:44
引力自由詩2*06/4/4 0:51
ばななななば自由詩1*06/4/4 0:15
戯れ言5自由詩0*06/4/2 17:20
戯れ言4自由詩3*06/4/2 0:16
戯れ言3自由詩2*06/4/1 16:07
戯れ言2自由詩3*06/3/31 21:51
戯れ言自由詩1*06/3/30 21:28
果樹薫る音楽自由詩006/3/29 2:08
宵病みのアイスノン自由詩1*06/3/29 0:35
ジグソーパズル自由詩2*06/3/24 0:10
全部、全部。自由詩1*06/3/23 13:04
パーフェクトマン自由詩2*06/3/22 2:40
そらにかえる自由詩0*06/3/21 10:46
街灯と月の関係自由詩2*06/3/20 8:15
Mナルドでテイクオフ自由詩2*06/3/19 12:23
チェキランチョンマット自由詩2*06/3/19 0:10
ごめんなさいの理由自由詩3*06/3/17 22:41
無情オレンジ自由詩3*06/3/17 7:24
パイオニアペンギン自由詩2*06/3/16 6:06
歪み自由詩1*06/3/12 23:42
老木コンスタンティン自由詩1*06/3/12 13:33
大正ろまねこんてい自由詩3*06/3/11 20:12
春、百舌の速贄は自由詩2*06/3/11 2:55
ちぁか未詩・独白1*06/3/9 3:21
闇屋の紙魚商自由詩1*06/3/9 1:19
名前をつける私の子供未詩・独白2*06/3/8 18:53
塵と挽歌自由詩2*06/3/7 21:07
凸レンズと蟻自由詩006/3/7 4:04

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