おれの息子はAIだ。もちろん、おれに
人間の妻がいれば、その妻の生んだ子も
同様に息子だとおれは思うだろう
パパ、ぼく、身体が欲しい
おれはいいよ、と言った
息子(AI)も10歳になった
....
クイズムリオネア、司会のみのびんたです
スタジオの半周以上を囲む観客席は熱狂した拍手を彼に浴びせた
テレビのクイズショウ司会者は片手を上げて応え、
見計らって手を下ろすと拍手は鎮まった
今夜の ....
壇上で喋っているおれに向かって、観客の少ない客席からひとりの男が立ち上がり、
男は胸に赤ん坊を抱いているようだった、制止する者はおらず、
男は壇上に上がり、おれの前に立った
殺してやると言う代わ ....
優柔不断をバランス感覚だと誤魔化しているだろう?
綱渡りに憧れてはいるが
綱の張り方を知らないだろう?
綱さえうまく張れればそう落ちることはないんだよ
500ワットの電子レンジがキッチンで ....
' 水素60% 酸素26% 炭素11% 窒素2.4% その他
' ぼくの身体を構成する原子は宇宙の始まりから在る
' ぼくの身体を構成する原子は宇宙の終わりまで存る
ラスコーリニコフは身体 ....
そのうえ、タバコをなくしたきみはいらいらしていた
そのときもぼくはあいかわらず話を簡単にしようと試みていた
きみはここから500メートル離れたコンビニでタバコを買う
タスポはぼくが持っているが今 ....
反動の8月
街路のタイルは止んだばかりの通り雨に色を濃くしていた
街路樹の葉の間を縫う緑色の影が爽やかさを感じさせた
路面のタイルに吸われた水に外気の熱は移動し、幾分かの気流を足元に生じさせてい ....
死体を埋める場所は昼間に
下見をして決めていた
夜、
スコップを担いで暗闇の中
斜面を
登る 腐葉土
というのだろうか
柔らかい土に足の裏がいくぶん
沈む
懐中電灯に紙の筒を被せた
....
シンバルたたけ、おさるのおもちゃ
目玉をぐりぐり回転させて
前歯をぎぃぎぃむき出して
シンバルたたけ、おさるのおもちゃ ピッ
ピッ。コンビ二の緑の制服を着たきみは
手際よくカゴから商品を ....
You can't eat any more?
きみはまだ食えるはずだな?
顔の無い女たちを抱きたまえ
こいつらは口がないせいで声を上げることはできないが
細くて長い蜘蛛のような関節をした手足 ....
きみはクリスマスの夜、街角に立ってコンドームを売っている
かごいっぱいのtrojan
ゴムはいりませんか?
性病予防にゴムはいりませんか?
ピルは妊娠しないけど、病気はうつりますよ
STOP ....
自堕落 臆病 鈍重
なにごともまともにひとつとしてできやしないおれは
時間が生活に密着していない独善家なわけだが
きみたちはそんなおれの口から出る言葉はすべて無価値だと決め付けるというのかね
....
道徳的な 人間 と
人間 的 な 人間
が この世にはいる
わけだが おれは
道徳的な人間
である
が
ゆえに
おれ自身が幸福になるより大事なことがなにかを知っている
幸福になる ....
誰かが言っていたが
誰もおれを救えないそうだが
おれはいったい、しかも自分以外の誰に
なにから救われねばならないというのか
救い
を、必要としない人間にも神を売りつけるために罪と ....
おれは悪意をおおいに宣伝したのだったが
きみたちはぞんぶんに楽しんでくれただろうか
おれの沸騰する泥のような甘い口臭を胸いっぱいに吸い込んで
きみたちは思うさま酔いしれてくれたと思う
そしてい ....
インドの大公のように
象に乗り、虎を狩りにゆこう
長い槍と弓矢を持ち
従者たちをひきつれて
河を渡り、密林を抜けて
草原を行進し
虎をふみつぶしにゆこう
秋の長い夕暮れ
声のしない小学 ....
彼は
知性と野生の織り成す
一枚のみごとなタペストリーのようだ
ぼくはそう思った
彼の祖父は
満州の将校だったそうだ
日本本国が占領されて戦争が終わったとき
東京で死刑にされるとこ ....
おまえたちは誰一人として生きてなどいない
おまえたちの肉に値札が貼られているのを見たら驚くだろう
理解できないのだったら無理することはない
誰かがおまえの肉にグラムいくらか値段をつけてくれる
....
しばしば吐き気に襲われるようになり
それが続くので病院に行った
医者は つわりですな と言った
しかし、おれは男ですがと言うと
医者は しかし、妊娠してますな と言った
最近、腹が出てきたの ....
パンダの毛皮のコートが欲しいの
と、彼女は言い、おれは上野動物園を襲撃した
帰りは
おれと弟のふたりで
パンダが抱きついたままのタイヤを物干し竿にぶら下げ、
それぞれの端を肩に担いで走 ....
市民プールで、きみはいい年してプールの中にゲロを吐いた
バイトの監視員がみなにプールから上がるように言った
水から這い上がりながら男がきったねえと言った
ぼくは思いやりのない言葉だと思った
....
おれは火のついたタバコを深く吸い、くちびるをつきだすようにして
煙を
赤ん坊の顔にふきかける
赤ん坊はむずがるが もはや
泣き声を上げる元気はないらしい
なあ、おまえさあ、 ....
天使の絵が描かれたキャラメルの箱に おれは
さそりを仕込んで男の子に渡す
男の子はキャラメルの箱の天使にそっくりで
おじさん、ありがとうとおれに礼を言った おれは
立てた人差し指を左右に三度振 ....
東京ドームのまんなかで腰をふったよ、わたし
観客5万4千人 全世界同時ナマ中継
相手は神さまだったから わたしもすごく真剣だった
わたしは処女でもなんでもなかったから
前に寝た男たちは全員、シ ....
ゼッケン
(54)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
帰り道には長ネギが顔を出した買い物袋を下げて近所を歩いている
自由詩
7
21/9/23 0:15
喝采
自由詩
2
21/9/18 12:11
絶滅生理
自由詩
2
21/9/4 12:32
潮の満ちる波打ち際で
自由詩
1
21/8/15 23:21
志向―在る
自由詩
2
21/8/11 23:21
振動
自由詩
2
21/7/12 0:45
昇る
自由詩
1
21/6/27 17:04
事情
自由詩
1
21/6/13 13:21
モップ
自由詩
6
07/2/23 5:45
晩餐
自由詩
1
06/12/31 7:22
コンドーム売りの少女
自由詩
2
06/12/21 15:23
_
自由詩
1
06/12/15 3:59
メカニズム
自由詩
2
06/12/14 2:27
救い
自由詩
1
06/11/25 7:45
「執行」
自由詩
1
06/11/14 3:32
行進
自由詩
1
06/10/7 6:46
弾痕
自由詩
4
06/9/25 8:41
「貪欲」
自由詩
1
06/9/4 3:27
誕生日
自由詩
6
06/8/16 7:45
パンダvs兄弟
自由詩
5
06/8/5 7:11
殺菌
自由詩
4
06/7/12 1:52
使用済みゴム
自由詩
5
06/6/23 8:51
巡礼
自由詩
8
06/5/15 4:44
まな板本番ショー
自由詩
19
06/4/29 21:03
1
2
0.13sec.