初めに知ったのは母親の体温だった
温かな羊水に浮かんでいた記憶はないけれど
むすんで、ひらいて、して
あれからいくつの温度が僕を通り過ぎたのだろう
居心地の良い夢を見て
蝶々を追いかけて ....
マッドなコーヒー
肺に重い煙草
疾走する世界の改変
歪んでいるギターフレーズ
中毒者のオブセッション
非正規雇用
歪んだ世界への応力
疾走するギターフレーズ
誰にも気付かれない ....
手と手が触れたら
温もりは伝うかな
電波に乗せても
声は震えるかな
ディスプレイの向こうに
思いは伝うかな
一次元の宇宙が
6畳の部屋で世界に繋がっている
そういう風に今を表せ ....
体調を崩して(半分は仮病でもあった)
授業中の、保健室で
そのベッドから見上げた模様が好きだった
長方形を積み重ねてあって
ロボットの顔を想像して
胴体までは上手く作れなくて少し残念
....
のどまで出かかって
そして飲み込んだ言葉は
それはもちろん胃袋ではなくて
広い意識の海へと戻されていくのである
そこでは無限と有限が背中合わせに
宇宙までも漂いながら言葉たちは
忘れな ....
歪んで、軋んで
そして破れた
音を立てて
後悔は、ないわけではなくて
でも意地
それが邪魔をする
つまりプライド
それは可愛い
温かいカプチーノを淹れたら
心は ほぐれたかな ....
{ルビ彷徨=さまよ}っている
ひたひたと
出会うことがある
唐突に街中で
それは重い…重い
黒い真綿のような雪がそこに
影に見えて、やはりそこにある
ありとあらゆるものに、背を向けて ....
この足が踏みしめているものを
確かめようと視線を落とせば
いつもの国道の歩道
そんな当たり前の、日常という名前だった
小さな石ころ、蹴飛ばしてさ
歩いた幼い帰り道
今も時々思い出しては ....
ひとくくりの名で
呼び習わされた私たちという存在
名前ごと踏み潰されて
それでも再び季節は巡って
そう、思えば芽生えから危機
タイミングよく行事が狙う
競争とは名ばかりで
それでも私 ....
それは{ルビ鬨=とき}の声
感情が地鳴りとともに疾駆して
旗が塗り替えられる
さぁ今、ダイスは転がされて
詮無い口実でよかった
まこと正しい正義など、初めから
どこそこにあると、誰が教 ....
空気読めよ
話聞いてた?
優柔不断
何それ全然おもしろくないんだけど
わがままだな
ついていけない
自分さえ良ければいいんだな
知りたくもない、そんな不幸話
違う生き物だから無 ....
真綿で体中を縛られて
それで私たちは生きている
あえいで あえいで
そう酸素だって 私たちにとって毒になりうるのだ
それが無ければ無いで
私たちは絶えてしまう
世界と私たちの境界は常に ....
星の営みとしてそれは
いつからなされていたのか…
終焉と誕生の
繰り返し、そうそれは繰り返し
灰の中から
もう一度炎が上がるような
終わりながらそれは
終わらない永遠のループ
....
ゆうら ゆうら
天秤が揺れる
ゆうら ゆら ゆら
落ち着かない足取りで時間を潰して
なんだっていうんだ
選択っていうのか
それとも、“アット ア ロス”?
誰がこんな時にシャレたこ ....
あぁいい天気だ
この場合は曇りのことをいうんだよ
南方海上はどうなんだい
ほぅ、いい具合な低気圧だ
空は曇って
風は冷たくって
よろしいじゃないか
あぁ 雨の匂いがするなぁ
や ....
わけもない始まりが毎日にありふれて
同じような存在が今日も街を歩く
私も あなたも
他の何十億と、何の違いがあって
だけどつまりは、どこまで行っても
私は私、
あなたはあなたで、
違 ....
始まりは何処からか
喩えれば欠けたパズルのピース
風に飛ばされて
均衡が、なかったことになる
そんなある日が訪れることを
支配者は知らない振りをする
砂上の楼閣は初めから
そう、あっ ....
保育所に通っていた頃
家で、積み木を積んで遊んでいたっけ
積んで、積んで、積み上げて
だけどそれは、バベルの塔ほどではなかった
小学校に上がって
年を重ねることを覚えた
それからアタマ ....
{ルビ私=わたくし}は一日の終わりに
あるいは毎食後に
または休日の安らぎに、人待ち時に
いつかどこかで、あなたに出会うだろう
砂糖も入れていいよ
ミルクだってお手の物さ
閉じ込められ ....
幸せは、
と書きはじめようとして
私はそこで言葉に詰まって開き直る
敢えて語るほどのこともない 私は幸せである
自分の心が決める
とは誰が言った言葉だったか
それはなんだか
壁にかか ....
或る 陽射しが穏やかな午後
風はゆるやかに 丘を流れる
窓枠に切り取られたその風景の
ずっと彼方を 少年は見ていた
鳥かごの中
「日常」は夢のまた夢
その身には 穢れなき白と
何もの ....
目の前にするとき
まるで舞台上で スポットライトで
照らされているように 私たちは
鍵なんて探して ポケットをまさぐって
見上げれば月が明るくって
まるで孤独で 砂漠のただ中にいるみたい ....
広がりを天に
透明な輝き 陽光を受けて
例えば台所、テーブルの上
飽きもしないで 口をあけて
満たされるのを待つ
透明感をまとって
海の青 空の青も
細長く切り取って、私は立つ
....
鮮やかな原色が
夜の暗闇に明るく浮かんで
いざない続ける営みの明るさが
原始の本能を、ふと思い出させて
{ルビ集=つど}っている
人はその下へ
夜に生きる種族は
愛を、切り売りしてで ....
深い谷に橋を架けよう
向こう側へ行く 旅人のため
大きな川に橋を架けよう
渡し守が 今以上傷付かないように
こちら側と向こう側があって
渡るための橋が架かる
どこにも属さないそこは
....
人差し指を天に
ナンバーワンは指差して
「1」と書かれた旗の下
笑顔で 列を作っている
みんな なりたくて
ナンバーワンになりたくて
血眼に走って 転んで
膝をすりむいたら オンリー ....
音を立てて 虹は崩れる
思い描いた理想が
心の弱さで 淡く消える
十字架は、貴方には背負えなかった
いつかの嘘は晒され
最後まで 隠せたなら、あるいは?
しかし背負えなかった十字架は
....
近づいてくるその時を
気付けど、なぜか 見ないふり
逃げ回るのは、心だけ
追い詰められた、その時に
実感さえ
どこかへ置き去りに
現実から
半歩先へと、移ろう心
羽などは生えて ....
都市
その足元は黒に染まる
灼けては、また凍える
現代の 大地とでも呼べるだろう
黒くなった三億の悠久
忘れられて
尊くも足下 誰も
誰も、考えはしないで
あんまり痛くて、裸足 ....
思い出す
あの日を、思い出す
遠いあの日を、思い出す
あぁ 今 風に吹かれて
最後に笑った
あの日のことを
最後に道を選んだ
あの日のことを
一瞬に嗅いだ 風の匂いで
心はい ....
雨宮 之人
(119)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
88、手探り 【てさぐり】
[group]
自由詩
4*
07/3/9 23:40
87、今必要としているもの 【いまひつようとしているもの】
[group]
自由詩
4*
07/3/8 23:33
86、距離感 【きょりかん】
[group]
自由詩
2*
07/3/5 15:06
85、天井 【てんじょう】
[group]
自由詩
1*
07/3/1 18:58
84、言いかけた言葉 【いいかけたことば】
[group]
自由詩
3*
07/2/23 2:27
83、仲直り 【なかなおり】
[group]
自由詩
3*
07/2/20 2:48
82、暗闇 【くらやみ】
[group]
自由詩
2*
07/2/19 0:35
81、足下 【あしもと】
[group]
自由詩
4*
07/2/16 1:10
80、雑草 【ざっそう】
[group]
自由詩
6*
07/2/12 22:29
79、反旗を翻す 【はんきをひるがえす】
[group]
自由詩
1*
07/2/9 16:57
78、イメージダウン 【いめーじだうん】
[group]
自由詩
2*
07/2/8 0:20
77、ストレス 【すとれす】
[group]
自由詩
3*
07/2/6 2:28
76、再生 【さいせい】
[group]
自由詩
4*
07/2/3 22:32
75、迷い 【まよい】
[group]
自由詩
2*
07/2/1 21:25
74、雨は降っているか? 【あめはふっているか?】
[group]
自由詩
1*
07/1/30 1:53
73、最後 【さいご】
[group]
自由詩
3*
07/1/28 23:03
72、崩壊 【ほうかい】
[group]
自由詩
5*
07/1/26 19:06
71、積み上げる 【つみあげる】
[group]
自由詩
4*
07/1/24 23:25
70、コーヒー 【こーひー】
[group]
自由詩
9*
07/1/22 0:50
69、幸せ 【しあわせ】
[group]
自由詩
4*
07/1/21 1:40
68、天使と悪魔 【てんしとあくま】
[group]
自由詩
6*
07/1/17 23:16
67、扉 【とびら】
[group]
自由詩
5*
07/1/12 21:41
66、グラス 【ぐらす】
[group]
自由詩
4*
07/1/9 22:23
65、ネオン 【ねおん】
[group]
自由詩
6*
07/1/7 23:02
64、橋 【はし】
[group]
自由詩
8*
06/12/28 14:57
63、No.1 【なんばーわん】
[group]
自由詩
4*
06/12/20 3:54
62、嘘 【うそ】
[group]
自由詩
7*
06/12/10 16:23
61、逃げ回る 【にげまわる】
[group]
自由詩
3*
06/12/4 4:26
60、アスファルト 【あすふぁると】
[group]
自由詩
8*
06/11/26 8:42
59、あの日 【あのひ】
[group]
自由詩
4*
06/11/23 0:26
1
2
3
4
0.31sec.