映し出した スクリーン
描き出した 或る色彩
見えている人と
それを動かす 見えない人
その世界は 時に美しく
時に悲しく また壮大で華やかで謎に満ち
最近は 嫌悪すべき怠惰とステレオ ....
温かな 身体溶けて
消えてなくなる この形
その奥の 白いもの
最後に残る 形そのもの
硬ささえ いつか無くして
さらさらな 粉になって
小さな壺に 納まって
時々誰かが 拝みに来る ....
水平線上の街は
曖昧な輪郭線と
いつまでも ぎらぎらと揺らいで
浮かんでいる 何もない所で
水平線から
地平線へと
流れゆく太陽
魂は {ルビ何処=いずこ}より生まれるか?
留 ....
薄い{ルビ翅=はね}
はばたいて
数日の 玉の緒
切れた先に 何が見える
揺らめいて 嗚呼
{ルビ水面=みなも}を舞う だが
{ルビ羽音=はおと}は聞こえない
その かすかな存在のゆ ....
気付かれたくない
本当の 気持ちとやらに
いわゆる 本音に
要するに {ルビ吐=つ}いた嘘に
だから 人は仮面を被る
仮面の裏側には
裏返った顔と
鳴り止まない 本物の声がある
....
時の生まれた日を
誰も 知らない
この先の永遠を
誰も 知らない
ヒトの生まれる
その前から
時は 全てを
掌の上に 遊ばせていた
「なかったことには
ならないん ....
見上げた空に 月
朗々と歌は聞こえ
足元に 花
虞美人草は 濡れてなお美しく
空は堕ち
心を 見失った
裏切り そして背後に
大いなる 意志
是非もない
この天は
誰の物で ....
漂う 粒子
温度差で 現わし
白き 霞
視界 狭まり
伸ばした 手の先
じんわりと 湿る
{ルビ春秋=はるあき}の体感温度
水 それにしても水
姿変え 移り変わる
形変え 巡 ....
振りかざす
そうして 人は
繰り返す
攻守で 塗り変える歴史
その槍をもって
全てを貫こうとし
その盾をもって
何物からも守ろうとし
血塗れた手
焼けた街
いくつもの 踏み ....
闇に溶ける闇
この翼 この身体
喩えるならば
そんな言葉が相応しい
今のこの世
翼にて 闊歩する
人々の頭上
見下ろして {ルビ啼=な}く
ゆうやけ
こやけで
日が暮れて
....
空の何処かで 心決めて
引力に 落ちる
身体は 燃え尽きて
人は その姿に願う
見えないものが
見えるようになる
その代償は
{ルビ己=おの}が命か
暗い画用紙に
明るい航跡 ....
見るすべのない
その果ては
限りない過去で
追い付けない未来
この{ルビ一文字=ひともじ}
この{ルビ一刹那=いっせつな}にも
病的な単位
重なって 読めなくなる距離
辿る道の ....
春の陽射しは
いつも優しく
夏の陽射しは
焦がれる熱射
秋の陽射しは
どこか冷たい
冬の陽射しは
水に 乱反射
ぐるぐると 回って
長く短い 季節は巡る
まるでスイッチ 浴 ....
日々を知らせる 薄い紙
幼心 望む日は未だ
ミシン目で 繋がった日々
びりびりと 朝方のワンシーン
そんなに楽に
切れ目を 入れられるほど
僕らも 地球も
器用じゃないさ
36 ....
この胸に 宿る
逸らしたくなる程の光
見えるか?
雨上がり 青い空に
思いのまま
翔る鳥
雲をくぐり抜け
螺旋を描いて舞い上がる
眼に見える 幽玄の橋
七色で 透き通って
....
入道雲が 気紛れに
夕暮れた街を したたかに撃つ
「アタマ 冷やせよ」と
のぼせあがった 街を撃つ
その雨やみを待つ屋根の下
ため息を 吐く者がいる
その雨に撃たれて
泣かない子供を ....
空は鈍い銀色 今日に限って
朝もはよから
とりあえず 傘を持って
友の 見送りへと急ぐ
携帯は言っていた
「降水確率は40%」
振るのか降らないのか
気分と同調 低く雲は垂れ込める
....
ぽつり ぽたり
何処からか
ぽつり ぽたり
巡り来て
ぽつり ぽたり
何時からか
ぽつり ぽたり
集まって
ぽつり ぽたり
月明かり
ぽつり ぽたり
照らさ ....
縦横の旅路
行き果てて 満ちて
隅々へと
生命の破片を渡してゆく
透明に
ただ透明に
誕生をはらんで
水面は揺れる
らせんを描いて
かたちを変える{ルビH2O=エイチツーオ ....
モノクロームだ
本当の色は 陰影が彩る
光を吸い込み
時々は はね返し
水銀の膜は
レアケースの正直
波打つスペクトル
その色は 真実か
揺れてさまよう
人の歩み映し
こ ....
とある ひと幕を終えて
{ルビ緞帳=どんちょう}が 下りてくる
黒のビロード
{ルビ艶=つや}めいている
静寂
それだけが 音を鳴らす
{ルビ幕間=まくあい}には
素敵な幻想を召し上 ....
高層ビルの屋上で
夜を 覗いていた
時が降ってきて
私は この惑星に取り残された
{ルビ古=いにしえ} でしかないよ
そう教わったのは幼い頃
数億 その時に
私は打たれながら いつか ....
それには まだ
誰も 触れていなかった
息を吹き掛けると
勝手に 回りだした
動きだす日々
巡りだす季節
色とりどりの光
気分屋の雨
種を蒔いて
見つめた時間だけ
命は膨ら ....
行くならば
時に 厳しく立ちはだかり
帰るならば
時に 優しく抱きしめてくれる
人はそれなしに
今を 築けない
今はそれなしに
何者も 動けない
遠く陽炎
揺らめくのは 僕 ....
そう 私たちは
日常のドアを開けながら生きる
何事もなき
それでいて それなりに満足な
{ルビ同=おんな}じ時間の
{ルビ同=おんな}じ場所で
毎日毎日 繰り返し
人々は皆 すでに{ ....
リズムを刻み
掻き鳴らされる音符
メロディに乗せ
紡がれてゆく言葉
拍動と等しく
血流と等しく
背骨と等しく
かたちづくっている 理由がある
何小節で 描ききって
音を越えて ....
生まれる その前から
ゲームは 始まっていた
生きる そのための
やさしい 「椅子取りゲーム」
気付かぬうちに ひとつずつ
はじき出していて
気付かぬうちに 僕の手は
真っ赤に 濡れ ....
今日もまた朝日を浴びて
体のスイッチが 入る
巡ってゆく生命
その先にあるものを求めて
水平線の
地平線の
その向こうから陽は昇る
ただの一度も 途切れることはしないで
あと何 ....
http://www.minc.ne.jp/~kaworu/100.htm
その名の通り、100のお題です。
私はこれを詩(主にソネット)によって消化し、2007年3月末日までに終わらせること ....
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