蟻を殺した朝、標準サイズの柩を、隠居した大工に発注し、旅に出た。
旅の始めに、風の響動(どよも)す隧道の中で、旅を終えようとする、男の声をきいた。
「…え?」
「え」のみが、耳殻に ....
海のない海辺。
砂から突き出た、跳箱のような駱駝の死骸の瘤。
得体の知れぬ不可視光線によって蝕まれる膚。
虚空に漂い、あらゆる輪郭を溶かしだす陽炎。
方角のない土地。
風に舐められた砂が舞い ....
真っ新な紙に文字が沁みる
字面になり損ね、はじけたもの
とばしった点と点
不必要に思われたものが
繊維を沈み込んで行く過程で
必要なものゝ如く
一本一本に記憶を残して行く
 ....
をゝさわ英幸(3)
タイトル カテゴリ Point 日付
 柩の音自由詩207/6/5 20:49
箱の隅の断想自由詩207/6/3 9:28
文 字自由詩307/6/1 17:39

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