ある日は日付変更線の上を
赤ん坊と手をつないで何度も行ったり来たりする女の夢
ある日はチンチロリンのサイコロの動き次第で
猛獣や人型の銃火器に襲われる男の夢
ある日はありふれたボーイミ ....
踏切の向こう側に立つ
少女の横顔に
六十年前の悲しみが取り憑いた瞬間
僕は
塵芥を掻き分け続けた両手と
石ころを蹴飛ばし続けた両足に
ほんの一刹那
接吻と落涙を捧げることができた気がした ....
一冊の本を見つけた
夕日の中で時を止めた部屋の中
汗の臭いを体中から漂わせて
表紙には題名がなくて
中身は幾何学的…というより
シュルレアリズム的で
一切の意味を捨て去った文章で
裏 ....
人が知ることのできる世界は目に映るほんの一握りでしかなくて
それ以上を知りたいと思った時
人は拡声器と重金属の仮面を手に入れる
果てしなく広がり続ける迷路を舞台に
人は出会いと別れを繰り返 ....
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