あの人が誰かにライターをあげたせいで
私はあの人にライターを奪われた
だから今、私は
見知らぬ人に声を掛ける羽目に陥る

「火貸して貰えますか?」なんて
私は自分を娼婦のように思うのです
 ....
その男とはセックスしかしていなくて、
それはつまり
良い本ではあったけど返し読もうとは思わない(思えない)もの
と、近いような感覚で
彼と連れ立ちどこかへ行こうと思えない(映画館?ましてやウィ ....
「人生を刹那的にしか愛せません」

「本音だけを整然と並べておきました」

「感情でしか制御できないこともある」

「小賢しいことをするくらいなら
 開けっ放しにした方がマシなので」
 ....
反対側のドアしか開かないんだ、と
キュートな顔をして言うものだから
わたしは安心しきって
そのちょっと不便な助手席に座る
もちろん、運転席側のドアから


ドアを開けると
異国のチュー ....
その爺が傘を持っている時は
必ず雨が降るので
わたしは爺が通る
朝7:42の窓を
「天気予報」と密かに呼ぶことにしている

爺の背筋は驚くほど真直ぐで
たぶんあれは針金で出来ているね、と ....
恋さえしなければ
わたしは幸せだったのよ
恋なんかすると
必ず泣いちゃうから

哀しくて?
ううん、苦しかったの

恋さえしなければ
わたしは健やかでいられたのよ
恋なんかすると
 ....
土曜日の夜に

私はバスタブに埋まって

静けさを呼吸に溶かしながら

手で水を掴む



この場所では

二人、愛情を深め合うことも

彼を、浴槽に沈めることも

で ....
小松 Anne(7)
タイトル カテゴリ Point 日付
その火は点かない未詩・独白107/6/11 19:08
繋がってなんかいない、繋がってなんか未詩・独白2*07/6/10 17:57
真摯に向き合うから馬鹿を見るんだ自由詩0+*07/6/7 19:21
R4自由詩5*06/10/18 19:16
わたしの中のリアリティ自由詩3*06/10/12 19:18
恋をしなければ良かった自由詩3*06/10/12 10:55
浴室にて 土曜日に沈む自由詩2*06/10/9 17:08

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