少年Aは今日も何気なく日常を過ごす

背が高い
その高さがよく目立つ
少年曰く、遺伝らしい
家族で外に出歩けないとよく言っている
彼ひとりでも道行く人々が二回ほど彼をちら見するらしい

 ....
昼の情熱
夜の冷静

今ひとつの線上で
双方が交わる

子供の声も
雲の流れも

薄いベールの黒に
包まれる

風鈴の音に
星の瞬きに

一日の思い出達が
暮れていく

この光
全ての人の願いでありま ....
この夏が終わるのもそう遠くはない、と
花火が打ち上げ終わった海にいる私

横たわる一メートルと五十センチあまりの生身
押し寄せる波に三十六度五分の生気は解放される

あれからどれぐらい経つ ....
心のダムに
言葉の雫がたまったら
きっと流れるうたの川

溢れ出してしまいそうになりながら
きらきらした雫だけ抜き取って
私しかつくれないうたの川

いつかとっておきの
雫でできた川
ここのダムから流 ....
世界って、かなしいね
無理して笑った女は言った
彼女は最近、死を知ったらしい
雨が止まないね
呟いた言葉は雫に溶けていった

冷たいね、冷たいね
雨って、冷たいね
冷たいね、冷たいね
 ....
本当に馬鹿馬鹿しいね
1時間も歩いて
君に会いに来たなんて

お陰で足にマメが出来ちゃった
家まで帰れるかな

あーあ
本当に疲れた
もう、ずっとここにいたい
せめて少しだけ
君の声を聞かせて

午後 ....
目眩を起こし
手摺りを捜す右手
宙を荒らした左手

しゃがみこめば
目の前に広がる鏡の世界

鏡は
私をうつす
私は嘲笑っている
その異様なほどに三日月を象る口が告げる

かわいそうに。
あわれよのう ....
淡い色のアスファルト
履き慣れないローファーがなく
緩やかにのびる桜のトンネル
出口は海へと繋がる

祖母は言っていた
この町は桜が多い、と
まるで桜の中に町があるようだ、と

寝ぼ ....
雨のリズム
秒針の鼓動
一定に停まる気配もなく
ただ無機質に

「只今、午後4時39分になりました」
電子音が遠くから聞こえる
見えるはずの海のむこうは見えない
もやがかかって曖昧に直 ....
まわる まわる
くるくるまわる

世界はまわる

今日も停まることなく
くるりくるりと

目がまわる

この世界には
たくさんのことがありすぎるから
指先から奪われる熱
あなたは言った
『手を繋げば少しはあたたかくなるよ』

ひとり
駅のホームに佇む
お気に入りの音楽が
以前より深みを増した
でも
聴きたくてもきけない六曲目
聴 ....
今までのキセキが
私のキセキ

生きてるキセキが
私のキセキ

これからも
キセキを生み出す

それさえも
キセキ
拝啓

只今、午後九時をまわりました。
この頃夜の冷え込みが厳しく、受験勉強をするのにもまた一段と頭を使っています。

そちらから月は見えますか。
私の部屋は西側にあるので見えません。
あと何時間かし ....
誰かとつながっていたかった
ひとりは嫌だった

そのために
偽りの名をつかって
この電脳世界という海の
情報という荒波の中を
藁をもつかむ思いで泳いだ

自分と似た人がいてほしかった ....
星も月も光る夜
窓辺に置くティーカップ
ダージリンの海に浮かぶ君
香りに誘われて揺らぐ光
満たされている心
君が眠りにつくまで
小夜すがら見守っているよ

遠くで聞こえる
波と夜想曲
疲れ果てた制服
ひとり、風を切って歩く

見慣れた通学路
憂鬱のひとつ

いつもの癖
何年も前に短く切り落とした髪
触りながら嫌気を紛らわせる

首筋を
秋の風が駆け抜ける

 ....
十人十色
だから
愛し方も
十通り

でも
己をそうさせる理由は
ただひとつ

その人を愛するが故に
ねえ
皆から離れちゃって
淋しくないの?

もし、君の上に
生命体が存在していないのなら
正真正銘の独りぼっち

ねえ
皆から離れちゃって
怖くないの?

もし、君の先に
生 ....
生き物は、息物です
生きるは、息るです

動物は、導仏です
動くは、侑ごくです

会話は、解和です
話すは、放すです

休憩は、求恵です
寝るは、音るです

仕事は、志毎です
働くは、勞くです

食事 ....
おい
現代の日本よ
黄金の国ジパングとまで言われたジャパンよ
あの時の輝かしさは
一体、何処へ行ってしまったのだい?

金をほぼ全て掘り出してしまい
ジパングではなくなってしまったジャパ ....
雨上がり
庭を覗いてみました

雨の雫で輝く葉
青いな

そう思った自分も
実のところ
充分に青かったのです
あの日。
あなたと出会った日。
頑張っているあなたの姿を見てときめいたのは、
だだの迷いだったのかな。

あの時。
あなたに声かけた時。
どうしても「お疲れ様」言いたくて引き止めたのは、 ....
消えてしまいたいから
でも
消えてしまいたくないから
誰かに必要とされていたいから
誰かを愛していたいから
生きていたいから
死にたくないから
居場所が欲しいから
泣いてしまいたいから ....
ふと
窓から外の様子を窺ってみたのです
すると
空という藍色の海に
悠々と三日月が揺らいでいたのです

そうしたら
小舟のようなお月様に乗って
夜空を旅してみたくなったのです

だ ....
月曜日、いやいや学校に登校して
火曜日、クラスの人に陰口言われ
水曜日、もう少しと言い聞かせて
木曜日、クラス内に居辛くなって
金曜日、休みだとほっとしてみて
土曜日、ちょっとだけ笑って ....
空と海の交わるところに
永遠があると信じていた
だから
大海原へと消えていく舟に
嫉妬した

―――私も連れていってよ
ずっとずっと遠くで波の音が聞こえたような気がしました
それが耳鳴りのように鳴り止まないのです

あれはいつのことだったのでしょうか
広い空の端っこに灼熱の太陽が半分だけ沈んでいます
そして海 ....
私のおすすめするサイトを紹介します。

「La Moon」
           http://www.d3d.co.jp/~akop

結構、有名なWeb素材屋さんです。
お月様と海をモ ....
「正直、正義ってなんなのよ」

クラスメイトの悪戯描きの中の
正義のヒーローがそんなことを言っていた

ちょっぴり悲しくなったから
「わからないなら辞書で調べてみたら?」
って
小さく ....
後ろの席で
あなたの背中をじっと見ていた

明日の今頃には
きっと君はここにはいない
そして
君がここに戻ってくることもない
私を残して
あなたは旅立ってしまう

いつだって
私 ....
緋月 衣瑠香(82)
タイトル カテゴリ Point 日付
少年Aの話自由詩13*08/9/21 21:23
残照携帯写真+ ...6*08/8/31 22:42
海になる自由詩11*08/8/24 13:06
想撮空間 「言葉の雫」[group]携帯写真+ ...5*08/7/19 0:03
雨ときどき涙自由詩7*08/6/29 10:49
告白‐海に捧ぐ‐携帯写真+ ...3*08/5/18 11:43
想撮空間 「鏡の世界」[group]携帯写真+ ...6*08/4/27 23:06
桜の町自由詩14*08/4/5 17:05
別れの手前 止まない音自由詩9*08/3/10 19:25
眩暈携帯写真+ ...4*08/1/10 20:43
いちごみるく自由詩3*08/1/1 20:25
キセキ (奇跡/軌跡)自由詩6*07/12/17 21:58
拝啓携帯写真+ ...5*07/11/11 21:38
電脳世界自由詩7*07/10/31 20:08
想撮空間 「ノクターン」[group]携帯写真+ ...7*07/10/21 18:28
秋季登校女子物語自由詩6*07/9/24 20:20
想撮空間 「愛のカタチ」[group]携帯写真+ ...3*07/9/17 19:00
流れ星自由詩5*07/8/14 11:29
想撮空間 「有人論」[group]携帯写真+ ...6*07/8/10 19:34
黄金の国 ジパング自由詩4*07/7/25 19:13
想撮空間 「青二才」[group]携帯写真+ ...6*07/7/25 18:47
花占い自由詩6*07/6/24 22:12
矛盾自由詩7*07/5/31 22:58
夜更け自由詩8*07/5/2 20:47
虐められッ子 ソロモン・グランディ自由詩3*07/4/12 21:35
嫉妬携帯写真+ ...8*07/4/1 14:21
予感自由詩5*07/3/28 21:45
お疲れの方、お月様と海を愛する方へ。おすすめリ ...1*07/3/25 20:55
正義のヒーロー自由詩2*07/3/18 21:21
さよならのかわり自由詩7*07/3/9 18:27

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