雨の朝
陰鬱なうんこが出た
便器の底に重く押し黙り
不機嫌な死体のまま
水流の渦の下に消えていった

今日は雨が土砂降りで
履いて行く靴が無い
ざわめきと
震え上がって
いちめんの星空
過敏性大腸炎

双子の星座の
アナルとアヌスは
ぴったり寄り添い
小刻みに歯の根が合わず
「きをつけ」の姿勢のまま
とうとう金縛りです
 ....
彼を偲ぶならば
彼が好きだった酒を口に含むより
彼の好物だったカレーを食べたい

暖冬とはいえ
この冬でも
舗道は冷たく
インフルエンザも流行ったし
朝に吐く息は白かった
ようやっと ....
黒スグリ
雑木林の妖精
えもいわれぬ
腋の下


短い短い
夏の夜
こんな時間に
やって来て
いったいぜんたい
どういうお積もり?


そんな問い掛けに
お構いなしの妖精 ....
僕の大好きな貴女は
「もう泣くのは嫌なの金輪際」
という気の強そうな発言を
電話の向こうで言う
でも
目にごみが入ったら涙が出るだろうよ
悲しい映画を見ると泣き出すのはいつものことだし
 ....
 BarRayRayは、
 レイ・ビルディングの最上階にカウンターだけの小さな店を構え、
 れいれいが店を仕切っている
 れいれいはオカマだから
 ママなのかマスターなのかよく分からぬが
  ....
 時代も歴史も超越した
 コケットリーのアイコンは
 今日もお高くとまっている
 薄汚い暖房室外機の上で
 こちらをうかがいながら
 眠ったふり

 幾多のげいじゅつによって
 あがめ ....
土星のお姫様は
ある夜の街角で
覗き込んだ望遠鏡のガラスに
自分の故郷が
小さく映っているのを見て
自分が記憶喪失であったことを
思い出した
と言った

それから
生のレモンにむし ....
歩幅はいつも貴方と同じ
優雅な大股の一歩がひそかな誇り
目線の先は遠くで交わる

そこはどこなの?か
知ったことかと笑いあい
そこにはいつ着く?の
予定なら未定とうそぶく

脚のコン ....
ハンマーが叩くその音の色は
いろいろな色が封じ込められ
厳選された白と黒の二つの色
明るい黒からくらい白までを
全速力で駆け抜けそして戻り
死に物狂いの手首の先の方を
下目で見下ろし煙草を ....
押入れの中に詰め込まれた
古い衣類はしわしわになったまま
寒い夜にはそのまま冷えて
家で母と一緒に年を越す

滅多に開けられることのないふすま
取り出されることのない衣類
毎日開けられる ....
気に入りの
花模様の傘の
模様の部分が
随分と手垢で黒ずみ
若くない自分は
その傘を持って
真剣な顔をして
駅へ急ぐ
自慢の大股歩き

いまだに
何処にも到達せずに
いろんな誰 ....
一般的な愛の言葉を
たくさん嘔吐したら
希望が残った
それは嘘で
反省が残った
二日酔いの朝と
一緒ですね
白いガー
ベラの鉢植え箱の中から取り出され髪の毛を存分に乱しながら居眠りから醒めた別嬪の逞しい太腿のごとき緑の葉。

「大事に
したいわ」と心の底から思い大事に大事に掌の中で温めて殺した昆虫の ....
悲しいことの、その理由は
こうしている間にも
いくらでも増えてゆく
昆虫の卵のように
冷たく白く光る
小さなつぶつぶとなって
いくらでも増えてゆく

その卵をぷつんと割ると
苦い涙の ....
足をすべらせた先はメトロ12号線の乗り換えの複雑な何とかという駅
スイングするのは、もういいやね
天井から謎の配管の先っぽが垂れ、汚れた水がひっきりなしに落ちる
時差の彼方の蒸し暑い故郷に、あの ....
 負けず嫌いの星は
 人生の戦争を毎日
 ときどきささやかに勝利しながら
 夜になると死んだように眠りにおちる

 熱く眠れない夜は
 電話をかける
 この間贈られた
 ロダンの彫刻の ....
風に吹かれ
アルミニューム
薄い地面の中に
突き刺さってみた
ボクいつも
抵抗ははかない

だので無抵抗主義で
砂埃に身体を浮かせ
ボクには光はまぶしく
いつのまにか
四角い部屋 ....
ワインのグラスがまた
チ・・・チンチン…と鳴った
何度でもいいから
もっと鳴らそう
綺麗なウムラートの発音が
出来そうだし
挨拶をしたら
知らない人も微笑み返してくれるだろうし
外を通 ....
 あねもねの花を持って
 歩く、わたし

 1月の風がごうごういって
 わたしの身体を強ばらせる
 こんな日に
 アスファルトの上で転んだりすると
 とても痛い
 ここを
 早足で通 ....
箱の中に、一つだけ余っていた
ショコラのような口づけを
今日、した

口に含むと
甘い味のゼリー状のリキュールが
でろん、と流れ出た

銀紙を固く丸めて
手の中に握り締め
背の高い ....
ムニュ、ムニュムニュ
を、眺めつつ
わたしたちは
別々の空間を深く旅する
カルテカルテ
店内のざわめきは
わたしたちの隔たりを
より遠いものにする
ワインのリストを見ながら
ブドウの ....
「一人千円」という設定で、さらっと1時間ほど皆で酒を飲んで、店の外に出ると満月が上空に眩しく、笑みを浮かべながら家に戻った。道すがら、今度はこういう酒をアノヒトと飲みたいなあ、と唐突に頭にひらめき、そ ....  コーポR・402をひっそりと辞し
 もう二度と戻ってこないことになってしまった
 あなたへ

 (えっ、本当にもう二度と戻ってこないの?
  どうしてなの?
  わたしには訳が分からない ....
眠くて仕方が無いと母は言う
こんなに眠くて仕方が無いのは
悪いことが起きるから
それとも脳梗塞なのかしらん
雑煮の鍋を温めながら
迷信深い島の年寄りの顔になる

庭には
他の樹木とは、 ....
あきれたことに
男の料理のうるさいこだわり
重症であるとみた
牛の脛肉やすじ肉を
すりおろした梨で煮込むビーフシチュウ
たった2時間で出来るのだと
得意げな彼

不吉なオレンジ色の月が ....
 神様への恨みその他
 いろいろあって
 昆虫に生まれ変わる夢をみた
 キャベツの葉の巻き込みの下で
 今とてもしあわせ

 緑色の天蓋はともすれば
 お祖母さんの匂いがする
 そうだ ....
 Aさん(女性)
 Bさん(男性)


 2人の被験者はすでに
 遠心分離装置の所定位置にいる
 時間を流して実験スタート
 遠心分離装置は
 2人の被験者がその動きに気付かぬ位に
 ....
男の料理は色々うるさい
彼の作るカレーは実に凝っているらしく
野菜だの果物だのがどっさりと入っていて
長時間煮込むのだそうだ
それはさぞかし美味いだろう
しかしうるさい

特にすりおろし ....
Six(29)
タイトル カテゴリ Point 日付
_未詩・独白107/5/30 9:09
鳥肌天空図自由詩1*07/3/26 19:02
_未詩・独白207/3/25 1:43
アブソリュート・カラント自由詩3*07/3/23 22:45
オニオンスープ未詩・独白1207/3/18 19:11
れいれい未詩・独白2*07/3/10 12:36
わたしは猫が大嫌い自由詩107/3/9 15:33
ワールズエンド・スーパーノヴァ自由詩4*07/3/5 8:55
ワルツ未詩・独白107/3/1 21:38
ハンマーが叩くその音の色は未詩・独白707/2/27 10:09
朝の挨拶自由詩4*07/2/26 9:18
自由詩507/2/20 11:36
おはよう未詩・独白407/2/20 2:57
白いガー未詩・独白206/4/5 2:19
あれるぎー自由詩205/8/22 17:27
巴里に逃げる未詩・独白005/7/10 23:56
四月生まれ未詩・独白205/4/18 14:52
一円玉のささやき自由詩205/2/18 20:38
呪文(チ・・・チンチン…)未詩・独白105/2/14 21:12
あねもね自由詩405/1/14 19:53
コアントロー自由詩104/12/6 15:56
ムニュ未詩・独白304/12/6 13:59
かたられすぎ、とうとつすぎ未詩・独白104/10/29 15:00
コーポR・402をひっそりと辞し自由詩604/5/12 7:49
眠くて仕方が無いと母は言う自由詩904/1/21 0:06
梨 (二)自由詩403/11/16 8:39
緑、ほねぐみ自由詩603/10/21 10:52
時間の流れを動力とした遠心分離装置の性能とその顛末自由詩103/10/16 1:31
自由詩803/10/15 8:21

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