目覚めると昼
時計はない
窓を開けると海
ただいま部屋ごと漂流中
はぐれたおかげで
今日も日差しが暖かい
雨の心配はないから
とりあえず歌う
たまに我が家が見えるけど
そこは ....
はじめに言葉ありきと
はじめに私ありきの間で
振り子の玉が行き来する
言葉があり 世界がある
(ひゅっ)
私がいて 仲間がいる
(ひゅっ)
木がたっている
(ひゅっ)
私泣い ....
空気に溶けるように降る雨の中で
林も雨に溶けていた
空の明るさも溶けていた
でも トラの子だけは浮いている
途中で何度も転んだのだろう
泥だらけだった
そのことを知っているから
余計に泥 ....
見上げると まだ町は見えていた
大人になりはじめてからだ
町が浮きだしたのは
雑音が多かったから
目で追いながらも見送った
町のなくなった地面は
立ち止まると足が沈む
人は 町の ....
青くにじむ蛇と
赤くつややかな蛇が
雪の下の暗いところで
からみ もつれ合い
溶けていった
残されたぬくもりは
ゆっくりのぼり
顔をだしたとき
花びらをまとった
森の ....
ある人はいう
空がくらくなるのは
日が眠るときに
よく眠れるように
空があかりをおとすからだ
と
ある人はいう
空がくらくなるのは
日がさるときに
次に会う瞬間を
空が恋こがれ ....
ふとした時に
小さな火ダネが
落ちてきました
ゆっくりゆたかに
両手のなかに
こんな小さなものなのに
私の全てに広がって
私の全てをあたためました
となりの人ももっていたの ....
ぐいっとひっぱる
過去がひっぱる
ぼくをひっぱる
引き戻す
引き戻される
引き戻す
じっとたえて
ぐっとこらえて
ただふんばる
ただふんばる
小さな石が
ガケから落ちた
誰も見てない時に
さっと落ちた
そしてそのまま
人の流れからはずれ
時の流れからはずれ
命の流れからにげた
そしてそのまま
どこまで ....
最後のしずくが降りおちて
世界のざわめき いまおわる
迎えるものは光だけ
あついくもが はれるだけ
すべての命がまち望む
切り開かれた雲をぬけ
ぬくもり伝えにやってくる
それできる ....
いい詩ってなんだろ
人の心を動かす詩ってどんなもんだろ
おそらく自分の感動する詩がそれなのかなとは思う
でも、そもそも自分の心ど真ん中の詩って
どういうのだろ
ど真ん中に近いのは
高村 ....
たくさん命を傷つけたこの星
だからこそ
ここに住んでいたい
たくさん自分を傷つけたこの星
だからこそ
ここから離れられない
長い長い時間の中で
少しだけ見守った
深い ....
今日も
空が 泣いている
広く
広く 泣いている
ずっとずっと なかった
雲が
ずっとずっと 青かった
空が
だから こ ....
けずるけずる
今日もけずる
けずれるものは
全てけずる
みがくみがく
今日もみがく
みがけるものは
全てみがく
ふくふく
今日もふく
ふけるものは
全てふく
けずっ ....
ささやかな言葉は
全てをふくまない
おおげさな言葉は
何も含まない
オルゴールのような
心の底をけずる
そんな言葉を探して
そんな表現を求めて
そんな詩人を愛する
なにを
....
ことばが届かないのは
それは絶望してるから
孤独にくるまって
自分を守っているから
今は そのままでいいよ
今は届かない このことば
だから
今のうちに言いたい
はい上がるとき ....
つながりと呼ばれるもの
つかむと消える不確かなもの
近づけば近づくほど感じる距離
つなぐものなどない
人であるための限界
肉体に宿る 精神の限界
混ざりたい
二人でいたくない
溶け ....
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