生物達がみんな死んで
住宅街はひっそりとしている
道端にコオロギの死骸を見つけた
足で蹴ってみると体は実が無くスカスカだった
夜の住宅街
巨大な公園に沿って家が建てられている
....
男はその歌を四十年間聴き続けた
なのにまともに歌えない
外国語の入っている歌だったからだ
けどサビならまともに歌える
今となってはそのサビの部分は彼の人生の教訓そのものになってしま ....
僅かな隙間からそれを見た
午前二時半
生物が凍死する時間
除雪機が轟音を上げて車道を抉っている
この時間帯は毎日のようにやって来る
透明に近いブルーが部屋を満たしている
....
僕達は夢の中を生きている
死んだ時夢から覚めるんだ
本当の僕達は夢の外で生きている
そこでこの夢の世界よりももっと文明が発達した世界に住んでいる
卵形のマシンに乗って空を飛び回るん ....
あと一時間でこの詩を書き終えないといけない!
九時半には就寝のサイレンが鳴るはずだ
ここは刑務所 僕は万引きの罪で捕まった
囚人服姿に伸びた髪と無精髭
とても詩人には見えない
生 ....
通気口から地獄の呻き声が聞こえてきた
僕はいつもそれを聞くと心が砕かれる
頭は混乱して呻き声が通気口から耳許に移って永遠と苦しめ続ける
僕はこの詩を書いて身を浄化させるつもりだ
僕 ....
夢を見て飛び起きた
ビル群に花火の光と影が飛び散っていた
今日は年に一度の花火大会だ
同じように地上に大輪を咲かせている観覧車
光り輝いて点滅したり色彩を多様に鮮やかに変化させてい ....
この歌を超える詩を書こう
僕は虹の彼方にあるものに向かって歩き始めた
山を越え虹を潜った
そこは真っ白な霧に包まれていた
僕は遭難した
辺りを見回してもどっちが北か東か南か西か分 ....
眠ろうかそれとも詩を書こうか考えた
結局詩を書くことにすることに決めた
暮夜のこの時間はこの曲を聴く耳以外静寂に満ちている
この中で僕は歯で曲のリズムを刻みながらキーボードを打っている
....
切なくなると詩を書きたくなる
君想う時詩を綴りたくなる
部屋の闇に入る時死と隣り合わせの妄想に冒される
髑髏の剣は懐にしまって敵が来た時に切り裂く
白い光
白い世界が広が ....
僕はあの場所と決別しなければならない
それとも僕はまだ君のことを信じていていいのだろうか
僕なんて論外なのだろうか
僕は自信をなくした
詩のことについて自信をなくした
君を失いつつある僕は
新しい君を見つけに行ってもいいのだろうか
こういう詩しか書けないんだ
この世界では
古くなりつつある君へ
君はいつも何をやっているのだろうか
僕が大きな ....
詩を書くと
心が軽くなる
君のことを考えて
心臓がドクドクいっている
詩を書いていると
世界が僕の考え方になるのに
詩を書かないでいると
巨大な造船のように見える
....
あるがままに書こう
悲しい曲を欲しがる
センタリズムになりたいんだ
僕はマゾだ
泣きたい
涙を流したい
今まで溜まっていた分全部
地面に涙の波紋が広がる
君は聞こ ....
突如のビックバン
神の一粒種は
止まる所を知らない
拡大する黒暗暗たる空間
渺渺たる宇宙
無数の塵
音無き寂寥
死する温度
森羅万象の蠢き
現 ....
何もすることがないから詩でも書こうか
僕はよく暇潰しに詩を書いている
どういうことを書こうかとかは考えていない
真剣に書く時は辞書片手に苦労して書くのだが
暇潰しに書 ....
何もかもなくしてしまった
神様に罰として全てを奪われてしまったのだ
人を殺してしまった
後々やって来た罪悪感だけでも精一杯なのに
深い自責の念に駆られている
....
僕は放浪の旅に出ることにする
僕が死ぬまで続く旅
誰にも止めることのできない旅
人生の旅のような旅
久遠を望むような旅
この旅に望むべくものは何もない
....
悲しくなるとこの歌を聴きたくなる
感傷的な僕はこの歌を聴くと涙を流してしまう
この閉鎖的な暗闇の部屋を出たい
外は夜でも明るく暖かい光で満ちている
この歌を持って外に ....
知ってる人は誰もいない
二階の僕の部屋
月を見るために外に出よう
君を連れて星空の下へ
午後の日溜まりの中に首を突っ込んでみて
僕はその上に太陽があることを知る
雪が積もって草花達を見られないけど
僕は残念がっていない
日溜まりの中はとても暖かい
....
世界が終わってしまったような気がする
この曲をずっと聴き続けて夜道を歩いていると
辺りはしんとしたように静かで物音一つしない
世界中の風が止んでしまったかのように空気は淀んで ....
こんな真夜中に起きて
僕は君の為に詩を書く
平凡な昨日の夜を過ごした
明日のことはまるで分からないけど
僕は詩を書き続けていきたい
天国って本当にあるのかな? ....
時計の秒針がメロディーを奏でる
僕は両腕に頭を置いて
目は闇を向き両足はリズムをとっている
心の中で歌詞を唄う
心の中で歌詞は一本の線になって彷徨い続けている
....
信号機が一本寂しく立っている
僕の後ろから車が次々と通り過ぎていく
僕が信号を通ろうとする時はいつも赤だ
雪の降る中僕はずっと信号待ちをしている
君を抱き締めて眠りたい
僕は君のいない空洞を抱えて横になってる
なんだか本当に君を抱いているようでとっても気持ちがいい
君の膨よかな胸元が深い空洞を埋める
君 ....
降る様な星が君の後ろで輝いている
平原を君と手を繋いで走りながら
世界中の女の子達のことも忘れて君のことも眼中に入らず一瞬見入ってしまった
星々が瞬きをしないのなら僕が瞬きをしよう
....
漁り火が漁船の真ん中で燃えている
ほうらもうすぐ魚達が集まってくる頃だ
投網は十分前に投げておいた
暖かい光に師走の魚達は引き寄せられてくることだろう
腕組みをして魚を待っているおじ ....
十二月上旬の金曜日の午前中は幻想的だ
閉ざされた世界が僕の目に焼き付く
そこは僕の理想郷だ
一瞬の探究が凍り付いて永遠となる
永遠の結実が物語を創るエネルギーとな ....
空から雪が舞い降りてきた
今日はクリスマス・イヴ
私は両手を広げ雪を全身に浴びている
深々と降る雪
赤いコートは雪で真っ白くなり原色を留めていない
楽しいことは何も無いけれどこの ....
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