社会の底辺に位置するシャーペンドットは
旧国鉄の駅舎を解体することで生計を立てている

そもそも旧国鉄の駅舎というものは
発がん性のアスベストなんかが使われていたりして
いくら肺呼吸じゃない ....
練馬の通り雨は計画的だ
スケジュールは1年先まで埋まっている

しかも事務所のつけたマネージャーがとても有能で
オンとオフのメリハリがきいたスケジューリングを組んで
練馬の通り雨がいつもフレ ....
あけすけな武士たちが白い地表を彷徨う
みなヨツンバイになって
互いのたまごっちを通信させながら
油断のならない褌をケチャップに浸していく

交差点から交差点へと
武士たちはフラボノイドを過 ....
炎の河を布に包まれた遺骸が流れていく
沐浴する人々が不浄な指先に漁火を灯す
対岸の火牛の群れが過反芻した泥を吐く
河面に落ちた星ぼしよ燃え尽きているか

新しいカースト制
ビル・ヴィオラ
 ....
少年に乗ったイルカは
本来そこにいるべきでない人々を
本来の居場所に導いていく
それが仕事なのだ

例えば、あすこの大教室で
頬杖をついて居眠りしている女学生
彼女なんかも
少年に乗っ ....
夜の新宿ゴールデン街に象が出る、と聞いた

だがその話を聞いたときには
その週の予定は新年度の引き継ぎやら何やらで埋まっていて
ようやく僕が新宿に出ることができたのは先週の金曜日だった

 ....
廃墟と化した地下通路に夕刻特有の緑色に褪せた光が射し込み少女の痩せた乳房に陰影をつける

かつてコインロッカーとして使われた金属の塊は今は小動物たちの手狭ながら居心地の良い墓場となっていて室内には ....
僕は深夜の公衆電話ブースで
キミに聴かせる物語を暗誦している

 動物病棟に緊急搬送されたクマリスの
 バイタルは比較的安定している

すでに眠りについたキミの枕元には
3年ほど前に発禁 ....
閑静な住宅街にうっそりとたたずむ
広尾のリストランテ「イル・ニード」
ここはうまい巣ごもり料理を食べさせてくれることで有名だ

今夜は僕たちが知り合って2年目の記念日で
給仕の差し出すメニュ ....
草野球のナイターが終わり
管理人が外野の照明灯を落として
軽自動車で市営球場を後にするのを見届けると
僕はいつものようにフェンスを乗り越えて
雇われマインスイーパーのような面持ちで
慎重にピ ....
品川駅のスターバックスコーヒーからは
高輪口と港南口を結ぶ中央コンコースを
本当にたくさんの人たちが
サーモンピンクとライムグリーンに色分けされて
指定された方向に運ばれていくのが見下ろせて
 ....
クリエイティブ・ディレクターの
シリ・カゲル氏は、いたって本質的だ
物事の本質を
日曜日の朝の、
スカンクの一発目のおならのように
気持ちいいぐらいに見抜く

しかし、シリ・カゲル氏は
 ....
乳化できたらいいのにと思う
だけど所詮僕とキミ、混じり合わない
僕はキミを中身のない女だと認めているし
キミは僕を生理的に受け付けないし

でも僕と、キミと、そのほかに

レジャーシート ....
「もういいよ」とジュンは言った
レオは抱えていた鯱をそっと地面に置いた
あまりに重くて持っていられなかったからだ

三日後、レオは晩夏の風が優しく吹き込む部屋のなかで
ジュンから届いた葉書を ....
ゆるぶりのたまべちを
へとり、へとり
ぬがいては、はるの
わがしにしたててゆく。
ギリギリでいつも生きていたいから

ミハエルは40にもなって婚姻契約を結んだ
それは男のケジメなんだそうだ
お相手は、上から88、56、87、69のナイスバディの持ち主
「やったな、ミハエル ....
春雨を縫って
水滴を蹴って
走るひと箱の蒸気機関車

桜の里をぬけます
蒸気の機関車
舞い散る花びらが
水の仲立ちによって
「わたしピンクのペインティング」
そのまま走り続けて
あ ....
そこにあるのは
一筋の水のせせらぎです
それをまたいで
遊牧民の少女は
超高層ビルの展望デッキに吹く風を
聴くことができるのです

そこにあるのは
細長い鉄のプレートです
それをまた ....
休日のキッチンでイタリアンサラダを作っていると
天井から垂れ下がったホーテンベイリーが僕に囁く
「ちまきにしてしまえ」
しかし僕はちょうどその時
革命に参加しなかった無産階級のことを思っていた ....
動物たちの暮らす森に、一匹のイボガエルが住んでいました。彼女には悩みがありました。からだのあちこちにあるイボから、いつもミルク色のべとべとがしみ出していて、そのべとべとが体に触れる草花や、遊ぼうと近寄 .... 未来と希望がついにかつての方角に行ってしまった
自分たちのことを、あまりに抽象的に語る若者たちに辟易したのだという

「僕たちはもっと実体を持った形而下的存在だ」と未来が苦虫を噛み潰したような表 ....
定率減税の縮減、配偶者(もなが)特別控除削減、年金・(もなが)雇用保険料引き上げ、医療負担引き上げなど、小泉(もなが)政権が決定した個人負担増は5.5(もなが)兆円。政府税調からは更なる大幅増税が提案 .... 運命とはデスティニーである
怪物とはモンスターである
岡田真澄とはファンファンである

ところが詩の世界では
(ちなみに詩とはポエムである)
運命とはモンスターである
怪物とはファンファ ....
うちのプロジェクトチームは
大きな案件が成功裏に終わると
決まって欧陽菲菲を食べに行く

でも、どこの店の
欧陽菲菲でもいいわけじゃない
僕たちがご贔屓にしているのは
赤坂の有名中華料理 ....
ガングロ真理子は
渋谷の無気力をたくさん抱えて
コングロマリットになったらしい

クロマグロ律子は
海の悩みを代わりに引き受けて
コングロマリットになったらしい

こんがりパリ彦は
 ....
ほら
今日もまた
隣のきれいなおねえさんが
税金を納めたよ
もう
モバイトしてワークしている
場合じゃないんじゃない

ほら
いつまでも
決心がつかないでいるから
きれいなおねえ ....
きょうはもう
まんぷく中枢があれだから
おなかはいっぱいだけれど
あとちふれ
あとちふれだけほしい

できればつもりちさとも。
南麻布のレストランでは
テーブルに両肘を付いて
三角形を作るのがマナーです

みんなのぞき込んでいるんです
永遠とも思われる
いざなぎ越えの向こうに
果たして何があるのかを

スプマ ....
正直に言うよ
耳ざわりのいいコトバを
拡大再生産するだけのプログラムなら
僕はいらない
周波数を左にいくぶん揺すぶって
日本中から寄せられた
ラジオネームを連呼するだけの
放送局を聴いて ....
僕はアリクイ
三度の蟻より
泥水が大好きで
いっつもうわっつらの
ぬるいとこだけ舐めてんだ

僕はアリクイ
本当は
冷たくて濃い泥水のほうが好きだけど
決して深いところまでは
首を ....
シリ・カゲル(81)
タイトル カテゴリ Point 日付
シャーペンドット自由詩207/4/28 22:58
練馬の通り雨自由詩207/4/27 23:14
武士の惑星自由詩207/4/26 22:37
さかまく、炎自由詩107/4/25 23:12
少年に乗ったイルカ自由詩707/4/24 23:03
新宿PM9:51自由詩307/4/23 22:34
ペーパーナイフ自由詩107/4/22 23:20
うごきだす、自由詩507/4/20 22:34
巣ごもりの季節自由詩2*07/4/18 23:15
ドーナツに聴かせる歌自由詩3*07/4/17 22:32
品川駅PM7:03自由詩6*07/4/12 0:23
シリ・カゲル氏自由詩2*07/4/10 22:57
キミと乳化する自由詩4*07/4/9 22:36
自由詩2*07/4/8 22:20
春薫堂本舗自由詩3*07/4/8 0:35
嗤うミハエル自由詩0*07/4/6 23:31
花化粧自由詩1*07/4/5 22:01
またぐ自由詩1*07/4/4 22:11
ホーテンベイリー自由詩4*07/4/3 20:21
あるメルヒェン散文(批評 ...3*07/4/2 22:31
未来と希望自由詩1*07/4/1 23:46
もなが自由詩0*07/3/31 23:33
チュッパチャプス自由詩3*07/3/30 21:01
欧陽菲菲[group]自由詩4*07/3/29 22:58
コングロマリット自由詩5*07/3/26 0:22
グッドウィル自由詩8*07/3/24 22:59
あとちふれ自由詩3*07/3/23 22:58
アマテラス自由詩3*07/3/22 23:18
ラジオ自由詩7*07/3/20 23:51
僕はアリクイ自由詩1*07/3/19 22:26

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