接眼レンズをのぞきながら
試料を封じたプレパラートに
対物レンズを近づけていって
カバーガラスを割ってしまい
試料をダメにしてしまったことがあるよね

それと同じことを
いまでもついやっ ....
世の中には
知らなくてもいいことと
知らないほうがいいこと
があって
僕らはいつも
酸っぱいガムを噛みながら
ベルトコンベアーで運ばれてくる
それらを
よりわける仕事をしてるんだ

 ....
セロリ パプリカ
アスパラガスといっしょに
今日もミクサーは
認識しうるだけの世界を攪拌していく
電動モーターに負荷がかかって
きな臭いにおいが
市場関係者をニギヤカス
容器に残った食物 ....
僕と君のあいだで
羽布団は日々炸裂する
パンキッシュな鳥たちの
朝の銃撃戦の中で
あと一歩のところで
見られることのなかった
夢たちをデフラグして。
まだらな夕焼けが
きりっとした一本の藍色に
移り変わっていく、その頃
帰り道のファミリーレストランに
今日も大きな桃のネオンが点る

今日はごめん、どうしても
僕には行くことができなかっ ....
 こん、こん、こん
夜、眠れないでいると
いつも扉はたたかれる

 来たですよ
 梱包王ですよ
そう言って差し出された
掌よりもひとまわり大きな名刺には
 ロマノフ王朝の末裔にして
 ....
僕の彼女は、昨年度の
準ミス水滸伝
今年度こそは万全を期して
グランプリを獲得してやろうと
画策しているようだが
素人の僕から見ても
去年の彼女に比べて、全然水滸伝じゃない

やっぱり ....
ジビエが有名な神楽坂のレストラン
今日のオススメはヘラジカのムース

当店では
恋をしているヘラジカ
とりわけ、ちぎれるような
恋をしているヘラジカしか
使わないんですよ
シェフの強い ....
三つ葉駅近くの踏切内で
君はさっきから散乱を続けている

サポーターの期待に応える
君の一撃が記憶に残るよ
短い眠りから覚めた熱血漢は
もう自分の持ち場に戻っている

それはさておき
 ....
三つ葉駅近くの踏切内で
君はさっきから空ばかり見ている

せっかくのチャンスだったのに
決定力が不足していたね
君を助けようとした熱血漢は
静かに寝息をたてている

でも大丈夫
ここ ....
深夜の質問サイトに
こんな書き込み
「生きたエビをもらったのですが
色が真っ黒です
もっと赤く、新鮮な
色でないとだめですよね
古いものをもらったのでしょうか」
ツッコミどころが満載だ
 ....
マヒンドラとマヒンドラは
おなじ日、おなじ時間
おなじ名前の病院で
この世に生を受けた
唯一違ったのは
マヒンドラが産まれたのは
北部の国立ガネーシャ病院で
マヒンドラが産まれたのは南部 ....
かっぱは優れた職人だ
西麻布の煮込み料理屋
かっぱは世界各国の
名物煮込み料理を出す

晴れた日は、白ワインの香り豊かなトリッパ
雨の日は、ほろほろにほどける牛すじの煮込み
暑い夏は、サ ....
近所の浄水場に
今日もまた
死体がうかんだ

警察は
現場封鎖をして
今度こそ必死に調べたけれども
結局今回も
死体が、水を、汚染していたのか
水が、死体を、浄化していたのか
死体 ....
景気が緩やかに回復している
今日この頃
からしニコフは
今日もジャムを売る

からしニコフのジャムは
安いうえに滋養が満点だから
不景気の頃には
それだけで空腹を満たそうとする
リス ....
そのモデルには
頭がなかった

世の中には
頭の中身がないモデルは
たくさんいるのだが
頭がないモデルは
史上はじめてだった

国内外のデザイナーたちは
頭のないモデルを
自らの ....
ある日曜日
いつものように遅めの朝食をとりながら
新聞を眺めていたら
君が日本代表に招集されていた

確かに最近の君のパフォーマンスには
目を見張るものがあったけれど
(贔屓目になんか見 ....
勝手にコピーキャットは
街中に溢れていく商品に
勝手にキャッチコピーをつけていく
それが仕事なのだ

例えば、あの化粧品についた
「マタタビよりも酔わす肌」
というキャッチコピー
あれ ....
みんなが春だ、桜だと言いながら
街を散らかしていくから
僕は、脇目もふらずに
黙って通りを横切っていく
君に
サーの称号をあげよう

サーの称号があると
会社説明会会場のすぐ近くに
 ....
彼女は言った、もし
親知らずを抜いてしまっても
今までと変わらず愛してくれる?
僕は答える、もちろん
それに必要とあれば
代わりにとびっきり頑丈な義歯を
プレゼントするよ、もし
その時に ....
僕は、毎朝
市民農園で育てた
形の悪いニンジンで笛を作る
ウサギたちが楽しみにしているのだ

僕は、ウサギたちの喜ぶ顔が見たくて
苦心して笛を作る
リードのところなんて、ウサギたちの
 ....
シリ・カゲル(81)
タイトル カテゴリ Point 日付
顕微鏡のリズムで自由詩4*07/3/18 22:30
酸っぱいガム自由詩1*07/3/17 12:01
ミクサー自由詩0*07/3/14 23:56
羽布団自由詩1*07/3/13 22:53
桃と月自由詩2*07/3/12 22:53
梱包王自由詩2*07/3/11 12:54
水滸伝の彼女自由詩2*07/3/8 23:26
ヘラジカのムース自由詩4*07/3/7 23:41
環状カツ丼線(2周目)自由詩2*07/3/6 23:05
環状カツ丼線自由詩1*07/3/6 0:26
エビちゃん自由詩7*07/3/4 22:02
マヒンドラとマヒンドラ自由詩2*07/3/3 23:11
かっぱ自由詩2*07/3/3 0:30
水と死体と自由詩1*07/3/1 21:42
からしニコフ自由詩4*07/3/1 8:24
頭のないモデル自由詩1*07/2/27 8:41
日本代表[group]自由詩3*07/2/26 8:40
勝手にコピーキャット自由詩2*07/2/25 11:47
サーの称号自由詩3*07/2/24 0:13
珊瑚の夜自由詩5*07/2/19 0:45
ニンジン笛自由詩10*07/2/17 12:12

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