死んだ体は宙に浮いて
おおきな地すべりがおこった
すべての水が渦をつくれば
奇妙なノイズが響きに響いて
がらんとしていた都会の向こうで
明かりがついてはきえて
ついてはきえた
突然―
 ....
そよ かぜ
いらいら ゆらゆら 
かぜ

かな しみ
よごれて いたんで
あめ

 ―あめ

一本松でみたよな
景色を
ここでもなぜか見える気がするよ

一本松でみたような ....
雨の夕暮れ
うそはまばたき

影の下
ぼくはうそつき

路面をみてごらんよ
路面を

路面を見てごらんよ
路面を

神頼み
なみだはかがやき

空の下
ぼくはうぬぶれ
 ....
黄金の水を  とくとくとく
あわの神秘に どきどきどき

ごくごくごく

ごくごくごく

毎日僕は
繰りかえす

熱くなまった
僕の身体は
どうして君が
欲しくなるのか

 ....
小さな虫は不安でした
彼は自分が自分であることに不安でした
彼は或る時、彼のおじいさんに言われたのでした
自分は自分であるしかないのだと
それ以来、彼は、自分が自分であることに不安でした

 ....
白梅町の交差点
頼るあてなく
落ちこぼれ
学生の俺は
うそを云う

横道抜けて等持院
是非をとわずに
落ちこぼれ
学生の俺は
つばを飲む

やさしい音のなる方へ
知らない君が ....
地下の文献資料室
あなたひとりがそこにいた

僕はあなたがいたからこそ
慎重な顔してうろうろしてた
あなたがいなけりゃあんな場所
すぐにも出て行きましたとも

地下の苦しい空気など
 ....
来る日も来る日も
こうやって
涙さえでるのを忘れて

来る日も来る日も
こうやって
焦燥を{ルビ抱=だ}く他仕方ない

去る日を何時も
忘れてしまって
うつくし日々は嗚呼何処

 ....
ダンボール箱
いや、もう、箱ではない
これに
俺は
云いようもないさみしさを覚え
やあ、俺が
もう、君のよに、なってしまったら
どうしよか
なりたくはない
ダンボールのよに
雑用さ ....
素面のふりした大酒のみの{ルビ商人=けちんぼ}たちが
貧相で乱れた俺の姿を
{ルビ無料=ただ}で否定するならば
吹笑するより他にない

ケララ ケラケラ ケケラララ

聖徒を気取った薄学 ....
何度と俺は、この坂道を、上り下りしたものか。

旧街道の家々に、時に幸福、時に不幸を思いつつ、
夏は太陽よりも美しく、冬は月よりも{ルビ哀愁=かなしみ}をもち、
山の緑は、こうも愚かな我らのこ ....
見たか?
あれを―
空にいる、ああ、大きな大きなあれを。

見えないなんて云わせないぜ。
視力のいいやつ悪いやつ、関係ない。
見えるだろ?

鉄の塊ではない、
謂わば、世界を背負った ....
地下の心地はいいものだ。
ひんやり、固い、やすらぎの街。
がたんごとん、きい、てくてくの音。

―実に、よい。

無心とはまさに、{ルビ地下=ここ}にあるんだ。
欲望なんて、{ルビ地下= ....
幸福な女優は、金持ちの男を好んだ。
或る日のことである。
彼女は都内の高級ホテルで、大富豪のF氏と寝ようと試みた。
F氏は、83才。無論、機能しなかった。
―夜が明けた。

それ以降、彼女 ....
帰る。

父の元へ帰る。

いや―
父は、いない。

だけども、死んでなんかはいない、
らしい。

(父の大きな肩を見て、育たなかった。)

(父との思い出、あれはもう、小学生 ....
汗ばんだ、女の子に魅力を感じます。
僕は、決して、自然が好きではないけれども、
わきを開けて、スプレーを吹きかける女の子は、
好きではありません。

そのわきに、剃りのこった、毛があれば、
 ....
どうだっていいやなんて、
よくもまあそんなこと―

いや、いや、わかっかちゃいるのさ
どうでもいいはずがない

だけども、もはや、日は短いのだ
どうにも、僕には残りがないのだ


 ....
さわやかとはなにか
やさしいのは春か
掃除機のきゅいーんが
許してくれるなら

行けばいいのですよ
さみしくなんかない
お空の飛行機が
落ちてしまうのなら

苦しくはな ....
「きゅらりん」

私は本当にあなたがそう言ったのか、
はたまた、驚いた。

「きゅらりんってなんだよ。」

けれどもあなたは、なにも教えちゃくれない。
沈黙に陥った。

「だからさ ....
憧れるんです

田んぼの広がった
いや、あまり広がりすぎてはならぬ

緑あふれる、水車は回る
羊はめいめい、雲はゆったり
笛の{ルビ音=ね}ひゅるる

ひゅるるるる

右手に本を ....
西の国の王様は嘆いた。
彼の一番に大切にしていた海より青く世界一珍しい、
自慢の鸚鵡が逃げ出したのである。
王様は独身だった。彼は早くに両親を亡くした。
彼は悲しさをわかりたくないと、その鸚 ....
薄情なのは
どうやら僕も君も彼も彼女も
みんなそうなんでしょう。

無礼なのは
どうやら僕も君も彼も彼女も
みんなそうなんでしょう。

きっとみんなわかっちゃいないんです。

愛や ....
世の中なんてみんな
白痴ばかりじゃあないか

コンビニエンスストアで
大音量の着信音が響いた
居酒屋の出口で倒れている君
それでも酒を提供する男

彼が殴られたことや殴ったことを
た ....
やさしい風をつかまえたのか
狂った君にはできるでしょうよ

昨日の悪さを覚えているか
あの子の名前を忘れていたろう

そこに幾千の星が待っているのか
おいおい、じいさん長くはないぜ

 ....
待っています。
待っているのです。
あれを。

私は誰だって?

ふふーん

どうか、苦笑しないでくださいよ。

わかりました、ではヒントをあげましょう。

私は、
バス停に ....
僕ハツマリ寂シイノデス。
目ノ前ヲ行ク、男女ノ仲ヲ、
壊シタクナド、テンデアリヤシナイノデス。

僕ハ悲シクアリマセン。
オ星ニ誓ツテ言イキリマセウ。
ダケドモ涙ヲトメラレマセン。

 ....
宇宙旅行にでてみよう

銀河なんて小さなもんだよ
彼女はきっと映画のような
景色を期待しているはずだ

天の川には人はいないぜ
神話の世界は現実逃避
月がきれいだ君は衛星
それでも地 ....
詩人がなんだ
詩人はなんだ
詩人は君か
詩人は俺か
詩人はどこぞの大臣でしょうか
詩人は偉いか
詩人は強いか
詩人は国をよくするか
詩人は君を愛しているのか
詩人はごみか
詩人は夢 ....
傾くギターに手を伸ばし
{ルビAm=エーマイナー}を鳴らしたら
なんだか「破戒」を思い出す

もうすぐおやつのじかんでしょうか
白いお空はまぶしさをみせて
痛いな気分は丑三つ時だよ

 ....
幼いなんて言わないで
私は確かに幼いけれど
十分何でも知っています

幼いなんて嘘やさかい
私は来年成人するし
お酒の味も知っ ....
蔦谷たつや(40)
タイトル カテゴリ Point 日付
死んだ体は宙に浮いて自由詩207/8/26 6:30
一本松自由詩1107/6/17 5:08
路面自由詩16*07/6/2 3:24
黄金の水自由詩9*07/6/1 12:37
不安自由詩2*07/5/27 21:19
北野界隈(傷心と苦笑のところ)自由詩5*07/5/24 20:45
恥を書く自由詩2*07/5/24 20:32
朝日(毎日が殺される前に)自由詩12*07/5/24 5:26
土曜日の夜(小雨だった)自由詩12*07/5/20 1:43
アナキストを哀れむうた自由詩10*07/5/16 18:39
街道自由詩5*07/5/16 4:36
フォークソング自由詩7*07/5/16 0:02
思案虞理楽(君のための詩です)自由詩6*07/5/14 17:13
幸福な女優自由詩10*07/5/13 1:39
父のこと(やすりをもつ)自由詩4*07/5/12 1:26
それは、もう自由詩6*07/5/10 21:59
思考(にせもの)自由詩2*07/5/8 3:35
薄情娘自由詩11*07/4/21 16:05
日常会話自由詩3*07/4/18 1:34
いいなあ自由詩8*07/4/15 23:24
鸚鵡の偉業自由詩6*07/4/9 8:53
嘆くこと自由詩807/4/7 9:22
白痴のいる風景自由詩9*07/4/4 4:12
川のそば自由詩6*07/4/1 7:38
待ち人自由詩807/3/30 4:23
ボソリズム自由詩607/3/30 4:03
ソニック自由詩7*07/3/28 1:09
じえんど(自問自答の果ての果て)自由詩2*07/3/26 2:31
夕刻を待つ自由詩6*07/3/22 15:09
童顔であること(微笑)自由詩707/3/21 17:40

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