溺れていく架空の感情と
傷付いていく僕の呼吸
限りなく嘘に近い紛れもない真実
また喧騒の中に
沈む、沈む
嘘と水と夜と
僕は花みたいに死んでいて
君が夢みたいに歌っていた
本当に楽 ....
世界の裏側に辿り着いて
君と絶望の夢を見れると思った
美しくない現実に翻弄されている僕は
見つかる筈のない数字をさがしていた
夜中に僕の腕の中で眠る君が
僕には天使のように見えたけれ ....
寒い日の深夜だったか
公園のそばの道端に
捨て猫がいた
寒いよね
ごめんね
私、アパートだから
飼えないんだ
ごめんね
ねぇ
今まで何人の人が
私みたいにキミを
見捨てて ....
始まることのない夜と
故に来ることのない朝が
裏側の世界で目覚める頃
静かな雨に、私は鳥のように濡れて
争わないということは、何も得ないことだと
誰かが唱えていた
それなら、私は全裸で ....
愛することは酷く醜いから、と
僕は君を殺しているところ
馬鹿みたいに笑って
苦しいほどに触れていた
冷たい今に
「凍える日々を過ごしました
君がまた少し遠くなりました
漸く何も見 ....
冷たい雨の中で
切ない花のように頭を垂れて
一秒先にも、一秒前にも動けないまま
美しかった日々に怯えて
日々の脆さに怯えて
今日が寂寥に沈んでいくのを見ていた
骨も冷える雨に濡れても
....
線路を白く覆う雪と
目の前を白く曇らせる吐息と
貴女が歌った古い歌が消えていくように
冬の前に確かに聞いたオルガンのように
未だ、罪悪感を知っていた日を懐かしむ影が
昨日のような未来に嘘を重 ....
選ばれた僕に使命など無い、と
君はまた飯事を始めている
権利なら失う前に捨ててしまったよ、と
笑う君は、僕の目に映らない
いつも通りの無言が
君の体温を下げていく
たった数年前の秋 ....
暖かかった記憶の季節を
セピアの幻想に委ねた
涙も出ないまま
現実と幻想の区別もつかなくて
僕は狭間で漂って
たまによく知らない歌を口ずさむことくらいしか
出来なかったんだ
....
美しい日々が消えて
遠ざかる視線が消えて
傷つく意味も消えて
美しい日々が消えて
君になど、分かってもらいたくないのです
今日もどこへ行くかも分らない日々を
何処に消えていくかも分 ....
騒がしい夜の端で
貴女は僕を静かに殺した
何かを祈るようなしぐさで
何度も何度も夢を閉じて
僕は貴女を愛していた
それが真実かどうかも
捉えられないまま
それなら、と
体温を想 ....
どこか遠くへ行こうと思う
カバンも財布も何も持たずに
此処が何処かも分からないまま
歩いて
歩いて
歩き疲れて
行き着いた場所が
静かな村であるといい ....
ある日、夢を見た
僕以外の人間が皆いなくなって
僕は
独りぼっちだった
第一章、早朝
目覚ましが鳴らなかったので寝坊
もう九時過ぎだ
お腹がすいたので
朝ごはんを食べようと ....
彩る街の中を、寄り添う船が
あの銀色の平原を
滑るように進んでいった
街の中では
音もなくすれ違う人波、灰色の星
それでも
君は華やいでいると言うのだろうか
もう遠い船は
ただ ....
遠くには浮かぶ朱色
それに染まる無垢の白
太陽は目を閉じて
月はまだ眠りの中に
始まることは辛く
終わることは切なく、寂しい
揺らぐ夕映えに金色に
儚く日々を追う
いつか、泳ぐ ....
此処の夜は寒くて
切なくなってしまう
星達も何処か無機的で
ただの白い光点として
この夜を照らさない
いつか幻を見た電柱は
冷たく湿っているようで
そっと頬を当てると
意外にも滑ら ....
生きることを拒むには
この場所は少し寂しすぎて
僕は死ぬことに
ほんの少しだけ恐怖を憶えた
喜びと哀しみと
憂いと切なさと
そして怒りや嘆きの類さえも
此処ではそんなものでさえ無益で ....
白いワンピースが揺れていました。
荒れ狂う怒号と崩れる瓦礫の山の中で、
白いワンピースが揺れていました。
もう動くものの無い街を照らす太陽が、
真上にまで移動して、
少女のうな ....
そう広くもないこの世界で
終わらない
終わらない争い
人々の悲しみ
隠れて囀る鳥達
離れて瞬く星達
全てを知って包み込むように
ただあの哀しい月に近づく場所へ
私はこの世の救世 ....
幾つもの切り刻まれた命を抱え
涙を流す彼らなら
この夜も癒してくれるのだろうか
気の遠くなる程の
永い永い地鳴りの中で
痛みと悲しみで冷え切った夜空に輝く
たった一つの星も消してしまう ....
数年前の夏の暑い日でした
私は確かにこの場所で
眠れない夜を過ごし
眠らない夢を貪っていました
数年前の秋に
私は{ルビ運命=さだめ}を失いました
世界の闇よりもさらに深い夜が
全て ....
沈んでしまった
沈んでしまったんだよ
波は驚くほど冷たくて
足はガラスの欠片か何かで深く傷ついて
白いワンピース
ガラスの欠片
そのシルエット
日は音も無く哀しい程静かに
沈ん ....
その時何を考えていたかは
とうの昔に忘れてしまったが
其処から見ていた景色が
哀しい程美しかったことだけは覚えている
閉じかける目を
何度も何度も抉じ開けて
恐らく
君は何かを伝えた ....
とある砂漠に
突き刺した旗の下で
頭上の光点を避けていた
そこら上に転がっている
何かの動物の頭蓋が
何も言わずに私を見つめていた
砂の匂いを孕んだ風に
私は何を載せればいいのだ ....
確か、そう
夏の寝苦しい夜だった
湿度に負けた星達を見上げながら
ある種の期待をした
瞬きなど、とうに忘れてしまったのだろう
湿気たような星が
無表情のまま夜空に貼り付いている
切れ ....
微かに響く鐘の音
哀しいその音に何を祈ればいい?
縋り付く必要も無い
この先から見えてくるだろう
痛み、憂い、泣くことの答えが
そしてその意味が
私は、ただ立ち竦んでいた
こ ....
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