巧妙に嘘をつくのと、本当のことを敢えて言わないのとは違うことだと思った。
本当を隠して一物抱えて軽やかに笑う
感情が鈍感なのでなく、無感情でいろと心に指令を出すほどひだひだに繊細な感情 ....
阿佐ヶ谷を散策をした。
みすゞという名の猫がいる、狭い古道具屋を見つけて長居をした。
今年の4月に阿佐ヶ谷の外れにぽつんと営業し始めたお店で、土間の様になっている店の部分と、一段上がった畳 ....
世界に組み込まれたい
世界を見下ろしていたい
自分も含めて他人事ならば
痛みも無い
過去にさらわれて
未来がないなら
いつまでも
布団とソファーの行き来で ....
さよなら、あなた
夏服をありがとう
けちで、やさしい、太めのあなた
眉間にしわを寄せ、服をたたんでくれたのね
忘れ物をしてごめんなさいね
あなたの部屋から ....
たまたま会った美しくない女と
素敵なカフェで夕飯を食べる
私はお酒を一杯、彼女はお酒も飲まない
話さないとつまらないので
楽しそうに話す私
誰でもを愛せそうに見えるだろう ....
寝起きに、桃を探してしまった
腐った桃の匂いがしていて
いつかの甘いあの味が、
まだ、口の中を漂っていく
鼻孔まで浮かんできては、落ちてゆく
はっきりとせ ....
依りかかる椅子があるから、私は一人で立てないのである
一人で立ったつもりでも、バランスを崩して倒れそうなときにつかまらせてくれるのが、椅子の背なのである
椅子に座らずとも、生きてゆけるよう ....
消しているのか、なくなってしまったのか
あるけど見えない振りをするのか
あとからやってくるのは哀しく虚しい昔の私
晴れた日にもあの日の残像が浮かぶよ
ドアを開けた瞬間に ....
飲み干した缶のウーロン茶
無くなってしまったベンチ
夜の自動販売機
高校生の襟首
まっすぐな
まっしろな
失敗をしたことのない
厳しいあなたのことを
た ....
寝起きに、桃を探してしまった
腐った桃の匂いがしていて
いつかの甘いあの味が、
まだ、口の中を漂っていく
まだ食べ終わってもいないのに
あの桃は捨てられてしまったんだ ....
言葉よ
我慢するからやってこい
書かない小説家の如何に多いこの世の中か
言葉よ
泣きたくなるからやってこい
ウイスキーを飲んで、それを水色の涙に変えてやる
言葉よ
読み解 ....
屋上のさらに屋上に、屋根をつたって登る
椅子と毛布を持ち込んで
月が現れるのを、待つ
会話をするのが全てではなくて
視線を合わせることも同列
同じ月を探しているという二人 ....
未来を話し合う
少しずれた未来予測をする
6月がきたら
雨の季節が終わって
また同じ花柄のワンピースに身を包む頃
知らない振りはどこまで通用するのだろうね
....
知りたいことが今朝はっきりわかった。
似ている人とは気になるもので、似た体験をして似た気持ちになったことがある人としか共有できない理解がある。
自分に似たところがある人似た人というのは、話 ....
上に引っ張られると、辛くて下がついてこない。
下に引っ張られると、楽しいが上が見えない。
何をするにも2つの力が働いていて、そこには人が存在する。
やはり一杯千円 ....
何も目的を持たずに会えるのが恋人。
会うことが目的にもならないのが結婚。
約束をしなくては会えないのが女友達。
アポなしで突然誘えるのが男友達。
何も連絡無しで家を提供してくれ ....
なんだかぽかぽかと暖かく、柔らかい草が生えている
そこでひと眠りする
そこでずっと寝ていてしまいたくなる
でもそこに寝転んでばかりではいけないと自分で気づかなくてはいけない
た ....
今日は平塚にて建築撮影のアシスタント。
普段事務所の仕事もぽつぽつとしているけども、アシスタントは体力と、いつもと違う頭を使う。
写真で作る作品よりも、最近は文章に寄ってきていたので、写真 ....
本当のことはカチッと停止している、これが本当だとすぐに分かる。
本当っぽくても本当でないことは、たいてい良い条件が揃っている。しかし時計の長い針のように少しずつ輪郭がズレていく。
ズレに対 ....
白いシーツの隙間には、これから開けるプレゼントの包み紙をぺりぺりと破る興奮が存在する。まだ破られてもいず、包装紙がゴミにもなっていない。この白が汚されるなんて想像もできない可能性の、白。
白 ....
雨が降ってきたので、浜辺に置いてあった船の下で雨宿り。青く錆びた船、後ろには網が沢山積んである。
拾った貝殻の中で一番大きなのを灰皿にすることにする。
近頃は連れられて景色が綺麗な場所にい ....
ネコのような甘いだみ声鳴かれても
エサは、やらん
きんちょうをしろ、
セックスのためだ
たわごとを言うな
返事は正確に、迅速に
セックスをする仲のルールである
お前がきちんとルールを守らないから、
俺は仕方なく書くのである
友達がいないから
ただの愚痴である
ただの愚痴に現実がポトリと落ちてくると
ぴちゃんとそれに膜が張る
....
弱気である
あなたに会ってから、私は弱気な女になってしまった
優しくしてくれてしまうと、わっと驚いてしまう
男の人はなんにもくれない
そう、気づいた矢先だったのに
あなた ....
非力な女がいた。
駅の自動販売機でペットボトルのオレンジジュースを買っても、キャップが開かない。飲みたいがために買ったので、ホームで延々とキャップを回すが、いつになっても開かない。見かねた近くの ....
王様を独占する
ずっとではなくて、偶然に2人きりになるささいな時間を、その時に話される言
葉を
朝の白いひとときを
恋をするわけではない
気持ちよい朝を布団と共に抱えて微睡む ....
王様が寝ている
裸だが裸の王様ではない
セックスを営むのに言葉は必要ではない
いく、終える、ゆく
全ての進行は言葉でなく手のひらの感触で記す
静かなセックス
言葉のない ....
浄化にも二種類ある。
作り出すもの、壊すもの。
繰り返してやっとわかる。
どちらを選ぶかなんだと思う。
無駄なことがバケツに一杯溜まると、無駄なことも腐り、異臭を放ち、ネバ ....
社内恋愛、社内結婚、社内出産、社内不倫疑惑、社内射殺、社内離婚、
愛のない
勝手にしてくれ
先日、「覚えてろよ」と指差しされた
何を覚えていればいいの?
あの日の ....
ロンロン
ウォンオォン
私の中の動物が鳴く
必要ではないのである
何かみたいである
もう見逃せないのである
一人である
結局は待つのである
右と左が反対 ....
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