これは 真白と言うのでしょうか
何も 何も描かれていない
ただ 何処までも 広い平面
どうして いつ
私はここへ来たのでしょうか
気が付くと
この場所に立っていました
今日という ....
種を残した
朝顔
立ち枯れた
向日葵
空になった
金魚蜂
萎びて縮んだ
水風船
細かく汚れた
網戸
風鈴の音が
風にさらわれ
カーテンの呼吸は
深みを ....
夏の重みに
耐えかねた蝉たちが
ぽつり
ぽつりと
落下してゆく
どこまでも
真っ直ぐな彼らは
受け流すこと
なんて 知らず
真っ向から
夏を
受け止めるから
一週間
....
もうすぐ 八月の空が
落ちてゆきそうなので
また わたしたちは言葉を選び
逃げる準備をしなくてはなりません
「またね」を 残してゆくと
来年は とても からっとした
笑顔が ぱぁっ と ....
ビー玉の中で
歪む町並み
世界は
終り
蝉の羽根
透かして
見える
極楽浄土
線香の
煙が
導
常世の旅路
夏空の
彼方を
目指して
往生安楽行
....
落ちて
落ちて
昔日
夕暮れ
鐘のこえ
夏空
どこに
秋空
そこに
すぐ そこに
朱に
染まるのが
怖くて
蒼へ 蒼へと
逃げ出した
夏空
近く
想いは
....
熱い地面で
ほどけたアイス
白の甘い
甘い海
黒の小粒を
優しく呼び寄せ
黒が白にのめり込み
溺れた頃に
乾いて消える
尻尾を盗られた
黒蜥蜴
見えない敵を
威嚇して
真 ....
太陽が
眩しすぎたから
どれもこれも
真っ白
花火は
刹那すぎたから
どれもこれも
真っ黒
鮮やかな記憶
以外 何も
残らない
残せない
夏
{引 ....
ソーダ水の泡
の ように
すばしっこく
立ち逃げる
夏を
この手に
捕まえようと
追いかけ
追いかけていたら
気が付くと
そこは
刺激のなくなった
ソーダ水
の ような
九 ....
ソーダ水の泡
かき氷の雫
スイカ割りの一撃
球児の白球
蝉の羽ばたき
入道雲の高さ
夕立の土砂降り
夕暮れの風
花火の瞬き
祭りの笛太鼓
線香の煙
風鈴の音
....
6月が
綺麗に敷き詰めた玉石を
7月は
蹴散らして突き進んで
8月が
全て壊すから
6月は
悲しみに身を投げて
9月に
生まれ変わって
また
繰り返して
....
試行錯誤とか
暗中模索とか
迷うことを
許してくれない
割り切った季節は
無慈悲に背中を
押すから
わたしは怖くて
怖くて
雨傘を
握り締めたまま
もと来た季節へと
駆け出して ....
波打つ
赤茶けた
トタン屋根の上で
夏 以前の
曖昧なものが
溶け 溶けて
滴り落ちてくるのを
南京錠
鍵穴で受け止め
夏 開く
{引用=
2005. ....
ガタンゴトン ガタンゴトン
少し湿った 夜の闇を身にまとい
姿を隠した列車が
一等星の星屑で出来た
青い銀のレールの上を走ってく
窓から外をのぞくと
夜露がきらきら輝いている
うすい ....
時々歩いてきた道を振り返って
何か落としてはいないか
何かを忘れてはいないか
確認するけれど
そこで思い出せたものは
忘れ物なんかじゃない
手にさげてたカバンの中
奥深くに入ってたも ....
地図を持って出かけよう
行ったことない街へ出かけよう
僕は知らないけれど
地図には載ってる街へ行こう
地図を眺めて知ったつもりになるよか
自分の足で歩いてみよう
そしたらこの手の中の小 ....
クローバの葉っぱは何枚ある
友情 愛情 信じる心
三つそろえて生えていた
草むらの中で 私の心に
そっとつんでは 心の糧に
そっと愛でては 育んだ
時々見つける四つ葉のクローバ
....
炭酸水のぷちぷち 弾け飛んだ泡つぶが
空へ昇って星になったら
一等星の青がソーダ水になって
ぷちぷち ぷちぷち 泡の星を撒き散らす
夜空が星で埋めつくされたら
僕のコップは薄い青のソーダ ....
灰色の空の下に、白い雲が現れた。
どんよりとした灰色の中に、
さわやかな白の色。
そのまま空を白に塗り替えて、
気持ちのいい青空つれてこい。
そう思ってみたけれど、多勢に無勢。
し ....
僕には足りないものだらけ。
僕の存在は
この身一つに一つの魂で満たされるけど、
それだけじゃ
存在理由は満たされない。
だから、僕に愛情を。
僕を満たしても、
有余る程の愛情を。
尽き ....
あったかくて やわらかで
僕を包み込んでくれて
安心できて
心地がよくて
時々怒って
たくさん笑って
僕の側にいてくれる人
{引用=
1997
}
ほっぺにちゅう
ぷにぷに ぽよぽよほっぺにちゅう
ましゅまろよりも やわらかほっぺにちゅう
ましゅまろよりも 甘いちゅう
ほっぺにちゅう
けんかのあとで ほっぺにちゅう
涙が通ったあと ....
友達は精神活性剤
どんな栄養ドリンクよりも
確実に着実に
私の心を元気づけてくれる
友達は精神活性剤
好きな人は精神安定剤
ホットミルクよりも
あったかくて安心できて
私の心を休ま ....
幼い頃、年明けには凧上げ。
冷たい北風の中、
小さな手で一生懸命糸にしがみついていた。
その手からざぁっと凧を連れ去ったあの風は、
友達がほしかったのでしょうか。
桜咲く春の日。
鬼ご ....
所狭しと立ち並ぶ家々を見ると
さながら箱庭のよう
走りゆく電車をみれば
そこは鉄道模型の世界
久しぶりに感じた鳥の視点
僕の心は夕焼け空に溶けてった
{引用=
1997
....
月明かりと
雪明りに照らし出された風景は
ひっそりとしていて
思わず息をひそめてしまう
思い切って深呼吸すると
冷たく澄んだ夜が
きゅうっと体に入ってくる
そして私は夜と同化する
これ ....
ざくざくざくざく
冷たい雪を
ざくざくざくざく
手袋を着けた手で
ざくざくざくざく
掘っている
雪の下には
大地が眠る
私の足元には
大地が眠る
春の雪解けを待ちながら
大地 ....
空の箱 空の箱
空の箱には空が入ってる
空の箱には何にもない
空がほけっとのぞいているだけ
空の箱 空の箱
僕には大事な空の箱
いつか見つける宝物を入れる日まで
空の箱は空のまま
....
混沌とした風の中
荒涼とした大地の上で
あなたは何を求めて
彷徨っているのですか
かけがえのない大切なものを
見つけるためですか
それとも失した記憶を
再びその腕にいだくためですか
....
さあ 眠ろう 子供達
今日という日は もう終わり
明日が来るまで 眠りにつこう
つらいこと 嫌なこと 悲しいこと
全てを闇にあずけて
夢と 希望と 憧れを胸に
ゆっくり眠ろう
明 ....
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