月が美しい時、その下で、犬や豚や、
うさぎやらくだや、馬や鳥が、痴れたり、
うずいたり、つかえたり、
引きつったり、しゃくにさわったりしながら、
季節売りが立ち止まって、
次の芝居を始めるま ....
さらさらな、ざらざらなソーセージを、
焼いたり、ゆでたりして、
こしょうをかけたり、
ソースを垂らしたりして食べる。
あちらこちらで、
敵にしなければならないものが、
大きな声で叫 ....
たばこを吹かして、アイスクリームをなめて、
男の子の女の子の、女の子の男の子の、
死んでいるハムレットの記録を見る。
目に見る結果で死なないから、
空腹に困らない。
淑女や紳士が、大 ....
白い旗をふっている人間がいて、
黒い旗をふっている人間がいない。
白いかごをゆすっている人間がいて、
黒いかごをゆすっている人間がいない。
大きなものに、小さなものを入れて、
明るく ....
紙をたたんで、小舟を浮かべて、
わたしは出発した。
人のかたちをするものになろうとして。
その指を切り落とすと、指に指の、
その目をえぐり出すと、目に目の人格が、
一つ、与えられる。
そし ....
5
みつばちやはなあぶがたわむれて、
そこに垣根があることも、
花が咲いていることも知る。
果実がなるのを待って、摘んで、
樽の中で、苦い酒にする。
酔って、今日を事実にして ....
3
ぼろ切れも、つづれ織りのように、
紙と紙のあわいから過ぎず、
あったことを示す。
日夜のめぐるたび、足し算を続けて、
よろこびなぞ、かなしみなぞ、
充分に受け止められる。 ....
1
ろばの肉は、骨をくるんで、
皮にくるまれていた。
もえがらにはならなかった。
一つ、星のおこるたび、
グレアに紙をかき消されるたび、
皮をまとって、骨にまとわされて、
....
外にいるのか、内にいるのか、気に病んだところで。息はすきまから、ひっきりなしに吹きつけて、痛い。
博物館に、咳ばらいがひびく。みささぎに眠っていたひつぎは腐って、色あせて、当時の面影を遺してはい ....
司祭たちが手に手をとって、締めてはゆるめて、鬼を追いつめていく。
死角があるなら、そこに違いをつくろう。言葉は、そんな風にもふる舞える。紅潮した陰茎や陰唇に、視線を伏せながらも関心を隠せないよう ....
鏡と正面して、あざをあざで化粧する。旗よ、籠よ、セックスを論じる以外に、その斧をぶつけようがなかったとしても。
信号で停止。罪の是非を、今日の来る毎に問うこともなく、横切っていく積乱雲。
....
保険に入ったのですね。では、行き止まりは危うくないとでも云うのですか。
あなたは、諸島の話を聞きたがる。前ばかり向いているから。条件を覚えていない。
この半分が、電極のあわいで踊っている かた ....
手に届く場所にあること。化石は青かった。この皿に、ワタシハ上ト下ヲカキワケテ。
新しい宗教が生まれる度、医学書に項目を加える夢。それでも、裂傷は点を結んで、形をととのえる。ノゾク。沓と傘を。
狩り ....
まるくあった裂け目だ。そのように生じる他にないのは、密室の丸ごとの気狂いや身悶えに含まれる等しさやおかしさ。
ついに殴るあなたを見つけ出せないあなたの猫背を撫でさすってや ....
あわいにたゆたうスポンジ状の光。向かい側では何を喋っていたか。蝶のトケルマデ、またいで、くらんで、主人公たちにルビをあてる。
後ろの正面に泳いでいる黒衣も、また、体制を整えている。寝返りを打つ度の痛 ....
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