飲み干した酒杯のそこに
月が映りこんで
もっといっしょにいてほしかった
と
すきとおるようなさそいをなげかけています
あおじろい
あおじろい、と
あなたがくりかえし
あおじろい
あおじろい、と
ささやいているのです
あおじろい
あおじろい、と
ささやかれたみなもには
あおじろい
あおじろい、
さ ....
花のなかに
ひとしずく生まれた朝露が
小鳥のつばさの先端を
たべて
入道雲のように
上昇していく
雪が
真実をしりたいといって
降りてくる
あつい
軋みが行方、
知れ ....
湯気が
飛行していた
カーテンを閉めたら
夏がくるので
放っといた
そこから
出て行った
遠くの海で
波が
砕けているのは知ってる
花柄の
シャーベットに蕩けて
....
アスファルトの上で
タイヤの跡を
探すように数えていた
数えていたのに
そこにはないようで
電灯が酔ってる
体を折りたたんで
見ていた
見ないようにしていた
きれいな ....
駅前の
タクシー( たおれたアイスの棒が
赤い花 赤い花 赤い花 ↓「こんばんは」
セーラー
服( 明後日には蟻に食べられる
星空がきれいだと
糸のきれた ( 月 月 ....
きょうは
雪が降った、
とうそをつくと
泣くひとがあるので
つきません
泣くひとが森のなかで
雪の結晶をみつけて
みせびらかしたとしても
その雪の結晶には
....
メッキで金色にぬられたボタンが
雪の中に落ちていた
ボタンの周囲には
動物の足跡が転がっていて
灰色に溶けた雪が
鉄を鳴らす音で雪自身を撹拌していた高音も重低音も抱きしめながら駆け抜けて ....
舌打ちしたくなるような音を立てて
床が渦巻いていた
噛み切ろうとすると(それは
音なのか、床なのか)
自分のためのベンチを探して
歩き ....
チュチュ
というもじのかたまりのとおりみちが
きちんとできてしまった
チュチュ
恋人やあるきむしやプリンのソースは
遠ざけられてしまった
....
約束、という響きに手繰り寄せられたつもりで
何かを手繰り寄せようとした
霧の先
眠い、眠い、と繰り返す手鏡は
いつここへ置き忘れていたのだろう
白い白い白い
夏の雲にどこへ
連れて行かれようか
桜がスキップをしてかけて ....
揺れる草の歌を
聴こうというのだろうか
歌おうというのだろうか
草の名も
知らないまま
指先が風を求めている
腕が踊りだして
足取りは流れて
太陽の光に浮かれてしまえば
もう
ここ ....
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