淡い青色のひかりは
優しくてでも
とても残酷です

バチン、と派手な音で
一瞬のうちに奪われる命は
それでも最期に
華やかなのでしょうか

誰にも気付かれずに
ひっ ....
美しく甘い幻想で織り上げた檻の中で

永遠の優しい夢をみるわたしはいつか

彼方からの声に気付くことがあるのでしょうか

わたしを現実という修羅場に引き戻す声は

今も誰かが必 ....
何度この道をあなたと通っただろう

初めて一緒に歩いたときは
まだ寒くて上着を着ていた
わたしの体力がなくて
ゆっくり歩いてもらったことを覚えている

トラックの巻き起こす粉塵 ....
夏空の下揺れる陽炎の中
紅いキンギョ草がほころんで
微かな風にゆらゆらと踊り
入道雲が天を昇る昼下がり

一陣の熱風が吹き付けて
街路樹がいっせいに葉音を奏でて
蝉の声は断末 ....
ひとが個である以上
どれだけ相手を愛しく想っても
決してひとつになることはなくて
触れ合う肌と肌の隙間には
宇宙より果てしない距離がある

その隙間が切なくて哀しくて
必死に ....
鋼鉄の強さが欲しかったのではない
柳のような強さが欲しかった

何もかも跳ね返す強さが欲しかったのではない
しなやかに受け流す強さが欲しかった
あとどれだけの挫折と
あとどれだけの絶望と
あとどれだけの後悔と
あとどれだけの涙を
超えたらそこに

立つことができるのだろう
肺を水で満たすような
この痛みと苦しみを恋と呼ぶなら
こんな思いはいらない
何度もそう思うのに
その笑顔を見るたびに
溺れそうな気持ちがまた
幸せの光に満たされるんだ

 ....
なにが「普通」かわからないまま
僕たちはただ「普通」でありたいと
願い続けていた
幾億の星の囁きではなくて
ただひとつの太陽の笑顔
100000000回目の「もういいよね」と
100000001回目の「もうちょっと」

その繰り返しの果てにわたしは
平穏を見つけることができるだろうか
盆踊りの喧騒を避けて
入り込んだ路地は
中学生の頃の通学路
狭く細く静かな時間が
そのままだった

一陣の風が吹いて
セーラー服姿のわたしの
残像が行き過ぎる

遠 ....
雲無しの高い青空に
ひりひりと胸の底が焦がれ
季節外れの山藤は
頭の痛くなるほど
甘い香りを振り撒いて

どこまでも高い蒼穹を見上げて
わたしの存在は拡散してゆく
伸ばした指先はほら
 ....
バックミラーの中
満月には少し足りない月が
どこまでもどこまでも
追いかけてきた

ヘッドライトの灯りの中
小さな白い子猫が
おびえた顔で行き過ぎて

外灯の影を
 ....
海のように
大きくて命の源たる水は
わたしには重すぎて大きすぎる

湖のように
優しくてたくさんの命を抱えた水は
わたしには重すぎて大きすぎる

河のように
涼やかで柔 ....
雨の中ひとり池に糸を垂らす釣り人の背中が背負う哀愁は
都会の交差点で人混みに揉まれているときに不意に感じる孤独に
似てはいないだろうか

とてつもなく独りなのだ

誰も己を知らない安心感は ....
窓の外眼下に見下ろす名古屋の街は
遠く遠くきらきらと明りを燈し
瞬いては揺れ闇夜に煌々と浮かび上がり

そのひとつひとつの灯に想いを馳せるとき
忘れていた瞬間がふと思い浮かぶのです  ....
大好きな君の笑顔が眩しくて
目を細めた夏の午後
そんな大切な一瞬は本当は
ささやかで儚いと知っているのに
どうして永続するなんて
夢を見てしまったのだろう

愛しくて愛しくて ....
赤いダリアがうつむいていた
街灯はちかりちかりと電池切れ

濡れることに疲れたわたしは
通りすがりの民家の軒下で雨宿り
出窓に座るドラえもんと目が合った

車が水しぶきをあげて ....
優しい気持ちを交し合って
寂しさを一つずつ埋め合って
想いを丁寧に紡ぎ合って

彼方から伸ばした合った手が
触れ合って握り締め合えたなら

それをきっと幸せと呼ぶのでしょう
 ....
どこまでも晴れ渡った空を見上げて
あの頃のわたしたちを思った

何をしても楽しくておかしくて
些細なことで涙を流して笑いあって
寂しさも嬉しさもみんなで共有して
いろいろな新しい ....
浴槽に浮かんでいた小さな虫の死体
小さな小さな

わたしが少し波を立てたら
もう沈んで見えなくなった

彼は
どこまでも広がる青空を見ただろうか
暖かな太陽のひかりを浴びただろうか
 ....
絶壁のコンクリートの僅かな隙間に
いのちを宿した君たちは
迷うことなく天を目指して
もう背丈よりも大きくなった

直角に身体を曲げて上へ上へ
ひたすらに迷うことなく
君たちは ....
愛し君の面影は
絶えず目蓋の裏に
笑顔のままに時をとめ

溢るる想い出は
柔らかき棘と
甘き疼きを伴って

遠く滲む記憶の端より
はらはらと溶けて
やがて淡く淡く  ....
ときどき浮かび上がる記憶の断片
もっとよく見ようと手を伸ばすと
するすると溶けるように消えてしまって
あとにはもどかしさばかりが残って

鮮明に思い出そうとすればするほど
ぼんや ....
青すぎる空はこんなにも哀しい
なぜ

高すぎる空はこんなにも苦しい
なぜ

血を流し続ける傷口に
陽が容赦なく突き刺さる

剥き出しのこころに
熱風がひりひりと沁みる ....
わたしに降り注ぐ優しさはどうして
こんなにも哀しいまでに鮮やかな花びら

灰色のわたしを埋め尽くすように
幾ひらも幾ひらも舞い降りる

紅い花びら
白い花びら
青い花びら  ....
満天の星空から舞い降りたのは
優しい淡い恋の炎でした

柔らかく瞬きながら
山奥のひっそりとした水辺を
泳ぐように飛んでいました

「わたしたちは人知れず
ただ恋情を募らせ ....
僕らがまだ何も知らずに
無邪気に笑っていた頃
太陽はいつだって暖かく
幸せのひかりを注いでくれた
雨はいつだって優しく
恵みの飛沫を降らせてくれた

いつからだろう
眩し ....
わたしは深海に漂う水の泡
孤独に苛まれ紺碧の檻の中
どこまでも寂しく漂うのみ

天から射し込む幽かな光に
引き寄せられて誘われて
虹色に輝きを変えても
決してどの色にも染まれ ....
あずみの(38)
タイトル カテゴリ Point 日付
誘蛾灯自由詩008/11/27 17:17
アテナの祈り自由詩008/11/26 12:54
やがて飛び立つあなたに残されるわたしは自由詩308/11/25 10:27
夏日の午後自由詩3*08/11/24 12:59
膨張する宇宙に引き裂かれる僕ら自由詩308/11/23 19:13
強くなければ生きてはゆけない自由詩108/4/12 10:05
望む場所自由詩108/4/10 18:44
不条理自由詩208/4/10 10:47
希求自由詩008/4/9 17:53
望んだのは自由詩008/4/9 10:32
さよならの準備自由詩008/4/8 23:08
追憶自由詩207/8/17 21:09
焦燥感自由詩607/8/12 11:15
夜のドライブ自由詩607/8/5 7:16
水のはなし自由詩607/7/26 21:27
雨情自由詩107/7/22 22:41
追憶の夜景自由詩407/7/17 14:05
愛犬、チャーリー自由詩307/7/15 19:17
夕立自由詩707/7/13 9:44
恋紡ぎ自由詩9*07/7/11 10:26
泣きたいほど高く蒼く澄んだ空自由詩207/7/10 18:05
小さな自由詩1307/7/6 16:28
断崖の花自由詩307/7/4 22:00
君ありて幸せ自由詩607/7/1 20:54
モネの見た世界自由詩407/6/28 20:20
夏空自由詩307/6/25 17:00
花びらのように自由詩607/6/20 21:25
恋に焦がれて啼く蝉よりも自由詩9*07/6/17 21:39
絶望より明るく希望より暗く自由詩807/6/16 16:12
蒼の孤独自由詩507/6/14 18:20

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