群生する草木の
やがてはその根の深いところへ
むさぼって、むさぼって、
貪り尽くして やがて
ひとすじの地層となって閉じていく
のが わたしたち。
一匹の蜘蛛の
ぎんいろの糸を端から切り ....
ピンクの象と黄色のキリン その横で
下の青いにんげんがお父さん
真ん中の赤いにんげんがお母さん
いちばん上の黄色いにんげんが尚ちゃんです
そんなふうに
わたしたち家族が積み上がっている
6 ....
ていきあつていきあつ
と いっしんに唱える、
上空を
旋回するビニールの屋根
めがけて
いっせいにひかりは弱まった。
自転車にのって上昇したのだ
こどもたちは眼下にひろがって
車輪 ....
他人のような起床だった
おまけに
水が揺れて上がれない
くるまれた水のしろい肢体が
暗いほうへ暗いほうへ
流されていく
そんな部屋で寝ていたからだろうか
朝になっても
何処にも辿り ....
ひさしぶりに
呼吸を怠けていたら
わたしの
ずっとむこうまで
誰も気付かない白い歩道が
続いていて
その白い歩道のうえで
ぐるぐるとわたしを起点に
折り返しては
また むこう ....
真新しい緑を横切って
くろい雨雲の拡がってゆくのを
部屋から見上げて思うことといえば
これから生まれ落ちようとする水 の
暗さとか、濃度とか。
おそろしくとおい日に
ひとはみな 水か ....
街に見送られて
死んだように運ばれていくバスに
間に合って良かった
天然ガスで走るバス
いざというときには
死んだように運ばれていくのも好都合
このまま
うつらうつら ....
きのう
蒔かれた種が
もう 発芽へ発芽へと
夏が至るまでのあいだ
止まらない
エスカレーターの列は長く
せめて みどり色を思い浮かべる
わたしとは
違う人たちに前と後を
挟まれて ....
南 広一
(8)
タイトル
カテゴリ
Point
日付
地層
自由詩
2
07/10/17 10:44
きでできた どうぶつ
自由詩
0
07/10/11 17:32
気球観測
自由詩
2
07/9/10 16:49
水没
自由詩
2
07/8/12 11:21
循環呼吸
自由詩
1
07/8/7 18:49
雨
自由詩
9
07/6/27 11:17
「バスが毎日やってくる」/「3つのラテン語の祈り」ほか/
自由詩
5
07/6/20 17:58
播種期
自由詩
3
07/6/12 22:39
0.09sec.