この星が消えて
私も消えて
それで
残るものなんて無かった
残せるものも無かった
これから先も無い
未来も見えない
希望も持てない
それでも
産まれてくる
未来とか希望とか ....
この手に何を持っていたのでしょう
暗黒な親の元で
どうして
私だけが汚れないと
言いきれるのでしょう
皆は私を何だと思っているのでしょう
名前の通りに美しい姫?
心もお優しくいらっし ....
何故か好きになる。
愛してると言いたくなる。
抱きしめたくなる。
すれ違いばかり繰り返して。
僕らはまた出会うのだろう。
星を見上げるのは
夜とは限らない
僕が
居なくて
....
静寂よ
この身に降り注ぐ罪よ
僕はまだ息をしているか
僕はまだ君を掴んでいるか
――静寂よ
死と共に僕を罰せよ
明日になれば
この浅はかな
切ない思いも消えるでしょう
真っ白な銀世界に踏み込んで
祈りを捧げその目に答えを望むなら
私は空高く舞いあがった
あの人に
この思いを消してくださいと ....
とてつもなく暑い熱帯夜の夜でした
家を裸足で飛び出した少女に
行く当てなどなく
少女はただ辿りついた公園のブランコを漕ぎました
放り出された無防備な足
頬に残る涙を強引に拭うと
真っ赤 ....
お前は不器用な人間だなァ。
と夕暮れの日
放課後のあのたわいも無い会話の中で
先生が言った
私は彼の目をジと見つめた
彼は気にした様子も無く進路の話をひたすらに
器用な人間など ....
私はただ其れだけを持っていたのだと思う
真っ白な脳内に響くエラー音
警告音にも気づけずに
足元に転がっていた停止した名も無き住人
私はただ何処までも走りたかったのだと思う
真っ赤な残像に ....
銃を持って出かけよう
いつでも貴方を守れるように
防弾チョッキはダサイから置いて行こう
変わりに私が弾丸を受けてあげる
遺書は書かない
思いを伝えたいのは貴方だけだから
用意は ....
車のヘッドライトが眩しく目を細めた
もう行かなくては、凍え死んでしまう
冷たい空気を吸いこむと
雪がぱらついてきた
もたれかかった壁も冷たく
空には星もない
待ち人来ず
ゆっくり ....
まるで子供だと嘆かれた
意地を張っていても損なだけだと
人に媚びへつらうのが大人だったのか
自分の意思を貫けないのが大人だったのか
大人は損や得かを瞬時に考えて行動しているのか
なら ....
ずっと捨てられずにいた宝物を
今日捨てに行きます
思い出したくない過去を捨てるのではなく
これから続く道を歩くために
荷物を軽くしなくてはいけないのです
容量の小さな私の鞄には
入りき ....
独りでに歩き出すだろう
この足が私のものなら
一人で歩いて行くだろう
背を押す風が止まった瞬間から
私はこの地を踏みしめて
どこまでも行けると信じたいが為の嘘を
君に吐き捨てて
それ ....
手紙を書こうと思う。
それは数年後の自分へ、ももちろんのこと。
過去の自分に向けてへも書きたいと思う。
ただ一言さようならと言いたい。
苦しくて、寒くて、いつも凍えていたような自分を
抱 ....
空の一滴救い上げ
海に返してみたいのだ
昔海には空が住み
お互いを敬っていたのだと
角の家の老人が話しているのを聞いた
今ではもう
空は太陽に引き寄せられてしまっているし
海は地 ....
現実と非現実ならどっちがスリルだろう
現実なら殺されたら死んだまま棺桶と葬式
夢なら殺されても逝き返って目覚めるだけ
汗ばんで動かせぬ体も
意識を取り戻せば動くだろう
現実など見たく ....
扉を叩く朝
大きな日に泣き虫が止まる木々
緑の葉を食べたあの子を
どうか罰しないで欲しい
昨日降った雨が
あの子の心を食べて
月になり太陽になるころ
愛しい愛しいあの子は
緑の ....
外の世界は危ないから僕はここにいる
小さな鳥かご
もしも きみ が それを笑うなら
ぼくは きみ を 殺そう
君の笑い声が僕の世界を壊すから
壊されてしまうまえに
君の声を ....
白いシーツの海にダイブ
陽だまりの温もりに沈みこめる
見上げるのは白い天井じゃなく
眩しい光
夜の声を遠ざけて
朝の音を呼び覚ます
煩い小鳥は食べてしまった
緑の蔦は部屋を飲みこんで ....
果てしなき空を旅する流星群よ
僕を導いてくれ
流れ者の旅は続いて行くだろう
星の痕跡を辿る
僕の痕跡
辿れよ
星の子達よ
いつか
辿りつく先は
君達の光でこの夜空さえ
....
水道水の透明
汚れた手の黒さ
とめどなく流れる黒を見送ると
私の手にはもう何も残っていなかった
蛇口を捻り透明を消すと
最後の黒が去って行った
肌色だけの手が
気持ち悪くて
....
逃げ出したくなる
足は何処までも走れるから
君の暴力は痛くて悲しいから
逃げ出したくなるよ
受けとめた手は血だらけさ
分かっているよ
受けとめた手の傷は
君の痛みを加速させるだけ ....
流れる空が歌う
消えて行くのは雲のほうだと
波打つ海が歌う
消えて行くのは魚のほうだと
見えないものすべて
人の思いで出来ている
形成された形に名など付けないでくれ
形の無いモノ ....
意味の無い涙が流れている
君の流す涙の美しさ
君は知らないだろうな
悲しみで歪んでしまった顔
君の感情をぶつけられる感覚
それがとても心地が良いこと
君はしらないだろうな
優しく ....
冬の夜の空気と吐息は
僕に遠い記憶を思い出させる
親と喧嘩して裸足で飛び出した日
僕はこの空気を吸いやはり吐いたのだろう
友人と朝まで遊んだ日
隣にいる友人を見ながら僕はふと
この ....
羽色の蝶々
はらりと飛ぶのを手で追って
いつも逃げられる
あの蝶は自由なの
そうして生きているの
自由でなければ生きていけないのかもしれない
籠の中の蝶が
自由になれば死んでしまうと
....
例えば、君が泣いていたら。
何となく僕が隣りにいるように。
例えば、君が痛くて泣いているのなら
僕はなんとなくでは君の隣りにいないように。
その雫を掬い取ってあげたい。
この手に ....
帰ろうと思っている
生まれた町はもう無いけれど
君がもしまだ
生きているのなら
全てに見放された君のために
今はただ空を見上げて
帰りたいと思っている
君の、元へと。
鋼の城は崩れ落ち
下敷きになった哀れな鳥と
夢で出会う少女は笑い
空は果て無き慟哭のように
此方をただただ見つめるのだ
この手に力があったなら
この鋼さえ折り曲げて
夢の中の少女の
....
耳を澄ますとね
水の音がする
部屋に一人のときは
それが少し怖いのだけど
誰もいませんようにって
何度も祈るの
信じていない神様にだって
お願いするほどよ
でもその音は ....
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