夜空から吊るされた星たちが
一番白く光り輝く 冬の始まりに
わたしは 一本の細いワイヤーの上を
小熊を抱きかかえて渡っていた
白いネグリジェはバランスをとりながら
ふわりふわりと揺れ ....
とおいとおいむかしから
ほしぞらの中に
ぼくたちは住んでいて
三年にいちど
地上へ水を飲みに降りる時は
ロープを一本垂らし
それを垂直に降り
まる三日間かけて
水場に到着する
....
青いひかり
夏の夜は
青いひかりに
虫たちがあつまり
ばちばちばちと
弾けては
おちてゆく
蒸し暑くて
寂しい夜は
外に出て
コ ....
天上のせかいは
ぼくたちの住む世界の
ちょうど裏側にあって
あちらに行けるひとはなかなかいない
そのせかいは
雲の上とか空飛ぶなんとかとか空中庭園のようなとか
とにかく架空のせかいらし ....
大きな塔の上から
下の世界を眺めると
客観的に
この国は色がないなと思うのだけど
じゃあ、さて色をつけようとしても
センスのないぼくは
きっと、特定の女の子にだけ気に入られるような
....
バターを塗ってちょうだい
きょうもぼく
朝からハチミツレストランで働く
レストランの朝って
きみが思うよりずっと早いんだよ
だってまずは蜂の巣狩りするんだもの
それがぼくの担当
まだ ....
お日様の暖かさって自然と微笑んじゃうね。
わたしは今、たくさんの国を巡り、たくさんの卵をみつけました。
相変わらずいろんな色、形や大きさの卵たちを見つけては、
写真を撮って、集めて、そしておいし ....
浮遊する
旅に出る
ひとりを逃げる
暗いとこからお月様をみる
お星様と電話する
猫ごっこをする
紫に赤と黒を足すと黒くなる
をやめる
紫をすみれ色にする
春への近道をみつける ....
なんとなくなんだけど
窓を開けるのが怖くて
窓は全部額縁で隠したの
ほんとは外を見たいし
日光浴や散歩もしてみたいけれど
まだ怖いから
かわりに
昨日窓 ....
好きなものってないのよ
頭にはつねに飴玉が詰まってて
集中なんてまるでできないの
猫が連れて行かれて
缶詰がまだたくさん床に積み重ねられたまま
あなたを待って
それがどんなに意味のない ....
彼女が吹いたトランペット
物凄く巨大なその音は
わたしが造った鏡面加工の部屋の中
天井のお空に幾度もぶつかり
わたしが散りばめた
ガラス細工の星々は砕かれ
わた ....
赤と青の夢は
光を含んだ夜の町へ
門番は猫になり
月を三日月にするため
爪を研ぐ
削り取られた月の粉
赤と青を包み込み
夢は一層夢となり
あの人は見えなくなった
そし ....
不思議なことは
突然やってくる
フラミンゴのかたまり
うすももオレンジのかたまり
が
ぼくの
寝ているのを
上から覗きこみ
横たわっている
ぼくは ....
いつの間にか僕は
夢の中でさえ
汚されかけていた
吐いている暇もないくらいに
大したイメージも浮かばないのに
鼻歌して
その気になっている
『咲き ....
大気中に漂うチリが埃が
水中に潜むバクテリアに
恋をした
月夜に泣いていたわたしは
雨を降らせ
あなたたちをひとつにする
そうして世界がひとつになるのを
とお ....
床に流れてくわ
わたしの液体
蒸発して
青く満ちる
うかんだわたしは
ねているよ
万華鏡
おつきさまをみた
おつきさまもみてる
そちらから見た世界はどうですか
くるくるまわっております
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