湿った夕べ
父の洋服をたたむ
生前の匂いは嫌いだったが
今では柑橘の香りの中で探してしまう


おいおい、そんなんじゃ
だめだろう


酒と、煙草と、スルメと、深夜
私が刻む単調 ....
眠る街を滑走する孤独
ひたすら消えたくてアクセルを踏む
周波数の合わない感覚
ここに僕はいない
いや、このせかい に
 
渇望感と少しの焦躁
命が巡る、人工的な光
ざらざらと乾いた口内 ....
世界の終わりには
きみに会いたくない

 
私は一人で
近所の河原に行き
滅多にしないゴミ拾いをしたり
枯れた草の上に寝転がったりする
 
赤い赤い空を見上げ
近くのビルから落 ....
 
 
 
 
 
(こえを確かに聞いたのです)
 
黄昏時雨時のころ
ましろな空に描かれたそれは
まるでパステルピンクでお絵描きされた
小さな子供のこころのようで
 
煙草を ....
世界の終わりのパッチワーク
つぎはぎだらけの言葉たち
伝わる振動は
どっかの硝子のまえで消えて
 
点滅した灰まみれの星と
海の底までようやく落ちて
どろどろの瞳でうたいだす
くちびる ....
 
 
おじいちゃんの後ろ姿が
霞んで見えるようになりました
小さく丸まるおじいちゃんは
小さい頃より幼くて
厳格な表情まで
真ん丸の大福みたいになりました
 
時折寂しい声をあげて ....
屈折する光の中で
溶け込もうと腕を伸ばしたのは
過去と未来を行き来する
案山子に憧れてしまったから
 
猫の町は霜だらけで
悴んだ感情を抱き締めるのに温度が足りなくて
なぞりながら捨てよ ....
三十年前
子宮の降下口は閉じてしまったらしい
 
だからわたしはひとりのままで
おてんとさまはつぎはぎで
 
心臓、前10cmの空間で
両手を合わせてほしをみて
 
ここはとかい、 ....
 
私、空を見た
霹靂から覗く一億年の日常が優しい香りになり
ありがたい涙が止まらなくて
つたった 青天の中で笑う
 
冷たい冬乗り越えた
私、になる
ついでに全てを包み込む
少女  ....
 
 
神様の影が
とかげの背中で笑っていた
太陽の光を浴びて
黄昏色になった両手
 
家の垣根を縫って
虫捕り網は無造作に
その、ゆるいゆるい体を
風に晒して泣き出す
 
好 ....
欠落した言葉の答えを知っても
不安定に変わりはない
足枷引いた 午後の街
私の周りだけ、寒い
 
あなたと繋ぐ
高架線越しの体温は
仄かに暖めては
温もりを確実に、消す
 
瞼の奥には
何もかも
楽園 ....
 
神様が死んだ夢を見た
酷く寒い朝で
私の瞳は涙ではりついた
 
窓際からさす日は
いつもと同じで、違っていた
大切な温もりをなくしてしまった
そんな衝動が体を巡った
 
 
 ....
 
 
感性が疲れたと言ったので
七草がゆもどきの粥を炊きました
青菜は塩湯でさっとゆがいて
味付けは質素にしました
 
しゅ しゅ しゅ と
煙はやがて頬の柔らかさになり
静かに吸 ....
柔らかな世界を
忘れたくなったので
アスファルトと
同化する夢を見ました
 
 
たくさんの人に踏みつけられて
なんだか悲しくなったので
あの青い空に
飛んでいってみました
 
 ....
 
 
白紙に滲んだ黒い赤
むくむくと大きくなって
たくさんの物語を生んでくものを
とくり、とくりと創ってく
 
神秘の朝は窓を黄金に染め
鳴いたはずの軋んだ世界を
やさしく やさし ....
 
微笑んだ赤い春が
水槽の底から産まれてきた
 
一日の少女達はまるで
全て悟ったふりした子供
 
 
(静かに)
 
透明感を維持するために
慣れない弦を弾いてく
音にのせ ....
うぐいす色の線を引いて
君に良く似た生き物を書こう
虹色の二時に詰めた薄い憂鬱や
羽音を響かせる蝶番を連れて
 
この世のキャンパスは
まだくもりない君には美しい白に見えるから
世界樹の ....
 
 
午前三時
おれんじ色の世界が始まる僅か前
張り替えたましろな障子に囲まれ
新しい青臭い畳の上で
蛍光灯から垂れた紐の先を
猫のように見つめている
 
断片的な映像が
時折ノ ....
 
 
おれんぢ が
世界を闇に貶める
透明、
水温の上昇
 
どうにでもなれ と
絶望したふりして
カプセルの中で
小指の甘皮になる
 
 
テトラ、
 
 
薄い呼 ....
 
 
君の産まれたその訳を
探す旅がこの人生と
果たして誰が言ったのだろう
 
黄色い砂場で
硝子片を散りばめた
掌の嫉妬
 
欲深い"愛してる"
メランコ ....
砕けたアイボリー
平和な、この世界から
(脱け出せずに)
白黒の斑点
 
澱んだ苔色の空
引っ付いては離れない未来を
どれだけの戯言で埋めれば
救われるんだ、
 
 
吐く息白く ....
 
 
しらんだ空が
産んだ青い退屈
駄菓子屋の秘密
ゆうぐれのすきま
 
纏った仮面を振り回す
夏の日の少年
残像の香りはせっけん
ぶんぶんごま
 
鉛筆を構えるより
丸め ....
延ばした手の隙間が
ぽろぽろと泣いている
おどおどしたのは昨日のこと
今はなにも感じない
 
隙間に有る目は
人と目を合わせるのがこわいのよって
思春期の少女みたいな事を云う
携帯依存 ....
 
 
ノスタルジックな夕陽に
息を吹きかける
 
(あかね、
 
呟いては繊細に笑い
凝りすぎた肩をぐるりと回す
 
過去の残像より
今の空のほうが余程親切で
おーいおーいと ....
明け方過ぎの国道で
辛うじて歩いている
あたしの足は優しくなれているのか
国境を探している
 
壮大なサウンドの中
口ずさんだ蛍光灯
静かな空気が痛みに変わる
地平線はどこにある
  ....
 
 
鮮やかに彩られた鮮明なキャンバスに
生きる君
蝶より儚い蜉蝣だ
白い手首にずっしりと
筆先を落としたがる掌が
 
(ちらちらと
 
 
冬の雪は冷たすぎると
呟く君のホ ....
 
 
シとドの間の秘密
密林の光を探す処女
口笛は
美しくもはかない時代の産物だと
誰かが呟いた
 
永遠を笑うこどもたち
中指は輝きながら点滅して
たくさんの蛍を呼んだ
 
 ....
 
 
両手で縁取った
自分の一部が
さらさらと溢れた
珊瑚の海
 
証明は
確かにここで
叫んでいたはずだ
鳴り止まない頭痛の合唱隊
落ちた眼球達
 
 
(ああ、愛 ....
 
 
淡い群青の海で
君は溺れる
カタカナ表記の僕ら
未熟な青年果実
病むときもあるのさ
電工掲示板みたいな孤独
握る握る未来
とか
 
ミルク色の憂鬱
シャツのワールド
 ....
黴臭いなにかに誘われて
踊り出た夕闇、上弦の月
静かに静かに
子守唄を唄う乳母の横を
ちいさな孤独が通りすぎた
 
(それは駆け足で
(夏のにおいがした
 
 
てらてらと蛍光灯に ....
ゆるこ(181)
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