見知らぬ少女
素敵に涙を流して
「私を愛して」
と叫ぶ
激しい雨の中
冷静過ぎる頭が
鼓動の数を数えている
早くなる朝が
ゆっくりと通り過ぎる夜を見送って ....
心の中では頑張れって言っている
でも言うだけで
無意味な質問を繰り返しては
自分を嫌いになっていく
鏡に写った自分は
いつかの自分よりも歳をとっていて
素直さだけ忘れてきたかのように ....
わからなくて良かったもの
少しずつわかってしまって
真っ暗だった視界に
(どこからか)光が差し込む
それは、そう
決して望ましいことではなく
けれど、そう
概して ....
下腹部の痛みに眉をしかめて
それでも込み上げる愛おしさを
私はきゅっと抱きしめる
漂っている海は
段々と狭くなっているでしょう
内なる世界は見えなくても
感じることはできてるの ....
頭痛の理由は
きっと記憶の右裏にあって
鎮痛剤は捜し当てられない
迷路を更に複雑にした
毛細血管の集落で
私は愛してるを
どのくらい循環させられるの
耳から ....
指の動きでドレミを造った
見たことのない音
奏でることに夢中だった
何に夢中なの?
そう聞いて返ってきた言葉に
私は膝を抱えた
寂しいからじゃないよ
....
物足りない
もどかしさを
誰かに拭って欲しかった
甘えた声の行く先は
ただの虚しさだなんて
愛してるを言えば
頭を撫でてくれたから
私はにゃぁと鳴く
猫にすら憧れた
....
死にたい と
高齢社会に溶けた脳で
夏の高い湿度の中
叫ぶ
肌にまとわりつく
生き甲斐 は
段々と煩わしいものになってゆく
短い命で
生きることを精一杯謳う
セミに ....
目を覚まして
つけっぱなしの電気に
駄目駄目と首を振る扇風機
頭上ではコンポが唸ってる
抱かれない抱き枕に
足だけ投げ出して
ヨガのポーズをとってみた
ちょ ....
泣きたい程のマリンブルーに
笑っていられるようワインレッドを
飽和するくらいまで混入したら
遠い地に足をのばそうか
そんなに見ないで と
自意識過剰が騒ぐから
地下 ....
タオルケットに包まれて
ひとつ
大きな夢をみた
色は 知らない
音は 要らない
そんな
ただぼやけた場所
温かい
夢だとわかっていた
から
....
僕のちっぽけな呟きで
ひとつの世界が死んだ
なんにも、してないよ
言い訳にすらならない
そんな早口言葉並べて
嘘なんかじゃ、ないよ
どこからが間違ってて ....
何時だってそう
嫌なことから逃げて
部屋に引きこもり
ベットに寝転がり
何もしたくない
この一点張り
そんな中で
....
沢山 沢山
愛でた花は
いつの間にか
僕の身長よりも
伸び て
初めて買った
赤いガーベラのように
僕の右眼は紅くなった
細かな艶やかさを
「綺麗 ....
まばゆいばかりの酸素に
唇を押し当てて
小さな喘ぎを零しながら
私は生を感じる
生温い風が
吹いている時は特に
窒素と二酸化炭素の分離
あぁ
呼吸してる
....
いつまで経っても動くことのない
「もう一度」
を求めながら
僕は夢遊病者のように歩くよ
てとてと、と踏んだ畳には
陽にやけた跡が真新しく
そこにあったある物を思い出させた
....
愛したいものがそこにあります
守りたいものがそこにあります
だから私は泣くのです
離れないでと泣くのです
愛していた場所はここです
守りたかった場所はここです
だか ....
あか
だった
ただそれだけを塗りたくって
自己主張の連続
(幸せになりたい)
あお
だった
ただ澄み渡る青空のように
美しさ演出
(笑ってい ....
爪先で
ぐんぐん進む兵隊さん
胸先に
ばんばん撃ち込む銃弾くん
脅えたあなたは
「はい」
を言って
(無理矢理と思わないで)
勘違いの鬼は
「だめ」
を与えた
(我が ....
ざらついた視線に
一雫を落として
クローゼットの横にいる誰かに
「こんばんは」
乱雑に置かれたぬいぐるみの
大きな瞳にも息は宿って
カーテンから漏れる光に
時間差の
「こんにちは ....
貴方の呼吸が掠めるだけで
私の芯は熱を増す
もどかしい想いに
指先が悩ましげ
貴方が瞬きをする瞬間で
私の奥は影を作る
はやりだす想いに
唇が熟して
....
構って欲しい欲求が交差して
母さんへの手は今日も降参した
毎晩割り箸の音が窓を叩く度
そろばんで計算したお弁当の旅
泣きたくなるね
帰って来てからの第一声が
....
愛して ほしい
信じて ほしい
求めて ほしい
笑って ほしい
泣いて ほしい
感じて ほしい
怒って ほしい
言って ほしい ....
涙堪えて
傷み続ける心があるなら
ここに 心を
力いっぱいの否定
それは時として肯定
心を ここに
ほぅら、おいで
よしよし
って
してあげ ....
女の子は、言いました。
「おそらがね、ないてるの」
青く、晴れ渡った日のことでした。
「かわいそうだから、えがおにしてあげるの」
得意げにクレパスを掲げて
リボンふり ....
どっかーん
原爆投下
降る 震 奮
黒い雨さえも
命ある証拠なの
ちゅどーん
原爆投下
泣く 鳴く 亡く
赤い地面からも
....
沸騰させ過ぎて死んだ
白血球と赤血球が
私の掌で涙を流していた
お墓をつくってあげる
と
火をつけたはずの私が言うから
組織液まで煮え繰り返ってきた
真夏日が続く
そ ....
そっと抱いた人間模様
水玉
しましま
いやいや
そんなもんじゃなくて
優しく撫でた人間模様
ドット
ストライプ
いやいや
そんなことでもなくて
....
縮れた髪をくしゃくしゃと
(握って)
鼻先にかかる枝をぶちぶち
(伐採)
愛車の前輪がパンクしていたから
いつもより30cc
汗腺からの放流
このまま海へ続く
....
泣きそうなくらい明るい夜には
いつもは蹴飛ばすだけの布団を抱いて
点けていないと眠れない豆電球を消して
音量最小のコンポで
胸に微震を送って
揺られた感覚になろう
目を開 ....
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