私が私で
あるがままの
私で
そうやって
生きていける日が
いつか
やってくるのか
泣きたいときに
泣いたり
怒りたいときに
怒ったり
楽しいときに
笑ったり
誰もが
そうして
行きていけ ....
もう
いっそ
ふたりで
涙を流しあえば
透明に近い薄青い水
もう
いっそ
ふたりで
地を蹴って
空へ飛び込めば
パウダーブルーの空
もう
いっそ
ふたりで
絡まって ....
なんて残酷なんだろうぼくは
なんて卑怯なんだろうきみは
これが最後のディナー
何十回もした
ふたりきりの食事
締めくくりのデザート
サヨナラを言わなきゃいけないぼく
サヨナラを待っているきみ ....
なんて
すがすがしい
朝の風
病院の
小さな中庭にも
そっと秋が
しのびいってる
芝生に寝転んだら
空も高く
パウダー・ブルー
眩しくて
こんな日
生きてる素晴 ....
それぞれのひとが
それぞれの窓から
明け方の空を
見ている
おはよう
あの色に
収斂されていく
美しさに
騙されて
あのひとに
会いたくなっていく
病院の朝食のバン
焼いてないし
おいしくもないけれど
このパンを
食べるしかない
選択の余地など
ない
好きなひとに
好きって言える
余地もない
独り
想いを募ら ....
コトバでは
言いきれない
気持ち
また夕暮れが
きた
今日も
あなたに
会えない
会えても
どうにもならないことくらい
わかっているのに
ね、
だから言ったでしょ。
痛い思いするのは
あなただけだって。
あなたは
わたしを
抱きしめることさえ
できない、
手折ることさえ
できない。
さよなら。
背をむけて
去っていくあなたより ....
あの夜
ふたりで
約束したね
満ち満ちて
まんまるな
お月さまを
証人にして
約束は破れて
遠く遠く
はるか
なつかしき場所へ
そんなことも
きっとあのひとは
忘れてしまって
わたしも
しばら ....
こんなそらは
ボクには痛い
優しすぎて
こわくなる
抱きしめた感触
サヨナラのすべて
思い出して
こわくなる
こんな
羊雲は
あなたは
この道を
ふたりで歩こうと
言ってたのに
嘘つき
でも
嘘つきは私
そんな日がくるなんて
信じてないのに
微笑んで
頷いたのだから
赤い靴を履いて
待っているの
もちろん
異人さんを
水面は
揺らめいている
でも
その下は
沈殿して
何かが蠢いている
今にも出てきそうに
だから
誰か助けてくれないかな
異人さんじゃなくてもい ....
霧雨が
降り続いて
やわらかな
ミルクいろに
包まれる
忘れてしまおう
どうせ幻なら
あのことも
このことも
あのひとのことさえ
きっと
幻だったのだから
みんなみんな
忘れてしまって
....
今日は
晴れるのかな
こんなに
紅色のグラデーション
でも
一瞬で
きっと
青空になって
ひと知れず
いつもの朝が来る
たとえ
どんな朝でも
いくつものいろ ....
9月の朝
静かに雨が降って
こんな朝
誰かが
大切なひとを思って泣いている
でも
大切なひとは
思われてることに
気づきもしないで
傘なんかさして
朝道を歩いたりして
想いって
ほんとに
届く ....
ちらちら
輝く
確かな夜景
どこまでも続いて
どこまでも
どこまでも
明かりのない
夜の道標
あの灯の下には
人々が暮らしていて
切ない
歩き出すなら
夜がいい
どこまでも
どこまでも
き ....
観察室から
病室に戻った日
夕方
鉛色の空に
虹が出た
儚く
でも色鮮やかで
ガラスのような
こんなに
美しいものが
あるなんて
消えるまで
見ていた
鉛色の空に
滲んでいく
虹を
わたし ....
偶然
この森の小道を
あなたと2回通ったね
真夏
知らない風が吹いて
わたしのワンピースの裾を揺らした
でも
あなたは
あなたのままで
この想いは
きっと
いつまでも ....
光が
満ち溢れるまで
あと
数秒
人々は起き上がり
大きく
伸びをするだろう
ついでにあくびも
昨日の夜
泣いたことなんて
まるで忘れて
走り去る緑
水田は
鮮やかにきらめいて
遠く木々が
燃え立つ
なんて
真っ青な
そら
これが
最後のドライブなら
そう言ってくれれば
よかったのに
梅雨と真夏の狭間で
紫陽花が耐えている
真夏の青空の色を湛えて
夏が来るのを
待っている
色はだんだん
褪せていく
散りきるまで
もうすぐ
深夜のファミレス
メロンソーダ
人工的なグリーンが
光を集めて
輝いて
私は
自分の席の話題に
ついていけずに
(バイクや車の話ばかりで)
辺りを見渡す
端の席に座っている ....
いつの間にか
色づいていく
さくらんぼ
眩しくて
さくらんぼ
ペアでなると
思ってた
そうでないのが
悲しくて
もう
二度と会えない
あのひと
今どこかで
空を見上げてればいいのに
音もなく
密やかに
こころがひび割れていく
絶望じゃない
そんなわけない
でも
それに似た何かが
ひび割れたところから
こころが、
染み出していく
たぶん
こころ ....
ゆっくりゆっくり
暮れなずんでいく
太陽が
月に
主役を譲ろうか
考えている
街は戸惑って
モノトーンになって
こんな夕暮れは
誰かといても
淋しくて
色とりどりの
小さなラムネみたいな
味だって
悪くない
ほんのり
甘くて
でも
これは
魔法の薬
ちゃんと眠りに
導いてくれる
ラムネみたいに
甘い夢を
見せてくれる
わけではないけれど
こころの扉、
ひとつづつ
鍵をしめていく
このままでは
あまりにも
辛いから
ひとつづつ
丁寧に
鍵を集めて
けれど
きっとそれは
忘却にもぎ取られ
探すことさ ....
思いつめていた
ぼくは
天界と地上を
さまよう
こころの中で
これ以上は
もう
これ以上は
猫は
ぼくのそばを
離れない
死の匂いを
嗅ぎとって
窓からは ....
たくさんの
小さな花
どれもみんな
上をむいて
咲いていて
私も
上をむいて
歩こ
上をむいて
歩いて
いこう
ふわふわ
まんまる
真っ白な
チーズケーキ
フォークがゆっくり
沈んで
私の秘密を
ブルーベリーは
きっと知っている
ゼリーが光を
反射して
チーズケーキ
....
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