久しぶりの屋台
2人で食べるお好み焼きひとつ
分け合ってあつあつを頬張った
マヨつける?
ソースもっとかける?
何気ないことばも
すごくあたたかで
こんな瞬間
あっとい ....
遠く
遥かに
蜃気楼を見たようなそんなグレイの記憶ばかりなのに
突然蘇る
カラフルすぎる
思い出
あまりにもリアルで
あまりにも鮮やかで
だからわたしは
こころ鎮めて
そっと引いたおみくじは
大吉だった
「清風朗月一銭の買うを用いず」
清々しい風や美しい月は、何時でも何処でも手に入れることが出来る
気になる恋愛運は
固い絆で結ばれる相手があらわれ ....
こんなに
たくさんの
人混み
やさしく繋いだ
手と手が嬉しくて
はぐれないように
離れないように
コンビニに
止まった
大きなトラックから
油が滴り落ちて
なんてきれいなんだろと
一瞬立ち止まる
けれど
美しき虹も
結局は自然破壊でしかなくて
見惚れた自分に
苛立ちを感じる
この
とめどな ....
雲は水面(みなも)空に浮かぶ水たまり
細かな細かな水滴が
集まって雲になり
時にはさざ波
風に揺れて
風に吹かれて
真っ白な
水たまり
空を見上げて
雲を深呼吸した
やっとなついたグレイが
背中をまんまるにして
竹輪を食べている
冬のおだやかな昼間
あたたかな日差し
どうか
この子が
元気に生きていけますように
わたしは祈りながら
日々の糧を
少しずつ与える ....
大っ嫌いって
コトバ
ほんとは
大好きの
裏返しなの
清らかな
真っ白な雪
初雪よ
かよわき
そして
美しき
小さな花に
降り積もる
残酷なようでいて
それでも
花は
しゃんと咲いていた
すべて
目に見えるもの
すべて
覆い隠してくれる
初雪よ ....
あの雲の陰に
今年はじめての太陽
あけましておめでとう
太陽が
顔を出すのを
待ってる
お祈りするの
今年は
誰もが
笑顔でありますようにって
暮れゆく夕方
薄墨色のそら
街はきっと
賑わっていて
病室のわたしには
届かない
また一年が
過ぎていく
そのことが
こわくて
新しい年が
こわくて
で ....
いつものように
暮れゆく
おだやかな夕
なにもなかったようで
たくさんのことがあったようで
今年よ
さよなら
みんなが
誰もが
穏やかな新年を
迎えられますように
蕾のままで
生きてくなんて
無理よ、
って
あのひとに
教えてあげれば
よかった
そうすれば
こんなにも
遠く離れずに
すんだかもしれないのに
真夜中
眠らないで
夜汽車の音を聴いてるの
羊が何匹飛んだって構わない
みんなが寝てるのに
ひとり起きてるのって
いい気持ち
あたしは
あたしを探す
どっかに置き忘れた
....
聖夜を照らす月は
赤く
まんまるで
今夜は満月
病室に
射し込む
ほのかな灯りは
こころまで
あたためてくれて
メリー・クリスマス
せめて今夜は
誰もが
幸せでありますように
繋がりってものが
時に
ひとを
うんざりさせる
それが
あったとしても
なかったとしても
考えるだけで
疲れてしまうのだけど
虹を渡ろうとした
無理なことは
わかっていた
わかっていたのに
虹色の夢見て
虹色の光見て
わかっていたのに
朝
起きたら
小さな小さな涙を
見た
きっと
その草は
わたしの変わりに
泣いてくれたのかもしれない
秋が遠のいていく
ひとひらひとひら
さよならを告げながら
秋が色褪せていく
もう
冬が来たんだね
鮮やかな秋は
記憶とともに
遠のいていく
喫茶店で
あのひとが
煙草をもう1本
取り出すときの
しあわせ
あまり
早く
吸わないでね
一緒の時間が
早く過ぎてしまうから
そしらぬ顔して
そんなことを願う
帰り道
あのひとの吸ってる
....
薄暗がりに
そっと開いた蕾
もし
陽がさしても
閉じないで
こころ
開いて
素敵な
笑顔を
見せて
深い赤と
鮮やかな緑
クリスマス・カラー
今年のクリスマスは
きっとこんな感じ
色鮮やかで
ピリピリ辛くて
枕灯を見上げて
思った
こんなに
近くにいるのに
こんなに
遠い存在
あのひとの
こころの中に
わたしの居場所なんて
ない
わかっていたのに
もう
....
雨の日のサンドイッチは
うらぶれた
寂しい味がする
陽のひかりの香ばしさもなく
曇り空の憂鬱もなく
ただ
寂しい雨の音を聴きながら
わざとだらしなく
窓際に腰掛けて
脚をぶらつかせて
雨の日の ....
閉まらない
ファスナーのように
こころが
溢れだす
バッグのなかの
たくさんの気持ち
流れだすまえに
あのひとに
知られるまえに
早く
ファスナーを
閉めなきゃ
空への
グラデーション
高く
高く
空へと駆け上る
色たち
色たちは
朝焼けに
夕暮れに
暗闇に
姿を変えて
また現れる
いつかまた
会えるの
壊れやすく
繊細なこころも
美しく
色彩りな気持ちも
やがて
同化してしまうのだろう
この
落ち葉のように
どこか
奥深く
魂の底に
初めて見る
しろいまんまる
食べてみると
意外においしいよ
きっと
じっと見てから
子猫はそっと
近寄った
わたしも
知らないだけで
「オイシイ」もの
たくさんあるのかな。
あのひとの
ことばが
こころに
模様を作っていく
雨の模様のように
消えることはなく
それは
深く沈んで
わたしのなにかを
形づくってゆく
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