ふたり帰り道
一緒に見たね
寒くて
息が白くて
体を寄せ合った
ほのかな暖かさ
いつか
一緒にみた夕陽
今は
ひとりで見てる
霙がふって
風の強い昼に
やっと起き上がって
窓の外を見ることができた
覚えてるのは
何ヶ所も
縫いあわされた痛みと
胃洗浄の苦しみだけ
でも
虹を見たよ
ほんの晴れ間に
くっきりと大きな虹が ....
暗闇の中
天使が羽を広げて
きらきら粉を降らせた
あのひとの上に
見えないエンジェル・ダスト
あのひとはかがやいて
わたしは追いつけなくて
そして
わたしは
路上で
売 ....
もう秋は
色づいて
一枚の葉でさえ
何色にも
わたしのきもちは
あのひと一色
あのひとのこころは
何色にわかれて
冬の朝
あのひとを
ミルク色の息が包んでいた
わたしがだんだん透き通る
あのひとを
あたたかいブランケットで包みたい
わたしがだんだん透き通る
わたしがわたしじゃなくなっ ....
夢かなう
なんて嘘を
言わないで
ベッドの柵は
覗けば
底が見える
こころの底は
どこに
っておもうことが
まだ忘れてない証拠。
もう忘れちゃいたいのにな。
私はあなたを
見つけられるよ
いっぱい
似たひとがいてもね
巻き戻して
巻き戻して
いつか
あの日に
還れるなら
二人乗りして
どっかいこうよ
秋風を切って
田舎の散歩道を
きっとそのまま
違う世界に行けるかもしれないね
バナナは好き
甘くて柔らかくて
でも
人前で食べるのは嫌い
なんだか
猿になった気がするから
丸い月が
見下ろすこの街を
わたしは
愛する
あのひとの
生まれ育った街だから
ほかのひとはだめ
でも
待ってるひとは
なかなか来ないの
あのひとを探して
森の中を歩いた
暗い枝から見下ろす鳥たち
夜陰のなかで
ひそひそ囁く
動物たち
時々
ざわめく木々
あの家の中に
あのひとがいる?
月はな ....
救急病院
年配の女性
無理な笑顔で処置室を出てきたそのひとと
隣り合ったレストランで
偶然向かいの席でまた会った
女性はコーヒーを頼んだあと
ハンカチを取り出して
目 ....
夕と
夜とのはざま
ラベンダーの空に
すいこまれないように
ちゃんとわたしを
つかまえてて
バスがほしい
だいすきなひとだけ乗せて
あのひとに運転してもらって
持ち物は
あたたかいブランケット
バスケットには
おいしいお菓子やパンや果物
シュワッとする飲み物入れて
....
そのコスモスは
あくまでも
白く白く
汚濁されない
透明な白さ
どんな色にも
染まらず
白いままで
凛として
強い
いかに儚げでも
季節はいつも駆け足で
先へ先へとすすんでいく。
知らぬ間に、
わたしを置いて。
月がのぼるころ
あたたかな屋根の下で
ふたりすごしたい
言葉なんて
いらないの
ただ寄り添って
手をつないで
眠るまで一緒に
夏が
折りたたまれていく
秋に座を譲る
夏の気持ちは
今年の夏には
もう二度と会えない
こんな風に
向きあえる日が
来るかもしれない
いつかはわからないけど
その時を願う
結果はどっちでもいいの
見渡す限りの
コスモス
白や桃色
深紅や黄色
わたしのきもちみたいに
入り乱れて
でも
もっと美しくて
とてもいい香りがした
コスモスを
深呼吸
この秋を ....
あたしだって
きもちとことばは
裏腹
ほんとはね、
なんて言えないの
繊細な
レースのように
張られた
蜘蛛の糸
雨粒が
ちらちらと輝いて
小さなガラス玉みたいで
でも
まん中に
鎮座する蜘蛛にとっては
今日は空振り
雨粒だけが
今日 ....
四つ葉のクローバーを
探していた
すきなひとに
あげたいと思って
見つけた、と思ったら
ひとつおまけがついてた
これって幸運?
受け取ってくれたひとは
喜んでくれた ....
やわらかな
そして
荘厳な
秋の朝の訪れ
馥郁たる
透明な風を
長く長く
息を吸い込んだ
インディアン・サマーの風を
深く深く
遠く離れた
乾いた草原の風を
感 ....
暗闇
夜の間に
泣いた?
朝露になって
きらきら光る涙は
もうすぐ
こぼれ落ちそう
もう泣かないで
朝がきたから
あのひとの
気持ちみたい
乾いてるとこ
濡れてるとこ
陽の光で
輝きで
よく見えないけど
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