雨粒が
なみだみたいだなんて
陳腐ね
とても
雨滴も
落ちてしまえば
ただの雨水
なみだだって
たぶん
ひつじ雲見上げて
ずしん、ときた
そっか
会えないって
こういうことなんだ
一緒にこの空を
見上げることさえ
できないんだ
この空の下で
あのひとは
わたしの知らない
....
早くはじめなきゃ
悲しみのレッスン
早く覚えなきゃ
忘却のレッスン
傷がまだひりひり痛むけど
ほかの誰かと笑ってると思うと
まだ胸が痛いけど
笑うと眼尻にしわが寄る
あ ....
秋祭りの
準備が始まる
まだ
夏は終わったばかりなのに
まだ
夏の名残が
消えないのに
季節は
私たちを追い越し
先へ先へと
すすんでいく
あなたが
「疲れてない?」
っていえば
Yesって答えるよ
ちょっと疲れててもね
あなたが
「焼き肉食べない?」
っていえば
Yesって答えるよ
あんまり乗り気じゃなくてもね
....
そっか
もう
ダイエットなんて
しなくてもいいんだ
ぶくぶくに太っちゃっても
いい化粧品を買わなくてもいいんだ
きれいになるように
肌の手入れをしなくても
おしゃれもしなく ....
いつか
飛びたてる日が
くるのかなあ
今は
枝が覆って
少ししか見えない
青空へ
何もかも脱ぎ捨てて
自由な光へと
夜が
おいでおいでと
わたしを{ルビ誘う=いざなう}
いっそ
夜に溶けてしまってもいい
夜に溶けて
とろけて
闇になる
それでも
月には
届かないのだろう
月 ....
ベンチは
座ってくれるひとを待っている
そこに
在り続けなければならないから
誰も座るひとが
いなくても
憧れは
影も落とさず
夢は
薫風のように漂う
想いは
霧のようにつかみどころがなく
諦めだけが
地底を這いずる
日々
記憶さえも
消えゆく
微かな光も射さ ....
遠い海から
知らない仲間と
ここまで来ちゃった
場違いでごめんね
仲間がいなくて
僕だって淋しい
だから
お箸でよけないでね
くしゃくしゃの糸のように
こころが縺れる
ほどきようもなく
切り捨てる勇気もなく
こころは縺れたまま
苛まれる
秋に拾う貝殻は
なぜか哀しい
貝たちも
その海底で
小さな泡をながめたことも
あるだろう
射し込む光を感じたことも
いまは
生命も抜け落ちて
拾った貝殻を
わたしは持て ....
まあるい電灯と
少し欠けたお月さま
まるがふたつ
あのひとは
わたしのこと
もう忘れたかな
いちめんの
蓮の葉が広がって
朝靄色の花が
点々と咲いている
蓮の花には
仏様がおられるらしい
眼を凝らして探したけど
わたしには見えなかった
きっと
ぶらりと
散 ....
今
空港にいるよ
あなたは
どこにいる?
濃密な数ヶ月のあとの
いとしき時
さよならから
じくじくと
痛みが滲み出て
せめて
飛行機に乗って
遠く遠くに行きたいな ....
人工の光に
月の灯も跳ね返る夜
微弱で脆弱な
こころの明かりは
それでも柔らぐことはなくて
この眼では
見えなくても
想いにふけるきみに
話しかけられない夕
ぼくらは
そっと夜を待った
この空の向こうに
一体何がある?
ゆめのなかでさえ
あのひとは後ろ姿で
いつだって
後ろ姿で
ゆめのなかでさえ
好きとはいえなかった
あのひとの抱きしめたぬいぐるみを
大切に抱きしめて
ぬる ....
渡すまで
気づかなかった
2と3を間違えてつけたケーキ
隣あってたから
間違えたんだよ
なんて言い訳を
笑って聞いて
おいしいって
お世辞言って
ろうそくは
点けず ....
橋を渡ってきた
いくつもの
橋を渡っていくのだろう
これからも
その先に
永遠の故郷があればいい
心の居場所の
はじめて
下の名前で
呼んでくれたのは
去年の秋、
その記憶も
朧気に揺れて、
紅色に
蹲る
きらきら
水の粒が
きらきら
きらきら
光の粒が
きらきら
きらきら
お互い
そうじゃないと
わかってしまった
だから
きらきらに
閉じ込めて
きらきら
もう何も言わないで
きらきら
見つめて ....
もう高くなったそら
だれかに呼ばれてるようで
だれかを呼びたいようで
なにかを忘れたいようで
なにかを思いだしたいようで
想いを全部
捧げたい
高くなったそらに
そ ....
真っ暗な夜空に
月が顔を出した
月のない夜空は
少し怖くて
笑顔のように
ゆっくりと
月が出はじめた
明日は皆既月食
もしも
ほんとに地球が
月を食べちゃったら
悲しいね
月のうさぎも
いなくなっちゃう
夜空に光も
なくなっちゃう
願い事も
できなくなっちゃう
....
堂々と
真夏を誇った
向日葵が過ぎ
いつの間にか
ひそやかなやさしい
秋桜の花が咲きはじめた
季節が
かわっていく
止めることは
出来ない
誰にも
晩夏。
夏も夜を迎える。
眠りかけた夏の夢に
眼を醒ました秋が
そろりそろりと
忍び入って。
とんぼが舞い
夜の虫の音も
秋に変わって
朝の珈琲も
アイス・コーヒーでなく温かい珈琲に
ゆるやか ....
松ぼっくりも
気づかないうちに
こんなに大きくなっていた
ほんとに秋がくるんだ
黄金色の秋が
色づく秋が
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22
0.16sec.