つつじの色が かおる
太陽はもう ますます赤い
濃い影を 引き伸ばすのは
夕暮れ
人々の足は 軽やかに家路へ
山際に迫る日を追い越せ
あぁ、あぁ
窓の外に
まとわり着くよう ....
春の日に 知らない色を びりりとやぶり
ただあかく塗り潰し
集めて君に突き立てて
これでも浮かれるかと問う
君 くろい髪ばさりと落とし
あか くらり
うすらいで
は ....
公園ベンチの裏にして
月光こぼれた
のですから
例えばこのマンホール
つまりは東京くるぶしも
ぐぁぁん
響くわけですよ
ひざが笑っておりまする
それでもステップ踏みませば
....
娼婦の夢あてがう
ひと肌の恋しさ
蛍光灯
コンクリートで
青い影焼いた
泣くのではないよ
どうせ凍る
なら
くるぶしまで熔けた
あの発熱を
思い出せばいい
まどろみに
サイレンはやみまして
午前二時は
時計の音が迫るころです
わずかばかりの寝息が
胸にかかれば
布団かけなおして
あのこと
あやまって
ゆるされる気でいるのです ....
ビニールの傘持って
忍び寄る夜から逃げて
敷き詰められた落ち葉を蹴って
去って行く夕日を追って
彼女は暗い森の中
ビニールの傘差して
溢れそうな涙こらえて
そしてタバコに ....
あるいは儀式のある世にて
貴方と向かい合って誓った
として
何を?
恐らくは
くるぶしが溶け合って生まれた
ということ
を誓う何に?
分かたれた孤独に
もしくは
私という資 ....
わたしはここに沈む
まぶたの裏は灰色の海で
ちるちると底に
触らば 消え
浮かば 嘘か
振り返らば
あぁ
いとおしい
君の背骨
いま
この息とめて
心臓ころす ....
ニヤニヤ唇をひいて
太陽が愛想振りまいて
押し付けるんだ
「特別なことを やりなさい」
茹だった脳で
盲目の夢
誰も
みて
いやしない
夏の
隙間
みてよ
首をねじる扇風機と
汗すったシーツ
狂態のあえぎは
つきぬけたら青い
あの
からみついた朝顔は断ち切られた
祭りの花火は左胸に
まだ赤いけど
いってしまった
追いましょう ....
ふつり とした暗転の前の
うす紫の怪しさに急かされて
どうしようもなく
閉じられる太陽
月はさわさわと 触手を伸ばし
柔らかい発狂の 熱病を運んで
貴女を侵してゆく
腕 ....
ねぇ
新緑は じりじりと
祝福の顔をして嘲っているよ
神の視点で
皮肉を吐いて
ひかり睨み
盲た君を
帰省して夏
やつの父いなかったから
急いで帰って喪服着て
線香あげにいった
ら相続税とか保険金とか
やつ大人にしてた
香典とかで
わたしら少し大人して
香典返し ....
言葉 と 言葉
約束 と 約束
サヨナラ と サヨナラの
透明な隙間を
満たしている何か
絡めた指の
違和を消して
満たすための何かを
火を噴くようなトランペット
きみに捧ぐ
向から覗く間に
吸い込まれるよ
暗い穴から通じろと祈るよ
だから
引き金を引いて
きみを起こすよ
秒針は
薙ぐのではなく
背後から偲んでつらぬくのです
切っ先に
僕の血をのせて
それを
みらい と言うのです
僕はそれを追うのです
くそくらえと
吐き捨てて
....
寒風が追いやって
落下する陽は
屋上から見える
十字架の影に
もえている もえているのだ
あの方角に
確かにいた
小さくて熱っぽい
手が
いま またしても
握 ....
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