与えられたものは何でも口に
鳴り止まない耳の奥
張り詰める神経
肌を走る痛みで全て忘れそうさ

可哀想にと蔑んでくれ
低音の呟きを背中に落とされれば
どれほど楽になれるのか  ....
真昼の夜の中
並べられている標本
椅子に縛り付けられている私には名前が無い
視界は隠されてネジを巻く音がする

12時の鳩時計
暗さとは無縁のはずなのに
繰り返し繰り返し
 ....
未遂なら終われない
揺るがない覆されないなら
きっかけを過失にして
なし崩し的に削ぎ落とすから

君が楽しむそれは
想像造形の箱庭
若葉で埋めた奥底の小さな鍵穴
その先に ....
送り出してくれたその声が
根付かせずにここから切り離してくれる

反響する言葉
足らないから美しい
補いが妄想だとしても
満ちているこの感じは紛れも無い現実
いいでしょ?
 ....
窒息目的の答えだから
踏み千切って
浅海色の空へ投げ散らかした
嘆くことにも好くことにも疲れてしまった私は
澱んで溜まって
イタズラに腕を掻く

  6
 5
4
 ....
いっその事
責めてくれれば楽だったのに


きっとここは器の中
さほど大きくない器の中に私は居て
蓋が閉じられた状態を夜と呼んでいるだけ
暗闇の中でも動けるのは知覚が生きている ....
ぴったりと纏わり付いて拭えない匂いに
いつからか執着している
往なすのは衝動であり欲望には素直な態度
君が言うその
自然体とかいう三文芝居に惑わされてみる

齧った林檎は粉になっ ....
食べかけにしたのは飽きたから
ワガママな性格を許してよ
よく笑うのはよく笑う娘を可愛く思えるから
本質?裏側なんて汚いだけ
甘美な人が何よりも好きなだけ

弱さを売りにするつもり ....
背中を通して響く声の揺らぎ
どこかで聞いた懐かしい声
春の夜は人が消えていく

暗示をかけられたい
風の強い日に何もかも忘れる暗示を
薄れてまともじゃない視界の中
散々見てき ....
塀をよじ登ったあの頃
見上げた空は高くて弓なりで
靴紐が解けても気にせずに騒いでいた

夜は嫌いでつまらなかったから
下らないこと考えて過ごしていた
虫の鳴き声にばかり耳を澄まし ....
正直に言ってしまえば
怖いのは他の誰かじゃなくて
この体に住んでいる誰か
それは強引に見せつけてくる
誰よりも知っている誰か


今日、見下ろしたよ
剥製、鳴いていたのはい ....
空色が渦巻いている
ぬくもりは見知らぬ場所から訪れて
迷子になった今でも辿ることが出来ている

日々は名残惜しさで溢れていて
繋げない肌と肌に
湿度を奪われそうになっていた
 ....
今まで触れた事柄は
次から次へ流れてしまい
今は無風の中
何も感じられないのに
手を探り合っている

ふたりが居た記憶を
僕達はもう持っていけない
かすかに触れていた指先 ....
無いものねだりです
けれどそれを誰に言う?
簡単に投げ出されたって
返す言葉が見つからない

拾いに行けない距離に置いてきた
いつでもその場限りの一時的な感情で
分かっている ....
階段を上る足音は
後からわたしを追い越して行った
想像以上の現実感
ある日、空に見た一つのひずみ
わたしはそこへ近付こうと
高みを探した

見下ろせば
オウトツの街、色彩 ....
思い出せる全てを思い出した
思い残しのないように
音符の雨と鍵盤の大地
楽曲の晩餐が続いている
その日のくくり方を君は聞いてくる
僕は手ほどきをする


悪い夢はもう消せな ....
残して
捨てられなくて
腐らせていく
そんな君が嘆いてる
保存が下手な君が
声にも出来ずに繰り返す

昼が終わったら眠りたい
夢に出てきたあの場所を探している
冷え性 ....
ただ一人
切り離されたように
見知らぬ夜に佇んでいる
塞がったはずの空洞が
胸の中で痛みを生んでいく
足元が掬われる
膝が折れていく

影にいくら問いかけても
返事は ....
手も足も動く
息だって容易いけれど
内側に空いてる隙間から
ポロポロ零しながら歩いてる

誰か叱ってよ
「行儀が悪いよ」って言いながら
それを捨ててくれて構わない
拾えな ....
そして雨が続いた

近付いて耳際で一つの嘘をついて
傘が手離せなくなっていたその手から
力が抜けていくのを見た

瞼を擦って世界を揺らす
誰かになりたいって
誰かも分からず ....
一般的な単語並べたって
理解なんてしてないね
そんなのよりも甘美が欲しいだけ
憧れだけじゃ羽化なんて出来ないよ

表情は美しく心情はひた隠し
知りたがりはそれに執着
僕は今で ....
指で突いて倒れ始めたドミノに
切って配られるトランプの絵柄
外は薄紫に染め上げられていて
伏せられた今は
カタッ カタッ て
倒れる音だけが聞こえている

忙しいけどそれを理 ....
今日は綺麗な日
鳥だって飛ぶのを止めて見惚れてしまう
見たこともない何重もの輪が溢れて
君も僕も体が白く包まれていく途中

そんな事だって過去になるけど
明日までの距離はもう ....
現実が後ろを向いたのは
僕が目を閉じたから
それは造作も無いこと
感情は石のように転がって
悲しめない事に胸が病む

蔦のように絡まりながらも広がって
あんな空も塞いでしまえ ....
淡く澄んだ飴玉みたいに
いつかは溶けて一部になるよ
まどろむ夢と夜の狭間で
在りもしない声に酔いしれていた

君が渡したモノクロームの空想
僕は絵の具でそれに色付けて
羊が騒 ....
注ぐ姿が暖かいのは
優しさが含まれているから
うつむいた視線の先に
想いが溶けこんでいる

蜃気楼みたいに遠くに居るのに
不思議と寂しくない
それは確認できるから
見える ....
浴室ではシャワーが降りしきっていて
その音が続く中
僕は見失った事を自覚する
正面の壁を眺めていた
髪の先から雫が落ちる

蝕まれていく今を
蟻が何処かへ運べばいいのに
 ....
君の親指と僕の親指が身を寄せ合う
床をスレスレに蝶が飛ぶ
窓に張りつけた五本の指が解かれるまでは
外の世界はその手の中に

薄い壁に挟まれた僕らはヒソヒソ話す
水槽の中の金魚が誰か ....
うまく言えないから
靴の先を見つめていた
物思いに更けてばかりで
文庫本も進まないまま
気が桜みたいに散っていく

口癖を真似されて
ぼんやりと指と指を繋いで
不器用な照 ....
君から譲ってもらったのは
淡いグラデーションの空
透明に近いあの感じの中で
僕は気が違いそうになっていく

君から奪ったのは
なんでも飲み込む深い淵
虚ろになることで
許 ....
菊尾(156)
タイトル カテゴリ Point 日付
「妥当な夜」自由詩1*08/1/14 18:07
「地下へ続く夢」自由詩2*08/1/14 3:17
「floor」自由詩1*08/1/13 4:31
「こちら側からそちら側へ」自由詩1*08/1/10 17:28
「既視感」自由詩1*08/1/9 17:37
「いつか」自由詩0*08/1/9 2:51
「確かめるように」自由詩1*08/1/8 19:56
「girlie」自由詩0*08/1/7 17:44
「猶予」自由詩008/1/7 4:45
「夜道」自由詩008/1/6 7:23
「無視」自由詩1*08/1/6 7:13
「三瀬川」自由詩008/1/4 18:15
「砂の中」自由詩008/1/3 17:56
「ここからは」自由詩008/1/2 17:18
「近付く」自由詩3*08/1/1 21:25
「クロール」自由詩1*08/1/1 21:23
「冗談にしてみせる」自由詩1*07/12/31 5:06
「remain」自由詩2*07/12/30 3:27
「教えてよ」自由詩007/12/30 3:26
「rainy」自由詩3*07/12/29 2:51
「そこには行けない」自由詩007/12/28 17:15
「試行」自由詩1*07/12/27 17:53
「旧日」自由詩1*07/12/26 17:46
「草の海」自由詩1*07/12/24 18:24
「ペイン」自由詩2*07/12/24 5:03
「蝶々」自由詩2*07/12/24 3:52
「居候」自由詩1*07/12/23 6:29
「密室」自由詩2*07/12/20 17:57
「春の日」自由詩3*07/12/20 17:54
「僕が手にしたもの」自由詩1*07/12/19 19:42

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