交わるのは剥離していく午前の中
円形を保てない僕は
不器用ながらも整えようと伝えようと
這いずりながら溺れていく
盲目の犬が娼婦に縋る
仲間はずれの黒い鳩
欠けたリップステ ....
数列のように確かな存在で
鎖のように深く凛と
続いていきたい
あらゆる事を差し置いてでも
混じり気の無い色に
侵蝕されていく
それは冬の中心に似ていて
意識が霞がかるの ....
これと、それを
選んでいる間の時間
まるで嵐の前の空みたい
決して状態は美しくなくて
崩れる前髪が視界に線を入れるように
色を変えたって断ち切らない限り
私の視界に雨は降る ....
そのままを見ていくよ
秒毎に移り変わっていく
電車の窓からの景色みたい
刹那的なそのままを
どうか眺めさせてよ
聞き取ないくらいの弱い声
しばらくは話さずにいた
水滴が ....
視界は常時、光が触れてくる
手をかざせば影が口元を抑えてくれる
喉元は絞められるためにとっておくよ
どこに君はいる
僕は離れ方を探している
ごめんなさい
謝る声が逃 ....
見えていた?
いつ?最後に確認したのは
姿見にはもう布を被せてしまったが為に
君は不安や恐れしか見えなくなってしまった
手の鳴る方に何がある?
最早、爪に色も落とせないのだろう ....
どんな存在になっている
どんな形に組み込まれている
崩れれば雑にされてバラバラに
無邪気に意図的に別に変えられるんだ
つまらないなぁボクはつまらないなぁ
サイドに流す前髪がとて ....
「忘れた。」
口にすればそれは嘘だと
彼女は気付きながら
繰り返して、繰り返して、
ルーペから黒紙へ
伝える熱は優しくない
温度差のあるアレとソレ
誰も彼もが遠すぎて距 ....
抜け道ばかり寄っている
レールの上での死体遊びは
まるで雲から落とされたみたい
砂利でさえ破れていくよ
林檎が転がる
赤い林檎は点になる
床の上で転がしたビー玉みたいに
....
舌を伸ばした
見慣れた表情のすぐ後に
瞼を閉じて
舌を這わせた
蝶が降り始めるみたいに
二人は重なり落ちていく
耳に近付いた
僕の視界は閉ざされる
感覚だけで越 ....
呼び声は彼方から
夜の沈みを抜けて
僕らの隣側に
よく知れた声が笑いだす
記憶の部屋に鍵をかけるのは
誰にも立ち入ってほしくないから
僕らの記憶は僕らだけのもの
ふたり ....
繰り糸を伝う雨水が
銀色に光るのは明け方の事
踊らされてもいいと
横顔が言葉を返した
知っていたい事
ひとつずつ数えたら
あんな風に結ばれる
知る必要のない事を
無 ....
あなたが残してくれたのは
覆ることのない事実
花束が吹かれて飛び散って
あたしはそれでも笑っていた
喉に詰まってうまく言葉にできない
感じ方を落としてしまった
けれど
....
三時過ぎに受付で待っている
あのソファーの柔らかさ
嫌になるぐらい沈ませる
甘い事象は溶けていく
日々は虚ろに
鳴っては止んでいく
表と裏の違いにさえ気付かずに
僕の踵 ....
あがったりさがったり
シーソーみたいにギッコンバッタン
紐が解けたら落っこちる
誰かが踏んでる僕の紐 色白の手が解いてる
ねぇ ねぇ ねぇ
精神って
どんな神様?
....
擦り切れて
麻痺した感じが素敵なわけです
脳内の中で躍ることができるバレリーナ
夜通しサメザメと笑える姿を鏡で見ました
世界の美しさに魅了されて
僕は両目を塞ぎます
失くすことな ....
慎みたい
急ぎで造ったんだ
残り物だけで造り上げた
出来損ないの心
あながち間違いじゃない
君が赤だと言えば徐々に変色をするだろうし
柔らかいと言えば解け始める ....
全部デタラメだったから
夜の濁流に呑まれていった
慌てふためいて流れ落ちる星を見た
消え失せた彼女の背中が白く浮かんでいた
誰かの手が加われば痕になる
だから誰も必要としなかっ ....
バランスを無くしたのは
片側が傾いたから。
飛行船は空の果てを航空中。
上手に舵をとって
進んでいきます。
見下ろした景色が綺麗だと君が言う。
見上げた景色は遠すぎて実感が ....
凍りついた心室
寝息は揃って
誰にも立ち入れない
ふたりだけの国
現実が終わった
瞬間の遅さだけを集める
丁寧に蓄積させていく
折り重なる
落下する
投げる
....
悲しい歌が
君を狂わせる
指を折って
願う
見据えた静かな未来
潔癖な大地
落ちて行く残像
波間に漂う
素足で君が
誘うように手を招く
聞こえてくるあれ ....
愛情は
小さな箱へ仕舞いなさい
透明で中が覗けるその箱を
大事に抱えておきなさい
互いの季節の変化
それに対応できなければ
形や色が以前とは
違うものに変わってしまうか ....
魅せられた
紫煙は揺れながら留まって
長い睫毛が
雨に濡れていた
足跡は誰かが持ち去ってしまう
望まずとも運ばれて行く体が
その振動に耐えられなくなった
嗄らす声の中身 ....
膝をついたら倒れてしまうだろう
舌は乾いて馴染んだ声も出せそうにない
夜空
こんな姿でも慰められている
まだ焦がれている
錯覚が招いた幻想も
音を鳴らして整理されていく
....
綺麗な貝殻
波に攫われてしまう前に
拾いに出かけなくちゃ
奪われていく世界では
上昇志向の生き物だけが残っていくみたい
それ以外はどこへ放棄されていくの?
嫌いたいなら話し ....
着脱可能な精神で夜と昼を繰り返したい
希望の面積は年々縮小傾向にある模様
カシオペア座が描く僅かな亀裂
空が落ちたら僕達はどこへ逃げようか
計算に基づく誰かの図式
似たような顔 ....
意味がわかんないって
考えもしない内から言わないでくれ
遠く及ばない言語感覚
何もかもがズレているんだよ
またいつもみたいに朝になって
君が横に眠っていて
そんな夢をいつま ....
寝息を立てられるぐらい
安心できるみたい
消え入りそう
でも確かに掴める
そういった存在だけが僕に映っていた
君は拾うために全てを投げ捨てた
今まで手にした全部を投げ捨てた ....
「それでも構わない」って
あの時君はそう言って
留まり続けようとしたけれど
僕はすぐに手を離したんだ
上辺だけなぞった言葉なんて吐きたくない
君には安定を
僕が見せれる全て ....
あの時今が終わって
あの時過去が始まって
君から無口を添えられた
何も無いのは綺麗すぎて
目に眩しいから
僕はうつむいて
それでも歩いていた
感情が無い体はただ重た ....
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