帰っていく
町のともしびが
冷たくなって
帰っていく

月の出ない晩
朝まで
何の鳥を鳴かせよう
誰かがきた
また遠のく町に寄せる
手紙と同じ重さの波
海が近い
花 ....
やわらかさ
について
はなしはじめるとき
枝葉や
幹のはなしばかり
きみが
きいているとき
花の
中の蜜から
不用意にそらされた
ひとみが
もしぼくをみつけるなら
ひとつぶ
 ....
よなかになくのは
ほととぎす
あっ
おどろいた

ちいさくなってきくこえ
れいぞうこが
まんたん

ほととぎす
まよなかのさえずり
とおくへ
いっちゃった
でも
まだきこえ ....
さめたスープを
なべに戻してはいけません
いけません
あたためなおすとき
すぐに沸騰してしまうから
もうそのままに

飲み干すなり
捨てるなり、お好きに
工場から

つきでている煙突のむこう、晴れ

遊歩道のまばらな緑

もうちいさな虫たちの活発さを

しぜんにみつけられる

ジャムが空に流れ出す地熱のせいで

電車 ....
ふわ と溶ける

いくつもの思い出

ざばざば海をかきわけて

ねつっぽく忘れていく

はやく もっと溶けていけ

かすみ空はもうとおい


きら と浮かぶ

この星にと ....
かなしいことなんか
ないよ

雨の日にであった
女の子がいった
かなしいことなんか
ないよ
チョコレートバーの
包装を
ひりひりはがして
そこから
むぐむぐ食べていた
わたし ....
ずっと遠くのほうで
唯一の隣家が肉じゃがを煮込んでいる
においと音
ガスくさいラインカーを引きながら
反対側へ反対側へ
たぶん、海があるはずだから

いつかあなたはいうだろう
さみし ....
シンデレラがいる場所には
近寄りたくない
白い羽毛が
わたしの頬にキスしたとしたら
きっととても自分を恥ずかしく思って
東京タワーのてっぺんから
まっさかさまに落ちていくだろう
夜には
 ....
              雪のことなんか




                   忘れろといったって





        ....
窓からのぞく
町の遠くのほうは
地面の地肌がみえる
これから
灰色のオモチャが乗っかって
もくもく煙を
たてはじめるだろう
溶かしたり
固めたり
飛ばしたり
流したり
飛行場もち ....
きみのナイフはきれいなナイフ
うすあおいろで半透明
ころしてくれといいながら
ベランダからは飛びおりない
きみのことなどどうでもいいが
きれいなナイフはほしかった
だけれどきみの返り血で
 ....
眠る前に
いつも
キミのこと考えてしまう
そのまま
眠っている間も
キミのこと考えてしまう
どうしよう
別に
好きなんてことじゃなくて
だって
私が誰かを好きになる
なんて
あ ....
Hitotsuyanenoshita(13)
タイトル カテゴリ Point 日付
とちかん自由詩208/5/24 22:26
北風の誘惑自由詩208/5/23 11:00
よるはつめたい自由詩108/5/20 2:35
前提に従うこと自由詩108/5/19 20:06
アスファルトのにおいに巻きついて自由詩008/5/15 23:44
せんちめんたる自由詩008/5/9 14:23
雨のち、チョコレートバー自由詩808/4/29 11:20
その料理の材料自由詩108/4/25 8:43
比喩は恥のために未詩・独白007/12/6 21:15
だとしたら…自由詩007/11/27 21:55
忙し色自由詩207/11/20 2:56
いらないもの自由詩307/11/1 4:08
言葉の恋人自由詩007/10/28 13:13

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