君を追いかけ
探しては帰る
どうしようもない夜をくぐり
街灯りが遠ざかる
ポリバケツの上でくつろぐ猫がにゃあと鳴いた
抑揚のない
ふざけた鳴き方だった
さようならと
フリー ....
私を揺する
毒苺の群生する
この森で
木々は静かに呼吸する
膝を小さく折りたたみ
瞳をとじて
二月の寒さを一口のんだ
あの
冷たい上では変わりなく
星が瞬いているのでしょうか ....
飼い猫が死んだ
風邪をこじらせて
咳がつづき
衰弱して死んでしまった
僕はそれを
トイカメラにおさめて
フイルムを
鞄の奥のほうに押しこんだ
*
昔
花火を見に行った
....
斜めから日脚が延び
私の膝下にかかる
この光が消してしまうの なんて
もし私が少女であるなら
このまま失っていくんだろうか
ペディキュアが溶けだして膝の赤みが溶けだして
この陽にむかっ ....
遠くでサイレンが聞こえる
緑化の葉が落ちていく
スロープしていく道も
高架下のグラフィティアートも
下校する女子高生たちも
出口のない夕暮れに染まり
その残光は誰の瞳にも吸い込まれ
....
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