小学生の時の話で
学校に行くと先生が休んでいて
自習の名目で
突然試験をやらされた
わからない問題は後回し
けど 記憶にないから
答えず終い(俺はね)
そ ....
その少女の玉手箱は
最上階の右から三番目
上りきるとすでに
玄関のドアは少し開けられて
少女は風に挨拶をしながら
俺を見ている
「きょうはなにしてあそぶ?」
部屋に入るとすぐ ....
その港の海は
溶鉱炉の煙突の火で燃える
月面が見たくなったら
その火柱の傍で
7つの石を 意思を
いっそ一度に海面に放れば
一瞬だけでも見れるのだ
....
そこは
客が入ろうが入るまいが
知ったこっちゃない
慇懃無礼なラーメン屋なのだ
出来上がった塩ラーメンに箸をさし
麺を一本取り出だした
おお!今日の一本麺よ!
世知辛い世の中にあって ....
湖畔の岸辺に漂う二鞍の
銀の舟を安臥しながら見つめて
一つ目の舟には太陽を
二つ目の舟には明の明星を
乗せて舟を揺らして遊んでいたら
そこには不動の友情が誇らしげに
....
紺に抱かれた地球の上の青
太陽の監視 瓶の汗
こんな季節に
転職したのが哀れ
上司の理不尽な罵声
しかし救われたのは
監視下の
雲の日食
また打ち萎れて
寄せては引きゆく
涙の日々が尽きません
失う度に
一枚の半紙の表に
愛しい名前を書くのです
それをそのまま
月夜の窓辺にさらし
裏に返し ....
水に美しい音楽を与えると
結晶は美しい造形を彩るという
一頻り米に感謝の言葉を繰り返すと
匂やかな発酵をするという
君に君の美しさを称えると
君は聞き飽きた顔をする
....
宿に着いた俺は
すでに着物の中の女将の声と
上がり框の威風さに酔っていた
瞳で飲み干すだけの
美貌の狂い水を
今宵も仲間は口に入れ
その刹那の間借りを
起きても寝ても隆起させ
やが ....
風花の
細雪が落ちてきた
七輪の上にのっている
二つきりのホタテにも
降る度に
曇った空を見上げると
雪はいつも
遊びながら落ちてくる
ときどき気まぐれに
°し 。
....
なぞなぞ好きの俺に
君はなぞなぞを言う
君の生き方がクイズだから
なぞなぞ考えるふりして
俺は後ろめたくなってしまう
あなたから
別れのメールが来ました
気がついたのは
余光わずかな
アパートの階段を上る時
スカートの中に
想見の風が吹き込んできた
2段上がって
またメールを読んだ
左隣りの ....
俺は本屋が好きなんだ
久しく今日も行ってきたよ
麻雀が最強になる本を
ピラピラ見ながら
となりに立ってた押し花好きの
内気なスカートさんをチラ見して
何歩か歩いてパソコン本の棚に行き
....
きみと二人で観覧車へ
のぼるワクワク
のぼりきって憂鬱
うみもビルも見えなくてクラクラ
下がり始めてシクシク
止まってほしくてザワザワ
あきらめて…シーン
ゴ ....
棚を見つけてギラついたよね
されど「完売御礼」
瞳孔は従事者のトレースに蹂躙された
君は片割れの月の下を
とぼりぽつりと歩き帰る
わかっているさ
ブランド品の群衆は ....
店はまばらな客入りで
台から流れる音楽も
街から離れゆきながら
奏でる憂鬱のチンドン屋の調
座る台は
どこでもいいのさ
ランドセルが重い頃
晴れた土曜の昼下がり
見上げた我が家 ....
ある乳飲み子は
愛ある母の乳を飲み
栄養の意味を知らずとも
子供に育ちゆきゆきて
ある男子は乳を忘れ
愛撫ゆえに乳首を吸い
重ねる日々に乳房を選び
ある日衰えを知ってゆく
ある ....
鏡の前で唇に
口紅を塗り君に同化してみたよ
好きこそものの上手なれ
とはいうけれど
やはり君ほど上手くは濡れないな
俺が君にあげた口紅を
君の趣味ではなかったけども ....
きれいな稜線が映える山でした
その麓で漂う日々は
差し込む斜陽を大理石とし
明月に化粧を浮かべ
見るものを穏やかにして
守るものを強くしました
ある日
順番来たのではなく
時が訪れ ....
毎朝眼にするお日様は
暇なしほどに変わらない
歩けば季節は変わるけど
ゆめゆめ惹起するには疲れたな
貰って置いたクリスマスローズの
花は何処かで咲いているんだろうか
生きる為の手段 ....
さみしかったけど
雨が降っていたから
窓を少し開けて外を見た
空中で透明な雫達と
輪舞曲を奏でる
桜の葉たち
落ちてゆく哀しさは
私が見守ってあげよう
地で雫が揺れていた
桜 ....
俺が吸った煙草のけむり
曇天の空が飲み込んだ
この世で借りた身体だけど
最近肘がきしむんだ
君は元気のあるふりをしているか?
君が元気は映写機で
ゆえに人はスクリーンで
つま ....
おだやかな瞳で空を見る
太陽の水がグレーの霧を抜けて
無数のビードロの玉になって
私の瞳に流れゆく
あなたに熱情を感じてほしくて
空を漂う私の瞳は
太陽からの水を好む
心を見つめ ....
冬の日に
熱いレモン汁のような言葉を胸に納め
春の日に
春雷のような瞳で足下を叩かれた
夏の日に
かき氷より冷たい涙を流し
秋の日に
火照った月を癒す星のまぎれのように
素 ....
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