ひたむきな
春の陽射しが
まぶしくて
空に向かって
つばを吐く
疲れた身体を脱いで
立ち上がれたら
なんて楽だろうと思う
始まったばかりの朝は
あっという間に夜になる
何をしたのか数えていると
堕ちて行くように目が閉じる
明るい朝が来ます ....
TVのニュースは
今日も残酷なものばかり
電源オフにして空を見ても
私の一日は安い物語
神様はどこにいますか
最近はお忙しいのですか
お年寄りの幸せはありますか
私もずっとず ....
今日のお天気を
横目でチェックする
鼓動が早まる
慌ただしい朝
折りたたみ傘を
鞄に放り込み
気温に会わせて
コーディネイトを変える
駅までの道は
外気と身体の慣し時 ....
真っ白なスタート
とにかく背中を押されて
頭から突っ込むでんぐり返しのような
これまでと違い
目覚めるのも自然にまかせて
自分の意思で起き上がることができる
毎日に変わった
....
アワアワと
動いていると
アワアワが増えて
ランランと
歌っていると
ランランになった
同じことをしているのに
不思議だなぁと思いつつ
モグモグと
食べるゴハンは
....
探し物
タンスの引き出し
ベッドの下
高いところ
低いところ
見つかるかな
私の充実
走り込んだ
息が上がった
呼吸を整えて
力を抜いた途端
おなかが
ポコンッ
ありえないと
目を閉じた
床に寝転がって
自分の手を見る
手の甲を見たり
手の平を見たり
小さな部屋
小さな自分
どうせちっぽけなら
無くなればいいのに
呟いても身体の向きを
変えても ....
お元気ですか
私はとても元気です
私の住んでいる街は今
イチョウがキレイです
上を向いても
下を向いても
黄色です
これで歩いている人が
黄色だったら笑えます
前 ....
女子高生4人組が
前を歩いていた
会話と同じように
鞄のマスコットが
弾んでいる
懐かしいなあの頃
何を考えていたかな
何を話していたかな
速度の遅い女子高校生
4人 ....
私の周りには
赤と橙と黒がある
黒が苦手だったけど
黒は削ると白かった
橙が好きだったけど
橙のお腹は黒かった
ちなみに
赤は削れなかった
私は私を削ろうとしたけど
....
年末の大掃除に向かって
クローゼットを開けた
激動の一年を振り返り
ハンガーにかかったままの服を
どんどん投げ捨てる
こんなところにまで
思い出が詰まっていたなんて
いらない ....
記憶を
じゃぶじゃぶと
洗えたらいいのに
無意識に
浮かんでしまう
昔のこと
この季節に
刻まれてしまった
思い出
北風に触れると
浮き上がってきて
気持ちを乱し
....
足に合わない靴を
無理して履いた
似合うよ
勧められた時から
サイズが違うことを
気づいていたのに
ひとつ
笑顔を返したから
いくつも
その靴が増えていく
嘘の ....
モンスター
現る
怖くはない
ひたひたと
近づいて来る
私は逃げない
握手を
求められ
おそるおそる
右手を出すと
モンスターが
躍った
追いかけても
黒い影しか見えない
たぶん
夢のしっぽだと思う
ちゃんと
見たことはないけど
そう信じて
追い続けていこう
虹の橋が
架かっている先まで
やらねばならぬ
そんな夜
寝不足の目は
赤信号だけど
コーヒーと気合を
入れなおして
今晩は
やらねばならぬ
つまらないことを
ひとつずつ重ねて
積み上がったところで
オーブンで焼いた
不満と愚痴を挟んだパイは
意外と良い出来栄えだった
ナイフを入れて切り分け
フォークを突き刺して
....
空が少しずつ
今日を飲み込んでいく
よかったことも
わるかったことも
ごくんっ
ごくんっ
残った思いは
真っ黒に塗りつぶして
リセット
ベッドに入ったら
羊 ....
お別れの日なのに
ホームは暑いし
蝉はうるさくて
機嫌の悪い
顔をしてしまった
じゃあね
手を差し出すのが
精一杯なのに
閉まった扉に
遮断されて
あははと笑った
早 ....
風に触れば
誰かとつながっている
ひとりじゃない
手を撫でる
やわらかい感触
遠くて届かない
空ばかり見ていた
悔やんでばかりの頬を
しなやかに撫でる
優し過ぎて ....
動く景色を
眺めていたら
ぽつんと
ひとりぼっちに
なっていた
将来を想像して
動いてみたら
ココロが
ぺたんと
なってしまい
ぼんやりと空を
見上げたら
どっぷりと
....
どんどん投げ込まれる
変化球を
受け止められなくて
ぽんぽんぽんと
ボールが転がっていく
そんな感じに似ている
会話に耐えきれず
キャッチボールを諦めた
グラウンドに
....
簡単に手で曲げられる
針金のように
くいっくいっと
あらゆる方向へ折る
まっすぐだったものを
曲げたくはないけど
その方が使えるなら
ちょっとくらい
胡蝶蘭に憧れたタンポポは
花びらが日焼けしないように気をつけたり
たくさんの葉はいらないと減らしてみたり
そうして思いきりパァと咲いてみたら
やっぱりタンポポでガックリした
せめて高い位 ....
みんな頭の上に
金魚鉢を持っていて
歩けば中の水が
ちゃぷんちゃぷん
揺れている
ときどき
金魚が入っている人がいると
みんなが振り返る
水が濁って
少ない人がいた時は
....
ころころ転がる
ボールのような毎日を
思うように転がせなくて
焦ってしまったり
怒ってしまったり
ぶつけて傷ついたり
気が抜けて凹んだり
それでもまた
弾みをつけて出かける ....
カタチを変えても
ワタシはワタシ
根っこは変えない
コレで行く
上がる気温
冷たい飲み物
紫外線
日焼け止め
イタチゴッコの
夏近し
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