「どうしてこの手はこんなに赤いの。」
目を閉じる
訪れる完全な暗闇
網膜の裏にちらつく 焼きついた赤色
切り捨てていくしかない世界なんて
本当はいらなかったよ
全部 全部 この手の ....
これ以上哀しいことを言わないでいいように
これ以上醜い言葉を吐かずにすむように
硝子の石を頬ばった
口いっぱいに 頬張った
鋭く尖ったそれらは
僕の口いっぱいに血を溜めるだろう
脈打つ ....
お願いだ
やめて欲しい
これ以上 この胸の中をかき乱さないで
これ以上 この胸の内を暴かないで
そうっとしておいて欲しい
僕の中の狂気を どうか
(君を引き裂くことが、僕の愛
....
自作詩と写真のサイトです。
詩はボールペンとノート、或いはテキストエディタ、
写真は父から譲ってもらったNikon FEとロシアの玩具カメラSMENA 8Mで撮っています。
平熱より冷めた目 ....
君の青白い肌に
珠のような汗が浮かぶとき
毒を飲み干しているのだと 思う
世界中の美しい色は君の中にある
僕はそれに触れて 飲まれて
侵されていく自分を 知る
歪んだ雲の地平線から
顔を出せない月
掻き混ぜて淀んだ熱が生んだ
君を抱けない腕を切り落としても
慰めになんてなるはずがなく
漂う気だるさに萎えた憎悪も
萎びて今では役に立たない
....
いつまでもとぼけてなんていられない
時計の電池はもうすぐ切れる
首筋に這う刃物の切先はじわじわ侵食してきてて
皮膚を緋色に染めるから
本格的に食い込む前に 早く早く
夢見心地で歩けていた ....
骨は砕け割れて
君をますます遠ざける
微粒子になった君は
いつか混ざり合えるのだろうか
置いてきぼりの愛情
喉は渇ききって
それでも唄える歌があったなら
君の面影を追い求めた ....
耳を塞いで 顔を横に千切れるほど振って
いやだ いやだと泣き叫んだ
あの空の果てへ行きたくない
あの空の果てへ君との思い出や
罵りあった言葉 囁きあった愛を
流してしまいたくない
....
闇よりも暗い海の底で
そっと 約束を喰い千切った
悲しい とか 苦しい とか
そんな言葉 もうひとつとして
聞きたくない 言いたくない
僕たちふたり
悲しみ以外のものを共有したかっ ....
滲み始める汗に嫌気が差す
青い空には黒ずんだ雲が覆いかぶさり
訪れる嵐が少しずつ
夏の気配を削り取っていくというのに
暦の上ではもう秋なんだよって
君は物知り顔で言う
そんなこと 僕だ ....
秋が呼吸を拒み、冬が明けた
硝子質の夜の底に星明りが反射する
手を伸ばせば届くような気がした
夜の底を 垣間見たような気がした
全ては傲慢な錯覚で
明けぬ夜がないのと同じように
夜を見 ....
冷め切った紅茶を飲み下す
視線の先には透き通った闇夜があるばかりで
僕は少し目を伏せ 俯いた
自分の足音ばかりが響くような午前三時
気まぐれに触れたアスファルトが温かかった
街灯の下 何 ....
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