緑黄色の筋を辿る
しかつめらしい顔をして
二週間前に脚の折れた椅子が
涙を堪えながら
回収のときを
ベランダの外で憂っている蝉と
夕立を待つ
蚊が
生きようとする
私も
生 ....
おやゆびをかんでみた
はじまるあじがにじみでた
はじまってしまったものはしかたなく
たそがれのないように
マニキュアをさがしてみる
さっきなげたゴムボールが
うつぶせでしゃくりあげてい ....
耳鳴りがする
ざざあ、ざあざあ
蝙蝠の日常へと
僕は誰にも視えない
夜と平行に砂浜を歩く
埋もれたかかとに被さる幻滅
底、がないのは右一里と同じこと
逆立つ産毛の感覚を
今はまだ捨 ....
太陽の残滓が髪をぬらす
あぜ道のかえるがむせかえる
笑えない冗談なんて言わないで
汚れたシャツが滲むでしょう
逃げ水へ手を引かれた先で
少年は樹液になった
少年は樹液になった
....
クリオネの夢をみた
あおいあぶくを泳いでいる
ほんとうのぼく
あいかわらずぼくは
みっしつで
ちぎられている
どうやら
ながされているらしい
あぁぼくも
ぼくのうでみたいにな ....
オープンカフェで
またもみつけられました
あらかた予測ずみの結果だ
マルボロをくわえ
なにがそこまで
哀しい目をさせるのか
はくはつ
だったので老人と
推測いたしました
なか ....
少女がリノリウムに憧れていた
何なのかまったく知らなかったけれど
ラ行でのはじまりがきらびやかで
口に出すとほどよく甘いところが
なんとなく好きだった
床が嫌いで
一人のつめた ....
挨拶が微弱すぎて響かなかったとしても
散歩の帰り道に賢者がいた
うす汚れた灰色のローブが汗を吸い
地を削るようにしてひたすら足踏みをしていた
もしもし、ドチラへ向かうのですか ....
はがれおちて
きのうのうちに
甘美な成長に去った
いのちよ
ひとくちの ミルク
しみこんでいく ひきかえに
ひとすじの いのち
をたくされます
いのちよ
なみだがへん ....
すこしさむいようで
身をよじって蛾
とんでいきます くらがり闇夜
まんまるをでんせんがつらぬいて
そして貼りついていた 空に
いたそうだ
兎はちんもくしていても
にじむ朧の鮮血
....
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